夢無きカーネーション2
私は子供を作ることにした。
子供の作り方はわかる。
男に襲われればいい
簡単なことだ。
私はその間、我慢をすればいい……
アイドルになろうとしてるのだから容姿は完璧だ。
男……どこかに、『手頃』な男を……
私の『アイドル』を叶えさせる。子供を……
そんなのは、簡単に見つかるはずもなく……
私は婦人科に行った。
もちろん、子供を作るために……
意味の無いことだとわかってる。
……だけど、それしか方法が見つからなかった。
数ヶ月に1度聞く『元気』な『赤子』の声……
そのなか、1人だけ叫んでいた。
歳は40〜50と言ったところか……
「これで、お金は……お金は入るんですよね!!!うちの孫は、学校に……入れるんですよね!!!」
赤子は男女が仲良くしてできるものだと思っていた。
また、男の無責任なものだと思っていた。
初めて知った。子供を作るとお金が入るということに……
「あの……すみません」
私の口から出た言葉だった。
なぜ、声をかけたのだろう
……なぜ、かけてしまったのだろう
その女性……『安藤美空』は『キメラ』という生き物を産む『system』に参加させられたらしい
させられたと言っても政府からお金を受け取ったのだから『代償』なのだ。
と、言ってた。
『キメラ』は知らないが赤子ならなんでもいい……
私は『アイドル』にさせるだけの器が欲しかった。
私の夢を……いちはやく、叶えるため、新しい『命』を
「すみません。山田菜々美様……こちらに……」
白衣を来た医者では無く、看護師でもなく、スーツを着た男が一人
私の目の前に現れて言った。
そこは小さな会議室だった。
スーツの女が座っていた。その前には『安藤美空』が座っていた。
男は私に『安藤美空』のとなりに座らせられまた、男は私の目の前に座った。
16の私はよく分からなかった。
高校に入り、アイドルになり、私の夢は最高に輝くはずなのに、歪な同じ歳の悪魔に私の幸せは奪われ
そして、私は今から『子供』という名の幸せをこの『安藤美空』から『日本』の『政府』から取り上げる。
そんなことをたった、1枚の書類で片付けることになるなんて……
「菜々美さん……産まれるかはわからない……ただ、この『システム』に加わることでお金が手に入る。その後の産まれたのか産まれないのかはわからない……でも、もし、産まれたなら名前を『雪』にしてくれませんか?」




