普通に生きて痛かった
僕は夢を見ているようにふわふわとしていた。
すごい嫌な匂いがしていた気がする。
寝てたところから起き上がると生き物がいた。
片方の何かが欠けていた生き物がいた。
まだ、頭がふわふわしていて自分が動いたらその生き物も同じように動いた。
「うわぁ」
扉を開いて自分と違う生き物にお互い驚いた。
相手は「寝てなくていいんですか?とにかく、すぐに先生を呼んできます」と言って部屋から出ていった。
手を振ったら相手も手を振った。
周りを見渡したら真っ白な部屋に寝床と色味のある何かがあった。
「まだ、忘れているのかい?いや、思い出したくないのかい?」
振り向いたら自分と同じ者が勝手に動いた。
「君は誰?」
自分は声をかけた。
「誰って俺はお前だよ」
クスッと笑ってこちらを見てきた。
「これは鏡……お前の本心を写すものだ」
そう、答えた相手はこちらをジッと見つめ話し始めた。
「これは鏡だ。そして、お前は『キメラ』だ」
鏡という者にキメラと言われたがキメラもわからない
「さっきのは人と言うものでお前は牛の『キメラ』だ」
淡々と語る鏡は自分に向かって言葉を放つ
ガラガラと扉が開いた。
白衣を着た鏡が言ってた人って者がさっき自分の前に現れた人ってやつを連れてきた。
「阿部くんだね?」
白衣を着た男が呟いた。鏡が俺はお前だなんて言っていたから自分は「鏡です。自分は鏡」と言った。
ここで色々と話をした。その白衣の者はここの病院というところの医院長ということ自分は『阿部一』と言うキメラだということここはキメラの生みの親『エス』ってのがいる病院で『キメラ』用の病院もあるということ自分は学校から飛び降りたということ頭に生えているのは角で牛のキメラだってこと
ただ、鏡さんの話はしなかった。いや、できなかったに近かった。
部屋と言われる一つの箱に詰められてベットという生きてるのか死んでるのかわからないところに寝かせられ2人は出ていった。
「おい!!!聞いてるか?寝てないか?そもそも、俺がここに出てきてるってことがお前に意識はあるから寝てないことになるんだが」
鏡から声がした。
うるさかった。何がキメラだ。何がエスだ。何が病院だ。
俺には……いや、自分には記憶が無かった。記憶が無いからこそ目が覚めて全部の物の名前が出てこなかった。
「なぁ……無視されると寂しいんだけど……」
「うるさい!!!」
鏡はいなくなった。自分の声で消えたのだろうか
記憶は無くならない。記憶は忘れるものであり忘れたものはいずれ思い出すのだ。




