アイドルという名の悪夢3
私は憧れのアイドルになった。
けど、本当にアイドルは私の願いなのか?
親に言われたからアイドルになってみんなに求められたから私の意識はアイドルから変わっていった。
それでも、私は可愛くてこの舞台に上がれて幸せを見せて親にまでプロデューサーにまで可愛いと思われるようになった。
私は人で、私は人間で、私は『キメラ』じゃなくなった。
舞台から降りて私はママでありプロデューサーに「マ、プロデューサー!!!私、私、頑張っ……」
私のウィッグはズレてそれを見た他のライバルに他のアイドルに見られた。
肌は白く作られた笑顔で黒い髪はズレて白い髪が見えた。
そして、ウィッグの下にあった。長い長いうさぎの耳があった。
「あっ……」
みんなが驚いた。それよりもママが驚いた。
「バレちゃった」
私は笑顔でキメラで辛い思いも苦しい思いも……
重い思い糸は切れてしまった。
私は笑顔が消えすごい醜い顔で泣いた。
今日からアイドルではなくなる。醜いキメラとなる。
いや、元々、キメラか……
泣いた『キメラのアイドル』はみんなが認める『可愛い』『可愛い』『キメラ』の『アイドル』だった。
それを認めなかった人が2人いた。
1人は私だった。
ずっと、隠し通してきた。
みんなから嫌われながらもみんなに愛されてファンにも『可愛い』と言われて来たから私はみんなを騙してたみたいに思って『可愛いアイドル』を『可愛いキメラのアイドル』に変わったことが許せなかった。
「ずっと、ずっと、隠していきたかった。みんな、みんな、ごめんね」
私は止むことのない涙を流し叫んだ。
みんなもだんだん、泣き出した。
私が『キメラ』だったから?私が『人じゃない』から?
違う。違うと思う。
この涙はきっと、私が頑張ってきたからだと思う。
「ねぇ?」
涙のせいで視界がボヤけていた。
ただし、聞き覚えのある声だ。
「ねぇ?私、言ったよね?」
あ、この声、母だ。
しかも、この声は……
「私、言ったよね?」
『怒ってる時の声だ』
殴られる。痛い思いはもう嫌だ。
誰か、誰か助けて……
いや、助けてもらえないか……
みんなの涙は同情だもんね?
母は私の耳を掴み殴った。
舞台裏で他のアイドルもスタッフもみんな、みんな、見てる。
痛い。痛いよ。ママ……
「ねぇ?言ったよね?キメラってバレたら痛い思いするって」
ねぇ?知ってる?アイドルって顔が命なんだよ?




