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作者がママチャリで日本一周して、三回死に掛けた話。  作者: 84g
・夢乗せて、放て鋭い岩手編
5/87

【岩手】【二〇一六年 五月一三~一五日】 ・盛岡三大麺、ひとり大食い大会

【二〇一六年 五月一三日】


 岩手は田舎なのだろうか。

 岩手最大の都市である盛岡は、仙台に次ぐ東北第二の都市である。

 今日泊まった花巻は一関や北上などと同じく盛岡に次ぐ岩手の名所のひとつ。野球の名門としても有名ですね

 菊池雄星とか大谷翔平とか、野球界を代表するスーパースターを生んだ花巻です。


 その花巻から、件の大都市・盛岡へ向かう途中。


挿絵(By みてみん)


挿絵(By みてみん)


挿絵(By みてみん)


 岩手の中では都市部であるはずの花巻には自然あふれるキャンプ場が有り、そして最大の都市部に向かうための道が、この状態である。


 ――あー、岩手は田舎なんだなー……。


 宮城からほとんど出たことがなく、宮城もまあまあ田舎だと思っていた俺は、清々しい空気を吸いながら、そのスケールの大きな田舎を味わっている。

 田舎は田舎なんだよ。でもそれを賛美するわけでも貶すわけでもなく、岩手という完成形の中にこそ、自然体としての田舎があるんだよ。

 アイライク岩手。


 ――自分で何を言っているのかを分からなくなってます。

 ママチャリを漕いでいると、こんな精神状態になってきます。

 マジで。疲れとテンションが上がって来てて、それで変なスイッチが入ってきます。


 そんなこんなで、前輪のブレーキシューが大分減っていたので(旅の前からそろそろ寿命だったのだ)、

 途中のダイソーで購入して交換。その間も岩手県民の方から温かいコメントをいただいたり。めっちゃ旅人を気にかけてくれるし、良い人しか居ない。

 というわけで、盛岡到着。


挿絵(By みてみん)


 んで。

 岩手三大麺というのが有りまして。花巻では食べられなかったわんこそば、じゃじゃ麺、冷麺、の三つです。

 更に岩手にはコップパンに挟んだ福田パンという有名なものもありまして。

 流石に全部は食べられないので、選んで食べて行きたいですね。

 というわけで、走っていて視界に入った予約なし・一名で突撃。このお店にも断られるんだろうなー。


「(*^-^*) すいませーん、わんこそば一名、できますかー?」

「(*^-^*) できますよー。二階へどうぞー

「( ゜Д゜) ……をを!?」


 本場である花巻では達成できなかった、一名での予約なしわんこそば、まさかの一軒目からクリア。

 後に他の麺類や福田パンも食べたいので、食べ放題と言ってもセーブして行きましょう。

 そんな、まさか。一件目から食い潰れるわけには行きませんよ、やだなぁ。

 男性平均は80くらいだそうで、15杯でザル1枚相当だそうです。んじゃまあ、80くらいを目指して行きますかね。(*^-^*)


挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)


 そ ら そ う よ !


 隣の普通に観光で来ていた人に、「え、そういう職業の方ですか?」と食い終わってから質問される速度で、かつ写真撮られる勢い。

 バカ旅人としての矜持。俺の辞書に手加減……というか、腹加減という言葉は存在しない!

 というか、少量の汁を残していいことを途中まで忘れていたので、その辺りを意識すればもうちょい伸ばせそうだった気がする。

 機会が有ればリベンジして更に伸ばしたいレベル。


 文人・啄木の新婚時代の家と言うのが近所に有ったので、腹ごなしに観光をしたりしつつ、福田パンへ。


挿絵(By みてみん)


 仙台人として、ずんだは要チェック。んまい。

 いくらでも食べられる感じ。他にもしょっぱい系も充実しており、オススメです。


 その後、旅行で初の献血。

 仙台では割とやっているんですが、時間が潰せるし、飲み物も飲めるから得なのだ。

 ちなみに、献血中も食べ放題のオヤツとかはまあまあ食べてます……あれぇ?


挿絵(By みてみん)


 血を抜いた分、盛岡じゃじゃ麺。

 キン肉マン作者のゆでたまごも美味しいと言っていたアレですね。

 ジャージャー麺とは別物で、例えようもない名品。これは食べないと魅力が分からない系。

 俺のように“わけのわからないこと”をせず、盛岡三大麺をひとつだけ選ぶなら、これはかなり上位に来る。


挿絵(By みてみん)


 盛岡冷麺。

 時間が遅く、焼肉屋さんでこれだけ注文いたしました。

 仙台でも食べたことが有りますが、やっぱり好きです。冷麺。


 というわけで、結局、170杯のわんこそばから、福田パン、じゃじゃ麺・冷麺と、一日で盛岡グルメで狙っていたものをコンプリート。

 他にも通りがかりで美味しそうな店は沢山あったのですが、流石に腹が限界。


 寝床はネカフェを使用。盛岡は旅人には是非、挑戦して頂きたいですね。

 仙台の一番町的な歓楽街な雰囲気も好きですし、近代的な街並みに岩手のゆとりのような物も感じられて、大好きな街のひとつです。

 また来たいと思える街のひとつ、それが盛岡。


 ネットカフェで仮面ライダーのスピンオフ映画を観たり、シャワーを浴びたりしていたんですが、コンセント類を自転車のサイドバックに入れていて、ケーブル類がリュックサックに入っていないことに気付き、充電や画像更新が出来ない。

 ネットカフェから一度出ると料金精算をしなければならず、パック料金で割引が無効になり、おカネが掛かる。

 そのため、減っていた電池類を充電することなく、充実した一日は終わりました。

 後々、この判断が色々と深刻な事態を招くのですが、それはまた、別の話。




【二〇一六年 五月一四日】


 朝の盛岡は、夜の賑やかさとは対照的で静かで趣のある街です。

 大きめの駅や道に迷いつつ、北上します。激動の大食いバトルを勝ち抜き、この日は黙々と大自然を感じつつ、坂道を登り、颯爽と走り抜けます。


挿絵(By みてみん)


 都心部から離れていく関係で、ネットカフェは次なる目的地の久慈市までは無さそう。

 この日は、道の駅の二四時間使える休憩所で、まあ、その、ハイ。

 後々知るが、道の駅の休憩所は閉鎖されたりすることが多い。

 主に俺たち旅人のマナーが悪く、運営している方々がキレるパターン。

 なので、あんまり、そこの情報を書きたくない感じ。俺はキレイに使ったつもりだけど、スタンプを押しに来た家族連れとかはビックリしていたし。

 申し訳ない感じ。


 とりあえず、俺の中のルールとして、良い道の駅とか頑張って欲しい道の駅ではガンガンカネを落とす、というシステムを決める。

 というわけで、奮発してブルベリーカレー。美味い。


挿絵(By みてみん)


 ちなみに盗電つって、道の駅とかでコンセントからケータイ充電したりするのは違法です。

 対策でコンセントに全部ガムテープ張ってたりするところも有りますが、絶対に無断使用しないように。

 張っていないところは使って良いんじゃなくて、旅人の良識を信じているだけ。使いたいときは一言掛けましょう。断られたら諦めましょう。無断使用、絶対ダメ。

 というわけで、ケータイの電池が心もとなくなって来ますが、我慢して細々と使います。



【二〇一六年 五月一五日】


 この日は久慈市を目指します。

 久慈市にはネットカフェが有り充電ができるはずですし、そこから“普代村”へのアクセスが可能。

 俺の中では下手したら盛岡以上に楽しみにしている岩手のポイント、それが普代村。

 全国的にはマイナーな村ですが、普代村は俺のイチオシの楽天イーグルス選手、銀次選手の出生地です。

 正直、全国規模では岩手出身の野球選手といえば、大谷翔平や菊池雄星ばかりで、“東北”楽天に所属している銀次選手も知名度も、残念ながら高いとは言えません。


 コース的には久慈市を経由して普代村に行き、再び久慈市に戻り、日本一周を再開する感じ。完全に寄り道です。

 最初から大回りでも良かったんですが、そちら側だと道の駅などが少なく、困難に思えたのでこちらを選んだのですが……まあ、追々説明していきます。


 とにかく、山越えが確定しているので、早めに出発です。

 二四時間オープンといえど、道の駅休憩所に長居するのは申し訳なかった。

 ……この頃は、まだ神経が細かったんですよね。図々しくなるというか、厚顔になるのは後々。


挿絵(By みてみん)


 早朝に出発し、今日は夜まで掛かっても100キロ漕ぐ!という決意をします。

 久慈にはネットカフェがあるから、夜間に到着しても大丈夫。

 そう、俺はこの段階で、“夜間には久慈に到着し、ネカフェで寝れる”、そう、思っていたのです……。

 様々な勘違いを抱えたまま、冒険は続きます。


挿絵(By みてみん)


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