【東京~埼玉】【二〇一六年 九月一日~三日】 東京観光、からの第十の旅。
【二〇一六年 九月一日】
一晩明けましたが、熱唱応援から声が一切出ません。
東京といえば、仮面ライダーBLACKの倉田てつを氏のステーキハウスがあるということで行って見るも、ランチメニューはやってないらしい。
夕飯を狙おうにも、位置的に野球と時間が被る。
大都会東京で、昭和感あふれるコインランドリーで洗濯して時間を潰すことにする。
人の密集度が高いっていうのは、つまりコインランドリーも多く必要ってことなんだなァ。
密集度が高いところはしんどいので、歩きやすいところを歩き、ツイッターで教えてもらった月島でもんじゃ焼きを食べに行く。
家族と実家で食べたことはあるが、店で食うのは初めてだ。
東京は苦手だが、ふとした瞬間に落ち着く街並みが有る。
集まるところに人が集まり、居ない空間には全然居ない、こういうメリハリが不思議な感触。
ちなみにこの写真、俺の友人の同人誌小説の表紙として使ってもらったことがあり、一番有名かも。
そちらが気になる方は「王羲之の足背 恋慕の味を知る」で検索してね!
運が良ければネット通販で買えるよ! ちなみに俺のイチオシは同じ作者さんの「カメレオン・ダイアリー」だ!
(ダイマ)
さて、当時の俺は後にそんな風に使われることなんて知るわけもなく、橋を渡って月島に到着。
目に入った店にとりあえず入って見る。
「(8ω4) すんませーん、もんじゃ焼き一人前お願いしますー」
「(店ω員) トッピングはどうします?」
「(8ω4) よくわからないので、プレーンでお願いします」
というわけで、プレーンが届く。
……。
………。
…………。
……なんか、違う。
いや、ウマいんだけど、なんか違う。
物足りなさを覚えつつ次の店へと向かう。
スペシャルなるオススメメニューだが、なるほど! これだ!
そこで食べながら親切な店員さんと会話ができたので回答を得られた。(一軒目はタイミングが悪くて忙しそうだった)
まず、もんじゃ焼きはひとりで一人前を食ってもウマいが、みんなで食べる鉄板パーティーメニューで有るらしい。
カスタマイズもしないベーシックなヤツをひとりで一人前だけ食べても、そりゃ違うわな。
何事も失敗して覚えるタイプなので、逆にもんじゃを堪能できた気がする。
腹も満ち、昨日に引き続き、野球観戦に向かいます。もちろん! 我らのイーグルス!
「(8Д4) ボロ負けじゃああああ! チックショーウ!」
なんだかんだで、ニガテだけど楽しんでるよ東京。
【二〇一六年 九月二日】
東京を満喫し、ラーメンタイムをしてから出発。
盛大に舌を火傷したが、まあ、ヌルいより万倍マシなのでOK。
今回は南下ではなく西進。というのも次なる埼玉は海なし県なので南下すると通過できないのだ。
後々、大西洋側から行くときに行くという選択肢もあるが、それだと山越えが大きくなりすぎるし、下手したら冬になる可能性も有る。
あと個人的に、そろそろラーメンパーティがやりたくなってきた。ラーメンは毎日のように食べているが佐野ラーメンというのが有名らしく、それには東京から行く方が近いらしい。
走っていてしばらくぶりにパンクした。地味に道路が荒れてたのと空気の入れ方が甘かったかも。
佐野市まではまだ少しある、スーパー銭湯に入ってから近くに野宿できそうな公園が有ったので寝袋だけで眠る。住宅街が近くにあり、テントはちょっと遠慮した。
……それが、失敗の元でした。
【二〇一六年 九月三日】
めっちゃ痒い。
公園の看板では蚊に注意と書いてあったが、蚊では考えられないほどに痒い。イボガエルか何かのようにブツブツになっている。
噛み跡があまり腫れず、痒みが何度もぶり返して一日中、思い出したように痒くなる。
虫よけスプレーは効果が確認できず、長そでを着ていて食われたのは顔面と掌。手袋してれば違ったのか?
気を取り直して食道楽。
聞き込みから、この近くで食わねば損というB級グルメがあるらしいので、食べに行く。
到着すると、店主のお姉さんが店先を掃除しているところだったのでその前で待たせてもらおうとすると、「すぐ揚がるから待ってて」と早く調理して下さる。
いくつかと聞かれたとき、とりあえずで一個注文したが、五個くらい有っても食えた。
衣のないコロッケにタップリソースを染み込ませていて、これはウマい。何個でも食える。
特別な材料を使っているわけでもない分、初めて食べるのに和む。
気になる人はレシピを調べてみると良いと思う。俺も旅が終わってから作ってみたが、近い味にはなった。ただ懐かしさというか、ここで食べたものよりソースの馴染み方は劣ったように思った。
気付くと、いつの間にか埼玉県を抜けて栃木に到着していた。
ここまで大きい県ばかりを抜けていて気付いていなかったが、関東は小さな県が密集しており、気付かない内に県境を超えてしまっていることがある。
県っていう境界線は、先達たちの生活に根差した境界線。
東北は山や雪に隔たれ、それぞれに大きな範囲で分断されたが、関東はそれ以外の理由で県を決めたのでしょう。
歴史だなァ。




