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不良の内心3


『正義』の『味方』とは『誰』にとっての『味方』なのだろう


嗚呼、俺は『自分』の『味方』で『自分』の『敵』だ。


一匹狼のように誰も近寄らなくなった。

『木村』も数週間は来てない……


俺の周りに『木村』以外のキメラはいないし小学校の時と『木村』以外のキメラを俺は知らない


ただ、最近、噂を聞く……

ある女がキメラだということだ。


今、知ってるのはキメラということ女ということ……

あとは……


俺が話しかければ避けられる。だからか、一人だということ……


数週間と言えど『木村』が懐かしい


俺は『人間』とキメラも救いたかった。

だけど、救いたかったのは……救われたかったのは本当は俺自身じゃないのか?


こんなことを考えても仕方ないのはわかってる。

自問自答しても答えは出ない……


「あの……安藤くん……」

声をかけてきたのはクラスで地味な女の子の南さんだった。

唯一俺以外に『木村』を嫌に見ない女の子だ。

『木村』をいや、キメラを助けてくれる唯一の『人間』


できれば、俺のことも『助けて』欲しい


「あぁ?」

声をかけられたのが久々過ぎて凄んでしまった。

女はヒィ……と声を上げるように少し後ろに身を引いた。


ただ、その南という女はその場から逃げることもせずに立ち尽くしたまま言った。

「安藤くん……プリント……どうぞ」

1枚の紙を渡された。


南は俺の前の席ではない。


じゃなんで、俺なんかにプリントを渡した?


「安藤くん……木村くんと仲良いから……」

南は俺に豚のキメラの『木村』と仲良い……そう、言ったのだ。


「いや、ちが……」

「いや、そうだよ。安藤くんは優しいし木村くんにも優しいし……」


南は俺の声をさえぎった。

そして、一呼吸着いてから声を出した。

「だけど」


ただ、その声の後の言葉は出なかった。


「……ううん、なんでもない」


俺のなにを知っている。お前は俺のどこを見ている。

優しいなんて言葉を言わないでくれ……

『正義』は『誰』の『正義』で『悪』は……いや、『虐め』は『止める』べきなのか……


俺は小学生の頃から『俺』は『正義』で『強さ』を見せた。

中学生の頃から俺は『正義』から『正義』の『綻び』が出た。

高校生の頃から今まで『正義』から出た『綻び』が俺を襲ってきた。


なんだよ……

なんだよ。こいつら……俺を……俺が何をした。


震えてる俺に南はプリントを取り上げて悲しそうに呟いた。


「安藤くん……辛そうだし私から木村くんに届けるね」


やめろ……やめろよ!!!俺を……


見捨てるな……

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