【群馬】【二〇一六年 九月六日~七日】 嵐の群馬ちゃんは、第十二の旅。
【二〇一六年 九月六日】
夏は台風の季節です。
多湿でクソ暑いので、背中とリュックの間に冷凍ドリンクを挟みたくてコンビニへ。
先日も食べたが、なんとコンビニでイモフライが買える。マジか。
これ、多分、地元住民の皆さんは当たり前だと思ってるヤツだよ。他県的には! これ! 初見ですから!
ないです! 他県には! コンビニイモフライ! ウラヤマしい。
んで、群馬はうどんの名産地なのですよ。俺も旅に出てから地元住民の方から聞いて知ったのですが、「群馬三大うどん」というのがあるらしい。
そのうちのひとつ、舘林うどんを食べに向かいます。
うどんはノドゴシ! 香りも良いがテンポよく食えるね。一緒に頼んだナマズのテンプラも全然臭みとかなくてウメェ。
満腹気分で走っていると、良いカツの匂いがしてくる。匂いに誘われて入ってみると、壁にはテレビに紹介されたとの旨が。
ほうほう。まあ別にテレビに出たからってウマいわけじゃないからね。ただ匂いが良いから入っただけだから。
うまっ!
肉も良いけど、衣が最高! 食感が斬新。
次なる群馬うどん、ひもかわうどんへと急ぎます。
昨日、スーパー銭湯で食べていましたが本場のヤツは本場のヤツで食うのですよ。
桐生市内を全力疾走。しかし。
「( 8Д4) 笑いの神ィィ! いい加減にしろおおおっ!」
予定調和が来ました。いつものヤツです。
84gの移動には、笑いの神がストーキングしてきます。基本的に忘れた頃にトラブルやハプニングを発生させます。
いい加減にしろ笑いの神。
とはいえ、別にここ以外にもひもかわうどんをやっている店はあるでしょう。
ガラケーの地図アプリを参照し、珍しい信号機を見ながら、他のお店を探します。
二軒目:定休日
「(8∀4) まあ、仕方ないね」
三軒目:潰れてる
「(8ω4) シャッターやーん……」
四軒目:潰れてる
「( 8Д4) あああああっ! 笑いの! 笑いの神ィイイイイ!」
妙に過疎ってるのも原因だと思うんだけど、どこもやってない。マジかよ。
笑いの神、先日パンクエンドレスで地味な攻撃を仕掛けたかと思いきや、今日も引き続き仕事をします。なんだテメェ。
もう歩き回ってヘトヘトです。そんなとき、視界に入ったのは。
ステキな銭湯ー!
映画に出て来そうな昭和な銭湯! この旅では繰り返していますが、84gは温泉や銭湯というものが大好きです。
昭和映画も好きで、こういう雰囲気のあるお風呂屋さんは、店構えだけでテンションが上がります。
中も! ザ! 昭和! 風情がある! うおおおおお!
「(8◇4) サッパリしたー……って、あれ?」
そのとき、気付いた84g。
町中を散策して風呂に入ってる間、さっき、最初のひもかわうどんのお店が貸し切りになってから、二時間近く経ってます。
貸し切り終わってるんじゃない? サッパリして体力が戻っているので来た道を引き返すと、
うおおおおおお!
やってたあああああ!
先日スーパー銭湯で食べたのもウマかったけど、やっぱり別物かコレ!
うどんというか、なんだこれ? 名状しがたいが、とにかくウマい。うどんは! のどごし!
……ふと、気付く。
もちろん、事前に確認もせず店に突撃して貸し切り時間をチェックしてなかったのは俺のミスで、笑いの神事案。
けど、最初の一発目でここでひもかわが食えてたら桐生市内を散策もしなかったし、さっきの銭湯も見つけられなかった。
風呂に入ってサッパリ、それでいて腹はペコペコ。最高の状態でうどんが食えた。
俺にとって、笑いの神はハプニングであると同時に、自分自身の笑いにも繋がっているような実感が有った。
【二〇一六年 九月七日】
台風接近とのことだが、今日は快晴。
アツい!
冷凍ジュースをリュックと背中の間に挟んで耐えていたのだが、今日は見掛けるコンビニでどこにも置いてない。
珍しく見つけたと思ったら、『処分価格!』とか書いてあった。つまりシーズン替わりで商品の入れ替えをしているらしかった。
いや、まだクソ暑いんですけど!
なぜかもう始まってるおでんよりこっちの方が嬉しいんですけど!
こんなに暑い中でアツアツの食い物とか誰が食うんだよ! いねぇよそんなヤツ!
はい、アツアツの焼きまんじゅうー。
そりゃ食うよ。当たり前でしょ。これ横の棒がガリガリ君の棒の二倍くらい太いです。
一個ごとが結構デカくて食べ応えがありますね。
台風接近ということで、山の上の“テーマパーク”を目指すことにする。
例によって例の如く道に迷い、走っている最中にスポークが一本破損するも、景色が良かったから良いや。
んで、テーマパークに到着。
ワンちゃんと無尽蔵に触れ合えるらしい。
ということで中へ。子犬とか成犬とか色々。触れ合いもでき、手が唾液と毛まみれになりました。
めちゃくちゃ楽しかったです。
来るまでには結構時間掛かったんですが、帰るときは下るだけ。
一日移動しまくった汗をスーパー銭湯で流し、飯を食っていると天気が悪くなっていく。
そして、飯を食ってる段階で、初めて自分が“前橋”にいることに気が付いた。
高校野球の名門。仙台じゃない方の育英。前橋育英の前橋か。
そうか。群馬県って群馬か。前橋って前橋育英の前橋か。
当たり前のことなんだけど、俺の中では“前橋”っていうのはアニメやマンガに出てくる架空のチームと同じ、現実感がない強豪校だったんだよね。
それが、“ここに住んでいる”っていう実感を初めて感じた。
世界は、繋がっている。当たり前だけど、感じられる瞬間は少ないのだ。




