フレンドリー・フレンドリー2
「わ、悪い……嫌な夢見てさ」
むかし、むかしの話だった。だけど、他人事では無く俺の事で簡単に終わらせられるような話ではなかった。
あのことがあってから俺はあんまり笑えなくなった。
ーうし!!!ー
あの時、名前を言えなかった。名前が分からなかった。
牛のキメラを虐め殺人未遂をしてしまった。
「おい!!!優斗!!!聞いてるか?まだ、寝ぼけてんじゃ……」
友達に声をかけられた。こいつを友達と思っていいのか
あの名前も知らない。牛のキメラのことを虐めたけど友達になれないのか
「キメラ……」
俺は声を出した。
『友達』は首を傾げ「キメラ?」と言った。
「お前さ……キメラについてどう思う?」
助けを求めるように『友達』は『俺』を否定して欲しかった。
キメラは仲良いとかキメラを虐めるやつは最低だとかそうやって昔の『俺』を叱って欲しかった。
だけど……
「キメラ?嗚呼、クソだろ……キモいし汚いし……ほんとなんで、生きてるんだろうな?死ねばいいのに」
そんな、酷いだろ。叱ってくれよ。『俺』をクソだと嫌なやつだと……
軽い言葉で『死ねばいいのに』とか言うなよ。
『俺』は『俺』は
いや、また、夢を見よう。
それにこれはまだ夢なのかもしれない
『俺』はいや、『高橋 優斗』は自分の行いを夢だと思いたかった。
自分がやったことだと思いたくなかった。
信じたかった。
「おい、優斗!!!何寝てるんだよ!!!」
『友達』に言われた。眠いから寝たんじゃない夢を見たいから寝たんじゃない信じたくなかったから寝たんだ。
それなのに、なんで、起こすんだよ。
「おい、優斗!!!」
「うるさい……ほっといてくれ」
高校に入ってから初めて言ってしまった。
でも、仕方ないだろ……本当にうるさかったんだし
中学の時だった。
「うるさい!!!」
虐める同学年と虐められる同学年のキメラ……
我慢の限界だったのかもしれない……
小学生の時に起きた自殺未遂を見てしまったせいでトラウマになって悪夢になって呪いになって俺を襲った。
ただ、みんなと仲良くするためにみんなからはぶかれないように次の虐めの標的にされないように
全力で笑い全力で自分を殺し全力でみんなに合わせた。
その中のことだった。たった一言……たった一言でこの場は壊れた。
たった一言の
『うるさい』
と、言う言葉で