【富山】【二〇一七年 五月二一日】 無題
【二〇一六年 五月二十日】
燃えるような朝焼け。
日曜だったのでガラケーを開いてニチアサをチックしようとするが、やっていない。
チャンネルを確認しようとネットにつないだら、世界が揺れるのを感じた。ツイッターで能見達也さんの訃報が駆け抜けていた。
俺が最も熱くなったスーパー戦隊シリーズで、未だに最も好きな特撮作品のひとつ、五星戦隊ダイレンジャーのグリーン、シシレンジャーを演じていた人。
ファンだっただけに朝から不安定になった。
ダイレンジャーは最終回で【五〇年後】という設定で未来が描かれるシーンで終わるのだが、勝手に五〇年後に本当に集結して特番とかやりそう、とか思ってた。
この瞬間、本当にテントの中で泣いてたし、身動きが取れなくなった。
亡くなっても、フィルムに収録された瞬間は永遠で、今も大ファンです。
脳を切り替えようにも、ニチアサは富山ではやっていないということも知り、もう不貞寝するしかない。
ひと眠りしたら、能見さんがラーメン好きだったことを思い出して、今日はラーメンを食べる日にした。
追悼というわけでもないが、自分の中で、何かがしたかったんだと思う。
最初の飯は、コンビニで一気食い。
富山市に入っても湧き水が有ったり、自転車や路面電車で観光のしやすい町を作っている印象を受ける。
給水しつつ、路面電車も走ってる。街並みが素敵。
城を見物。
日曜ということもあり、観光客さんが結構多め。
ただ、日曜で天気が良すぎてほかの観光客とバッティング。
人混みも苦手だし、あまり観光はしない。
おでんもあるラーメン屋さん。うまい。
富山ブラック!
斬新! 衝撃!
景色もいいので、ふらりと立ち寄ったお菓子屋さんを発見。
んまい。保存食がてら。
……実はこれ、味がおいしくて、死んだ末っ子にも話したことあって。
そのときに食べたいと言い出したので、手持ちから半分くらいを分けたことがあった。
末っ子が死んでから、あいつのSNSを漁っていたら、アメンボを食べている写真が出てきた。
この段階で、もう、がったんがったんですわ。
これを書いてるとき、能見さんと末っ子のダブルパンチがフラッシュバックするので、まあまあメンタルが、ヤバイんですよ。
本当においしいオヤツなんだけど、それだけに変な思い出になってる。
景色が、キレイでした。
最後にラーメンを食って、ネットカフェで爆睡して、この日は終わりました。
後々、こんなに思い出すだけでメンタルがガタつくことになる一日になるなんて、思いもせず。
これの執筆は、本当に時間が掛かりました。
とはいえ、楽しいことの多かった旅で、このときも楽しい気持ちも一緒に思い出せるのが不思議なもので。
人生というものの、味のようなものを思い知らされる一日だったように思います。




