生きるに自惚れる 2
大丈夫!!!泣いてる『人間様』に『手』を『差し伸べる』ことが出来たから
大丈夫、人間様に、手を、差し伸べる……
人間様、人間様、人間様……
人間……様……
「あんたはうちの子じゃないわ!!!『キメラ』なんて引き取るんじゃなかった!!!」
あとから、知ったことだった。
『人間』からの『配合獣』の差別用語が『キメラ』であり
『キメラ』からの『人間』への差別用語は人間『様』だということに……
これは違うかもしれない。間違えてるのかもしれない。
もっと、学ばなきゃ……もっと、パパとママの為に勉強しなきゃ……
僕は『キメラ』なんだから……
「ごめんね?ママ……僕が『キメラ』だから……」
初めてだ。初めてママは僕を叩いた。
そして、僕は初めて『泣いた』
ねぇ、泣いたよ?初めて泣いたよ?
もっと……もっと、『僕』を『見てよ』
『キメラ』とか『人間』とか『関係ない』
そうだよね?
大事なのは『命』なんだから!!!
そう言ったじゃんか!!!
僕の……『顔』がこんなに醜いから?
僕がこんなに殴られたから?
じゃママ……
あの殴った人と……
「同じだね」
腫れたママの目が『僕』に向いた。
どうして、そんな目をするの?
「私は!!!あなたの母親なの!!!腹を痛めて産んだ!!!私の子なの!!!」
声をあげて言ったその女性は、もう僕のママじゃなかった。
「違うよ?『あなた』は僕を施設から引き取った人でしょ?」
怒ってまた叩いた。
「ごめんなさい『人間様』……あの、『人間様』と同じように殴る人はもう、ママじゃない……」
顔が痛かった。心が痛かった。
だけどね?
もう、ママはあの頃のママには戻れないんだ。
「だから……育ててくれてありがとう……」
ママは……
いや、この人は、『泣いてる』人には手を差し伸べなさいと言ってくれた。
だから、もう、痛くもない『心』で、泣いてるこの『人間様』に笑顔で言ってやる。
「『人間様』ありがとう」
『人間様』は家から出ていった。
出ていくのは『僕』の方さ……
この家は僕の『家』じゃない……
『僕』を『キメラ』を自分の息子として育てた『異常者』の家だ。
「かずき……」
パパの声が聞こえた。
「ねぇ、パパ……パパは僕の……『親』?」
パパは倒れた。
ねぇ、パパ……なんで、そんな顔するの?
そんな……『バケモノ』を見るような顔……




