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【茨城】【二〇一六年 八月二八日】 まさかまさかのハプニング続き

【二〇一六年 六月二八日】


 茨城といえば、やっぱりこれを食わなきゃならんわな。


挿絵(By みてみん)


 納豆をモリモリ。

 醤油と白米の持ち合わせはないが、俺はそのどちらも無くとも食える種族なので無問題。

 よくかき混ぜてガッツリ食べたが、他県の納豆とは風味が違うので、確かにこれは一度食うべき。

 茨城を満喫して昼過ぎにキコキコと漕いでいるとき、それは起きた。


 ちゃりーん


 「(8ω4) ちゃりーん?」


挿絵(By みてみん)


「( 8Д4) ほ、ほげえええええええええええ!


 折れたァアアアア!

 スポークスが折れて近所の自転車屋まで歩いて押していく。

 毎度お馴染み、サイクルメイトあさひさんが七キロ先。乗って移動すると他のスポークスまで折れると困るし、押していくことにする。三~四〇分で到着。

 そこでは他にも色々と修理していただく。ブレーキワイヤーが切れそうだったのを折角なので交換してもらう。これも捨てるのに困る。


「(店ω員) お客さん、これね、フォーク」

「(8ω4) フォーク?」

「(店ω員) この前輪を支えている二股に分かれてるパーツ。重さで少しずつズレてるみたい」


 どういうことかと言うと、前輪を支えているパーツは前方からの衝撃を受け止める機能も兼ねているのだが、その衝撃吸収のしすぎで内側にめり込んでいるらしい。

 最悪のケースでは折れたりすることもゼロではないが、『交通事故と同じ』という言い回しが印象的だった。

 最悪としてはこのまま折れてしまうことも有り得るが、起きないこともあるってことだと思う。

 直すにはパーツ交換しかないが、在庫の取り寄せに三週間掛かるらしい。もちろんその間は足止め。

 現実的にそれはできないので直すなら仙台に一度戻るか、自転車の買い替えになる……というわけで、保留するしかない。

 乗れないわけでもないし、何かに正面衝突したりしない限り支障はない。

 こまごまとチェックはしていく項目が増えていくが、とりあえず、当初の予定であるスポークは問題なく修理完了。


挿絵(By みてみん)


 直売所を見ると立ち止まらずにはいられないのだ。

 千葉が有名だが、茨城も梨は強い県なのだ。ご近所だしね。

 頑張ってるねと応援を頂き、ちょっとオマケして頂いた。直売所のちょっとした会話も大好きなんだよ俺。

 既に暗くなり始め、雨も降り始めているので食べている余裕はない。仕方ないので宿を見つけてから食べることにする。

 ガラケーの地図アプリで近所の情報を……あれ?

 地図アプリが起動しない……?


「( 8Д4) わ、わあああああああああああああああ!?」


 なぜかは分からないが、ガラケーの地図アプリが使えない。

 ネットカフェの位置とかはもちろん地図には書いてないし、近所には道の駅もない。

 現在地を確認できないので、移動が手間取る。ネットカフェの位置はとりあえず探す。


挿絵(By みてみん)


 ネット検索で住所を調べて探す。今、自分がどこに居るかが分からないと住所だけわかっても移動が手間取る。

 土地勘がないので、自分が何丁目にいるかすら分からないので、移動がかなり遅くなり、戸惑いながらなので全然進めない。

 雨が降って居なければ強引に眠れるが、東屋のあるような公園の見当たらない。

 そうこうしている内に、更に。


挿絵(By みてみん)


 完全にガラケーが起動しなくなった。

 全く地図を失った状態で、そうやって彷徨っている中でそれは訪れた。


挿絵(By みてみん)


「( 8Д4) なにあれ?」


挿絵(By みてみん)


挿絵(By みてみん)


 雨の中でも関係ないとばかりに、大きな山車のようなものを引いて行われてる。

 かなり大仰なイベントのようだが、全く情報が無かったし、ポスターのようなものも観なかった。

 雨の中、道に迷ってテンパる中、急に訪れた異世界のような感触に、妙に心が落ち着いた。

 雨宿りもできず濡れ続けて体力が削れている途中だし、寝床の確保もできておらず、何一つ解決していないのだが、不思議な感覚だった。

 とにかく心が落ち着いた。駅の方へ向かうことにした。ネットカフェは駅前に大概有るはずだし。

 自然と冷静になり、俺はネットカフェまでなんということなく到着していた。


挿絵(By みてみん)


 ここで先ほどの画像を撮影してから奇妙な感触のままネットカフェに入り、寝床を確保できた。

 ネカフェのパソコンで調べたら、ガラケーの機能不全はよく有ることらしく、電源を切ってしばらく放置、それだけでリセットできることだったらしい。

 シンプル過ぎて考えもしなかったのだが、逆にガラケーが不調だったから、祭りの山車が見れたりした。

 寄り道を楽しむ。失敗を楽しむ。それがこの旅の醍醐味であり、笑いの神を連れて一緒に爆笑することが贅沢ではないかという気すらしてきていた。

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