桃太郎は何故鬼を退治するのか?動機から作る物語構成。
1章
桃太郎。
この文章に目を通している諸氏しょしにとっても、また一般的感覚においても、
『桃太郎』とはもっとも有名なおとぎ話と言っても差し支えないと思われる。
話の筋書きはこうだ、
①桃から生まれた桃太郎が老夫婦に育てられ。
②巷を騒がせる鬼を退治するために旅立ち
③キビ団子を用いてイヌ・サル・キジを仲間にする。
④力を合わせて鬼退治をする。
というものだ。
このサイトを覗きのぞき、筆を取ろうとしたことのある御仁ごじんなら、一度は参考にしようとしたことのある題材かもしれないが、たいていの場合その試みは失敗したのではないだろうか?
そうです、この桃太郎は未完成であり、大きな謎を残したままの作品であるからです。では何故未完成に見えるのか?大きな謎とは何か?これを考えることで物語の理解を一緒に深めてまいりましょう。
~桃太郎は何故鬼退治に出る必要があったのか?~
『桃太郎は鬼ヶ島にお供を連れて鬼退治に行く』という物語の筋書きは誰もが知っていて、疑問にも思わないものでしょう。だがここに、あえて理由を付けてみようと思う。何故そんなことをするのかと考える人も多いと思いますが、物語を考えるうえで柔軟な発想は必要になってくるものです。
そうです、これは我々が当たり前のように抱えてる固定観念を壊し、分解し、回して、違う視点から『桃太郎』考える思考実験です。ただ理由を考えるにあたって2つ、『桃太郎』のお話には疑問があるのです。
①老夫婦はどこから桃太郎に渡す刀を取り出したのか?
②お供の助力があるとはいえ、『都』が手を焼くほどの鬼を何故たった一人で倒せたのか?
という二つの疑問が出てきます。
本文中に出てくる老夫婦は、翁は山に芝刈りに、老婆は川に洗濯にと、山にポツンと一軒家の体ていで暮らしていることがうかがえます。そうです、彼らは村や町中に居を構えることをせず、もしくは許されない待遇であったのではないか?少なくともそう思わせる描写がされています。当時の生活・文明レベルから考えても裕福とはいいがたく、老いた老夫婦身には大変な環境であった、もしくは追いやられていたと考えられるわけです。さて、彼の老夫婦は刀をどこから用意できたのでしょうか?
もう一つは桃太郎の異常な強さです。本文中では『都を騒がす鬼』が遠く町や村どころか山小屋に住む桃太郎の所まで噂が届く間、ずっと放置されている状況が続いているのです。しかもその鬼の本拠地は鬼ヶ島!本拠地すらばれているのに未だ討伐もされず、その暴挙を止める手立てがないというのです。これは鬼が余程恐ろしい存在であるか、もしくは役人と繋がっているかのどっちかと考えてしまいますが、今回は『鬼が強かった』場合の、「そんな強い鬼を纏めて屠った桃太郎」とは何なのか?に集中して考えてみることにします。
長々と成りましたが、ここからが本番です。
次の章からは、上記に上げた疑問そのそれぞれにフォーカスし、桃太郎が鬼退治をするそれぞれの理由を軸とした。2種類のプロットを見て貰いましょう。
続きます




