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生きるに自惚れる

僕の父は有名な競走馬らしい

そのせいか『不明種のキメラ』いわゆる『第1種』や『第2種』と言われることの無い

人間で言うところの『第3種』のキメラだ。


僕には人間の父も人間の母もいる。

産みの母は僕を産んだ時に亡くなったと聞いてる。


施設にいれられ3年の月日が立ち今の両親に出された。

今、住んでいるのは見た目的には館と言っても遜色は無い。


『キメラ』として充分過ぎる人生を送ってきた。


たぶん、『キメラ』という存在を忘れていたのかもしれない


僕は『キメラ』じゃない……『馬』じゃないって……


ある日、顔を殴られた。なんも、取り柄もない。『高校生』にだ。


殴られた。殴られた。ボロボロに殴られた。なんも取り柄もない『僕』を『人間様』が殴った。


初めて『人間様』と思った。僕の周りの『人間様』は僕に『優しかった』

僕は『人間様』に殴られて初めて自分のことが……僕が『キメラ』だと知った。


その時に言った言葉は「痛い」や「やめて」ではなかった。

その代わりに出た言葉は心配の言葉だった。

「僕を殴って痛くないの?」


痛いのは僕のはずだ。

そうだ……絶対に痛いのは僕の方だ……

なのに、なんで、そんな言葉が出てきのか……


それは、君が……


『泣いてたから……』


ママに聞いたんだ。

「いい?カズマ?いつだって痛いのは、辛いのは、泣いている子なのよ?」

ママは強く抱き締めてくれた。

「だから、人間とかキメラとか関係なく泣いてる子には『大丈夫?』と手を差し伸べれる子になりなさい」

その言葉と痛いほどの愛で僕は『君』に声をかけることができたんだ。


「僕を殴って痛くないの?」


って、強く殴られても『痛い』を言う前に出てきたんだ。

『君』の方が痛かったのだから……『君』の方が泣いていたのだから……


痛みは腫れに代わり家に帰った。

ママにもパパにも大丈夫?と聞かれた。

でも、僕は……

「大丈夫!!!泣いてる『人間様』に『手』を『差し伸べる』ことが出来たから」

笑顔で言えた。


そこからは家庭が崩壊した。

学校では心配された。

役所から厳重注意を受けた。


そして、より強い見張りが着いた。


『僕』が『キメラ』だから……


『僕』が『第三種』の『馬』の『キメラ』だから

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