【鳥取~島根】【二〇一七年 六月二九日~七月二日】 第二七の旅 ゲゲゲのポプラ
【二〇一七年 六月二九日】
というわけで、待ちに待った水木しげるロードです!
水木しげる先生といえば、日本一のゲゲゲ漫画家であり、妖怪のスペシャリスト。
町中に功績をたたえるようにモニュメントやキャラクターが溢れています。
入ってみるとただのATM前にも一工夫。
少し移動すると、鬼太郎のキグルミと遭遇。
雨の中でも大変だなぁ、と思いながらニマニマ。そして歩いていると、
【今日の妖怪はこちら!】
と奇妙な看板が。
確認すると、市内を歩いている水木しげるキャラは日替わりで、しかもランダムに移動しているため、出会えたらラッキーらしい。
……え。
さっき、鬼太郎……居た……あー……。
「( 8Д4) わあああああ! 失敗したぁあああ! 写真お願いすればよかったぁあああ!」
皆さんは、シャッターチャンスは逃さないようにどうぞ。
日によって悪魔くんやサラリーマンの山田さんのキグルミも出るらしい。
うーん、この人選。水木ワールド。
雨の平日でも出勤。お疲れさまです!
他にもいろいろなキグルミが歩いているらしく、今日は他にねずみ男も出社らしい。
水木ワールドでは幼少期から推しなので、これは是非狙っていきたい。
休憩どころかな? と思って歩いていると、
洒落てる!
ただの空き店舗として遊ばせておくより絶対にこの方が良いですね。
んで、水木しげる記念館へ。
中は作品の読み放題スペースや資料館、妖怪ジオラマの展示など飽きない。
リュックだけ一反木綿に運んでもらったり。
やや妖怪よりすぎる気もするが、中には水木先生が生前に使っていたものなどが多く展示されており、涙が出てくる。
なんというか、生前の言動のせいもあるだろうが、先生の霊が居そうな雰囲気作りをされている。
奥さんやご家族の近くにいるとは思うけど、たまにこっちに遊び来てくれそう。
いろいろと催しスペースもあるけど、優先順位は妖怪>ちびっこ>その他。
俺は身長が五十センチくらいオーバー。うううむ。
鬼太郎の家は諦めて、近くの大人の人間OKの休憩所を探します。
ハンバーガー食って、オヤツを買って移動です。
町中には数えきれないほどのモニュメントがあり、その中には寄贈してくれた人の名前が書いてあり、著名人の名前が書いてあるものも多い。
一番驚いたのはコレ。
え、スレイヤーズの神坂一さん?
そんな驚きを抱えて移動すると、なんと!
途中、ねずみ男に遭遇。写真撮らせてもらいました。
俺の中では千葉繫さんボイス!
やったぜ。
モニュメントや様々な町飾りがあり、見ていて飽きません。
雨模様となってきたため、町中を通ってから野宿先を探すと、いい感じの公園を発見。買っておいたオデン缶で一服。
小雨だし、今日は十キロしか進んでないけど良いや。
風呂も入りたいし、もうちょい水木ワールドするべ。
……ニコチンを取らない人なので、一服ってこういうのなのよね。コンニャクがぬりかべと一反木綿で芸コマ。
食感も一反木綿の方が弾力弱い感じで、ふたりのキャライメージにも合ってる感。
良い公園だったので野宿を決め、近所の銭湯へ向かうと、待ってましたとばかりに豪雨に。
まー、どうせ全更衣する気だったから良いんだけど、何日か足止めを覚悟するレベル。
バッテリーはまだエボルタ十二本の内、まだ八本未使用だから平気。
小説でも書いてます。
駅前のサウナ主体の銭湯で、和やかな雰囲気の良いお店でした。
サウナのマット交換とかもお客さんが率先してやってるのが印象的。
雨の中、蚊に襲撃されまくる。
巣が近いね。普通は雨降るともっと少ないんだけど。
火種を他に持ってなかったので蚊取り線香を調理用のガスコンロでいちいち付ける。
短いので寝ている最中に襲撃されまくる。
ただ、雨や蚊など、水木しげる先生のエピソードで戦中に蚊を媒介とするマラリアを罹患したまま爆撃されて左腕を失う話があったけど、
俺は平和な世の中、雨天で無菌な蚊に刺されているだけ。タダの社会勉強。
……何もないことに霊を感じるのが妖怪、て感覚が少し分かったし、マジで勉強ですわ。
旅や生活の中、霊や神というか、そういうものを感じる時があって、それが確率的に大したことじゃないのは分かるけど、
超自然的なものを感じた自分の感覚を否定する必要なく、それが馴染むならそれを妖怪と呼んでも良い。
なんだろう、小さな失敗が重なっただけだが、頭がスッキリしてる。
妖怪・水木しげる
港市を訪れた自分のファンの旅人にちょっとした偶然を与えて旅を楽しませる。
見えないものを感じとる感覚を教えてくれる。悪い妖怪ではない。
【二〇一七年 六月三十日】
引き続き空模様が悪いので一日休み。
スニーカーが安物だったせいか靴底が限界でかつズブ濡れだったのでサンダルや電気ライターを買った。
ずっとスニーカー派だったけど、クロックス系サンダルを購入。
スニーカーだと雨に濡れるたびに悲惨なことになるし、サンダルも実装。
もちろん、ママチャリ旅でこれが成立するのか、データがないので試しながら決めたい。
昼飯でローソン寄ったとき、Lチキ注文したものの他に色々と喋った間に店員さんが忘れて、俺がそれを指摘してから受け取るハプニング。
別に良いし、そのあとに店員さん同士で喋っていたとき、自分で『仕方ない、人間だもの』と言っていたのが印象的……くらい?
いや、マジで事件がないんだわ。この日。
まー、しいて言うと、百円均一で買った電気ライターがその日に壊れたくらい?
プラスチックが熱で溶けて開閉不能に。タバコ以外は使えないのかな、どこにもそんなこと書いてなかったけどね。
【二〇一七年 七月一日】
雨が過ぎ、出発です。
東日本では見ないスタイルのコンビニポプラを発見。
店炊きのゴハンを入れてくれる。
再梱包の手間とロスはあるけど、食品ロスには効果的かな。エコむずい。
大盛り、特盛を注文を受けてから入れてくれるスタイル。
昨日の休憩の間に補強した、新戦力のサンダル。
本日から本格始動。
ちなみにウエストポーチは鳥取で破損したので五円玉で補強したもの。
景色を満喫しつつ進む。
試してみたら、スニーカーも必要なので次の街で新しいのも買います。
サンダル、めっちゃ靴擦れするわ。本格的に歩く用の商品じゃないしね。
俺が他のチャリダーさんより押す時間が長いのと、俺の体重がヘビー級なこともあり、サンダルの減りが速すぎる。
あと砂利がめっちゃ入ってウザい。併用で行きます。
走っていると、なんかある。
へー。
英語は中卒読解力だし、この書体はマジで読めないけど、多分、耳なし芳一っていい話だよねって書いてありそう。
この話もゲゲゲと近かったのね。
カニくんもそうだそうだと言っています。
風が強すぎて死ねる。道の駅で雨でしけった寝袋を乾かす。
で、サンダルで冒険を試みたわけだけど、一日でガッツリ減った。
サンダルは濡れても処理が楽なので雨の時だけ使い、それ以外は今まで通りスニーカーで行った方がよさそうだ。
ってことで、時間だけがあったので瞑想する時間が増える。野球中継もラジオ入らないし。
以下、当時書いたポエミーな感想をそのまま掲載。
☆☆ココカラ☆☆
旅の中で旅そのものではなく、そのあとの再就職やらを考える時間が増える。
折り返しを過ぎたからだと思うけど、不安ではないのが不思議。
良い職場に出会える気がしてて、そこからの冒険の計画をしてる。
旅に出ないと出来ない冒険が有る反面、自宅でないとできない冒険もあると気付く。
この体力を落とさず働きながら筋トレをどうするか。
小説のアイデアをどうするか、テレビも有り、家庭菜園もしたい。
時間に追われる生活の楽しみ方が分かってきた気がする。
一生無いものねだりをすると思う。
働いてる間は休みが欲しくて、今は働きたい。
その繰り返しが自分の脳のリズムだと今は見えるけど旅が終われば忘れることもいっぱい有って。
気がついたけど、ツイッターやブログは自分が見返すために書いてる気がする。
働いて辛くなったとき、この思いを思い出したいんだと思う。
日本一周は一生に一度だけど、何かに挑み続ける気持ちを後で読み返したい。
一生の財産というのが些末でシンプルなもので。
でも、それは働いているときの出会いとかも同じで。
何を見たいのかが、やっと見えて来た気がする。
誰かのためにしてる旅じゃないことを自分で忘れてた気がする。
俺は綺麗だと思った景色を「何もない」と住民の皆さんはいつも云って。
慣れるから無いものをねだる、ただそれだけだと思い出す。
☆☆ココマデ☆☆
えー、体重が五年で十五キロくらい増えました。
マジか。リュックを含めた重量より重いです。
で、転職もこのときから三~四回くらいしてます。
いやぁ、やっぱり青春ですなぁ。体重落とせや俺。
筋肉はともかく脂肪をつけすぎ。
【二〇一七年 七月二日】
自転車専用道を進むが、風が強すぎて全然進めない。
朝飯は引き続きポプラ。
おかずに対してインパクトのある特盛。
愛してる。故郷たる宮城・仙台に欲しいなァ。
風に苦労しながら神話の街、出雲に到着。
自然と景色は文句なし。当たり前だけど、出雲もゲゲゲに近いのねぇ……。
整然としているのにミスティック。不思議な領域。
ケータイのワンセグで楽天戦が見れそうなのに気が付き、この街にネカフェがあるので残存バッテリー的に見ても大丈夫と判明。
事前に新しい靴を購入したりと時間を無駄なく使っておく。
試合はエース格の岸がリードしてゲームを作るものの、八回で魔物が。
塁上にランナーを残したまま降り、そこからストッパーの松井が出るものの、まさかの傷口を広げて逆転されてしまう。
サードのウィーラーのエラーもあって逆転、ウィーラーも責任をとるようにソロホームランを放つも反撃及ばず、逆転負け。
ムシャクシャしたまま温泉へ。
駅前にある温泉では、ランプの灯りでほっかほっか。
竹藪を眺めながらちょっとカビの匂いのする木のベンチで一服。最高です。
ネットカフェで全電池の充電に入り、明日に備える。




