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白い鳥  作者: いしい 皐
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第8話

第一稿の 下書きを書いてから、一年が立ってしました。気長にお待ちください

「頼んだぞ、ジギアス、マリオン。

 そうだ。

 この鳥、私のインイラフを使うといい。

 大きな体格の見掛けによらず、気性は穏やかだ。頭もいい。その上、力が強く、早く飛べる。寒さにも強い。

「平原の民」の所へ行くには、山を二っ越えなければならない。この季節は山の天気は変わりやすい、きっと、インイラフは役に立つと思うよ」

 エクセリオンは、猛禽類のようなクチバシに尖った、目つきの鋭い、ジギアスの鳥よりひとまわりぐらい大きな鳥を連れてきて、その首を優しく叩いた。

「すごい!

 エクセリオン様のインイラフに乗れるなんて、光栄です!」

 ジギアスは興奮して、叫んだ。

 エクセリオンは、インイラフに跨った二人を下から見上げた。彼の側には何人かの巫女たちも見送りに来てくれ、一人の巫女が心配そうに言った。

「ほんとうに大丈夫なのですか、二人共?

大人のひとに代わってもらったほうが、いいのではないのですか?」

「大丈夫だ。

 彼らは思った以上に大人だよ」

 エクセリオンは微笑みながら言った。

 その言葉にジギアスは得意げに、

「エクセリオン様!

 安心して、お任せ下さい。行ってまいります。

よくつかまっていろよ、マリオン。」

「いつでもいいよ、ジギアス」

 陽はだいぶ高く登って来ていたが、風はまだ冷たい冬空に、二人を乗せた鳥は勢い良く空へ飛んで行った。

 マリオンが振り返って後を見ると、みるみるうちにエクセリオンたちの姿が小さくなっていくのが見えた。

 厚い防寒用のマントを二枚重ねて着ているが、冬の空の風は冷たく、顔には微小の氷がパラパラとあたる。


「マリオン、大丈夫か?

お前、長時間、鳥に乗って飛ぶの初めてだろ?」

 暫く飛んでから、ジギアスが声を掛けて来た。

「大丈夫だよ、ジギアス。

 それより、「平原の民」の方が心配だよ。

僕たちみたいに襲われないうちに、早く逃してあげなくちゃ。

 あんな思いは、僕たちだけでいいよ」

「そうだね」

 ジギアスは、ニッと笑って言った。

「よし!

 結構長く飛ぶから、覚悟しとけよ!」

「了解!」

 二人は「平原の民」の住む草原へと向かった。


「平原の民」の村へは、アーシア神殿の建つ岩山から、なだらかな低い山々が連なっている二つの山岳地帯を越えなければならない。

 インイラフはマリオンたちの想像以上に速く飛び、陽が少し傾くころには、もう一つ目の山岳 地帯を越えそうだった。

「少し、そこで休むか?

 オレ、腹が減って来ちゃった」

「そうだね。

 朝、食べた切り出し、緊張が解けて来たのかなぁ。僕もお腹が空いて来たよ。」

「じゃあ、よくつかまっていろよ」

 ジギアスはインイラフを上手に操って、山に立つ大きな樹の枝に降りた。

 樹と言っても、樹の幹の太さは家が一軒分ありそうなぐらい太いし、その幹から張り出した絵だは、背の高い大人の男の人が横になれるぐらいの大きさがあった。

 鳥から降りた二人はインイラフを休ませ、彼らも巫女が持たせてくれたパンと水を出し、軽く食事を取った。

「僕、こんな近くで樹を見るの初めてだよ」

「お前、海育ちだもんな」

「うん。

 どうやったら、こんなに大きくなるのかな?

横から穴を開けたら、良い家になるよね?」

「ハハハ!

 面白いこと言うなあ、マリオン。

 オレ、そんなこと、考えたことなかったよ」

「僕ら、「水の民」の家って、枯れ草から造っているだろ。冬なんて、隙間風は入って来て、物凄く寒いんだよ。

 君たちの家みたいに、木を使って隙間のない壁が造れたらどんなにいいかなぁって、思っちゃっうよ」

「そんなら、今度からことから終わったら、オレたちで、木の家の造り方、教えてやるよ」

 二人はこんなたわいのない会話をして、笑いながら暫くの間、身体を休ませた。

「よし!

 暗くなる前に、もう少し先に進むか!」

「うん、行こう!」

 二人は、顔を見合わせて、インイラフにまたがった。 


ジェリドは、とりあえず、「砂漠の民」が追いかけて来ないと確信すると、

「もう、いいかねぇ……。

 だけど、念のため、砂漠の周りの山を越えてから、「平原の民」のところへ行ったほうがいいかなぁ?」

 冬山には、秋に実って、そのまま木の上で乾燥した木の実がわずかに残っていた。それは乾燥しているとは言っても、ジェリドの頭ぐらいの大きさはあった。

 それを取って食べながら、ジェリドはこれからのことを考えた。

「山伝いに行った方が、食料にありつけるかな」

 ジェリドが飛べることいっても、マリオンたちの乗っている鳥さんように早く飛べるわけでもない。

「よし!そうするか」

 こう言うと、立ち上がり、陽が沈むまで彼は「平原の民」のもとへ向かって飛んで行った。


 冬山は葉の枯れ落ちた巨大樹が生い茂り、枝には雪が積もっていた。

「もう少し、「平原さん民」の村の方へ近付けば、暖かくなるはずだよな。

 こんなところで寝たら、お陀仏だぜ」

 ジェリドは呟きながら飛んだ。

 陽は傾いて来て、寒さに増して来たが、ジェリドは、飛ぶのを止めれば寒さに殺られること思った。

 赤い夕日が大樹の黒いシルエットを浮かび上がらせた。もうすぐ陽が沈む。

 チラチラと一番星が光り出し、東の空に幸運なことに月が昇り始めた。満月である。

「やったぜ、月だ

 これなら暗くなっても、飛んでくことが出来るぜ」

 こう、独り言を言うと、ジェリドは「平原の民」のもとへ向かった。

「砂漠の民」の要塞から、「平原の民」の村のある反対方向へ、かなりの距離を飛んだジェリドは月明かりを頼りに、再び「平原の民」のある方向へと飛んだ。

 北から吹く冷たい風は、山々に生える巨大な樹木が風除けとなって、ジェリドを寒さから守ってくらた。

「この調子なら、7日も掛からずに可愛子ちゃん達のところへ行けそうだな。

 でも、ギリギリだなぁ……。これじゃぁ、逃げる時間がないか……けど……オレの飛ぶ速さにゃ限度があるしなぁ。

 何かいい方法は……」

 月が少し天井に登り始めたころ、ジェリドは息を切らして、再び巨大樹の枝に止まって休んだ。

「ダメだ。

 オレの飛ぶ力じゃ、間に合わねぇよ。

 どうすりゃいいんだ」

 ジェリドは背中を揺らしながら息が落ち着くまで、木の枝に座っていた。そうしながらこの、ジェリドは思案を練った。

 どうしたら、7日以内に「平原の民」のもとへ行けるだろうか?

「そうだ!

 ここからなら、「山岳の民」のとこがチケーじゃねぇか!やつら、確か、可愛子ちゃんたちと仲が良かったない。

 やつらは鳥を使う……

 鳥なら、オレよりも、ずっと早く可愛子ちゃんたちのところへ行けるじゃねーか!

 よし、決めた!」

 ジェリドは前足をポンと叩くと、月明かりの空を目的地を変え、飛び立った。

 そう、「平原の民」のところではなく、「山岳の民」のところへ向かうことにしたのだ。




続きは出来ているんですよ。

気長にお待ち下さい、でも、誰も読んでくれてないんですよね。

のんびり書きます♬

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