フレンドリー・フレンドリー
キメラとかキモイんだよ。
キメラとか産まれなきゃ良かったのに
キメラとかクソキメラなんて死ねキメラなんてウザイ
周りも言ってたし俺も言ってた。
小学校に通ってた時に俺はクラスの人気者でクラスの中心にいた。
人は30人のクラスでキメラは2人の32人の普通のクラスだった。
からかってるつもりでいた。
それがいじめになってしまったのかもしれない。
「よー!!!キメラー!!!なんだっけ?名前……まぁお前に名前なんてあってないようなもんだけどな?牛ー!!!モーモー」
だって、いいだろ?キメラは虐めてもいい存在なんだし
それにキメラだって言ったってこいつは第2種のキメラ家畜のキメラなんだから虐めても……
誰も……何も……言わない。
牛のキメラは虐めに耐えきれず窓から飛び降りた。
キメラは死ぬことが無かったが数週間入院することになった。
「優斗が言ってたから俺らも言ったんだ」
「そうだ、優斗が言ってたから」
いや、待ってくれよ。みんなだってキモイとか嫌いとか言ってただろ?
なんで、俺だけ……
そうか……俺は人気者なんかじゃなくてただの道化師だったんだ。
そこから、人を信用しなくなった。
キメラも人間もみんな、みんな、嫌いになった。
人間嫌ってもおかしくないし俺だって嫌われてもおかしくはない。
ただ、『キメラ』はどうだ?何かしたか?してないだろ?
俺は仲間の真ん中にいた人間じゃなくてただの面白い『ピエロ』なだけだったんだ。
そこから、心の底から笑うことが出来なくなった。
「『高橋』さんは真面目ですよ。周りと遊び勉強も運動も頑張ってます。ただ、心ここに非ずというか……」
中学生の時に先生に言われた。三者面談の時だ。
「小学生の時にキメラを虐めてたらしくそれを酷く気にしていて」
母が言った言葉だ。
俺の何がわかる?キメラを殺しかけた。言葉で!!!
「『高橋 優斗』君、気にしないで!!!みんな、キメラを虐めるなんてあることなんだから……人を虐めてたら君は酷い子だ。だけどね?」
なんだよ。人だったらいいのかよ。同じ命だろ。
人とキメラの違いってなんだ。
「おーい?優斗?大丈夫か?」
俺は夢から覚めた。
「なんだ。夢か……」
制服は汗で濡れ手の震えが止まることはなく俺の名前を呼んだ男は人の身体に牛の顔で小学生の時に死んだ。いや、飛び降りたあのキメラの少年のように見えた。
「うわぁ!!!」
椅子が倒れ俺は床に落ちた。
よく見ると俺の友達だった。