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普通に生きて痛かった2


やめて、やめてよ。僕が何をやったのさ

生きてるのがダメなの?なんで、僕を虐めるの?


「はは、虐めるのに理由なんかあるかよ」


虐めるのに理由なんかない……

偶然の産物でキメラは産まれた。


偶然で産まれて偶然で虐められて偶然で死ぬ。


「もう、いいや……人生なんて」


嗚呼、飛び降りよう。


飛び降りたところで死ぬことが決まってるわけじゃない

四階から命を落とせるか分からない


でも、分からないから虐めて来たんだろ?

気持ち悪いから虐めたんだろ?


なら、もういいじゃないか……


飛び降りで地面にぶつかる間に聞こえた言葉は「牛」だった。

名前だって覚えられてないんだ。


まぁどうでもいいか……どうせ、死ぬし……


ただし、死ぬことは無かった。


キメラ用の病院ではキメラもニンゲンも同じ命だと考えてるらしい

ニンゲンとキメラが同じなわけない……

だって、虐めてきたのはニンゲンだろ?


そんな気持ちもあった。だけど、ニンゲンもキメラも心さえあれば考えは違う。


それがニンゲンの中でも異端で宗教と言われてても……


部屋にニンゲンが入ってきた。そのニンゲンも逃げた。

ニンゲンはなにかを言ってたかもしれない


「まだ、忘れているのかい?いや、思い出したくないのかい?」

僕は言った。どうせ、聞こえないだろう


「君は誰?」

答えられた。聞こえるのか僕の声……


「誰って俺はお前だよ」

何も分からない何も知らないそんな相手に優位を取りたかった。

キメラだった時は俺とかお前とかなんて言わなかった。

何も知らない知りたくないあの頃の僕と自分を知ってる僕は鏡合わせの『クローン』みたいだった。


「これは鏡……お前の本心を映すものだ」

優位に立ちたかったのか何も知らないのを可哀想だと思ったのか色々教えた


「さっきのは人と言うものでお前は牛の『キメラ』だ」


自分が見えてるのはこいつだけだった。

虐めてきた人間には自分が見えないのだろう


数分の沈黙が続いた。

嗚呼、俺は……いや、僕は薄れてきてるのか


2人の人間が入ってきた。


その話声も聞きたくなかった。この2人は学校の人では無いのは知ってる。

だけど、人間は同じ人間だ。


話が終わり2人は出ていった。

俺は僕に話しかけた。


「おい!!!聞いてるか?寝てないか?そもそも、俺がここに出てきてるってことがお前に意識はあるから寝てないことになるんだが」


適当に声をかけた。本当に適当だ。寝てるから薄れてるわけでもないと思う。俺は、僕は、自身をいらないと思ってるからだ。これも適当な話だ。確証は無い。

ただ、寝ていたらこの言葉も相手には通じないはずだ。



「なぁ……無視されると寂しいんだけど……」

勝手に口から言葉が出てきた。

虐められてた。苦しかった。

だけど、何故か寂しいと気持ちが出てきた。


「うるさい!!!」

声が聞こえた。やっぱり、この声は聞こえてたんだ。

うるさいと言葉で悲しくなった。

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