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アイドルシンドローム 前編


ーキャットシーサイドー

猫をモチーフとしたアイドルだ。


私、新井未来はプロデューサーと社長の方針で4人のアイドルグループ『キャットシーサイド』というアイドルを作ることになった。


そして、私、新井未来はその『キャットシーサイド』のメンバーの1人だ。


他の人の名前?覚えてない……

だって、私はアイドルで他のアイドルなんて興味無いから……


上を見ようが下を見ようが、右を見ても左を見てもアイドル、アイドル、アイドルだけ……

アイドルだらけだ。


その中で私がアイドルを辞めるなんてことになっては私が困る。


「社長も馬鹿だよねぇ……このキメラ社会で『ネコ』をモチーフにするなんて」

確かにキメラが出てきて数十年が経つがそんなことを言わないでいいと思う。


キメラだって音楽を聞く権利はある。人と動物は違えど上の趣旨はわかる。

ライブハウスに命は平等なのだ。


そして、『キャットシーサイド』は終わった。


「みんなも言ってたけどやっぱりダメだったねー『ネコのアイドル』キメラが嫌われるんだから『動物』をモチーフしたアイドルなんてやっぱり無くなるよね」

1人が言った。それに対して2人が言った。


社長もプロデューサーもいないところだから言えることだ。


「未来ちゃんはまだアイドルやる?新しくアイドルグループ作るとしたら……」

首を傾げその子は言った。


「私はやらないかなー」

1人が言った。

「私もやらないかなー」

もう、1人が言った。


私も……私も、


「私もいいかな……アイドルは」


憧れてアイドルになった。

だけど、憧れてたアイドルはただの憧れで

憧れは次第に上に上がらないといけないと思うようになり

今、アイドルが終わるなら、


私は『アイドル』から解放される。


それから、私、新井未来は『アイドル』をやめて裏方になるようになった。



「おい、ライト!!!あと、マイクもちゃんと用意しろよ!!!」

スタジオは怒声が鳴り響いた。


私、新井未来!!!元アイドル『キャットシーサイド』のメンバー

決しておいでは無い。


「はい」


プロデューサーからの声は前の私にかける言葉ではなかった。

ライトもマイクもカメラも持ってきた。


あー疲れたなぁ

少し寝るか……


私はトイレで寝ることにした。


そのトイレには先客がいた。


『私、アイドル。もう、疲れた。アイドル……アイドルなんか辞めたいよ。』


うさぎの耳をした。可愛い可愛い顔をぐちゃぐちゃにした顔の『城井兎斗』だった。


うさぎの耳をした。うさぎ?

「そっか……あの子『キメラ』だったんだ」


『城井兎斗』はウィッグを被ってぐちゃぐちゃな顔を戻すように水でバシャバシャと洗った。


「よし……」


『城井兎斗』がタオルを出したあと私はトイレに入った。



私の顔を見てはいけない人を見たように見た。

トイレの個室に入るのも私はできず無言を無くすように言った。




「ねぇ?知ってる?アイドルって顔が命なんだよ?」





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