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【福島~茨城】【二〇一六年 八月二四~二七日】 第八の旅はブラックスワン


【二〇一六年 六月二四日】


 ビリッ


挿絵(By みてみん)


 尻の辺りから奇妙な音がし、速攻で脱いでみると、こんな感じ。

 ……もちろん、脱いだと同時に履いてますからね? そういうボケはやりませんからねー?

 生地が薄くなってきてたし、汗で濡れて破れやすくなってたんだと思う。修理不能。

 道筋で柏餅購入。美味し。

 店主さんも人柄もよく、心地よくいくつでも食べられる感じ。暑くてうだるが身体に喝が入る。


挿絵(By みてみん)


 近所のユニクロまで到達してズボンの予備を購入し、近くの公園で再開後初のテント設営。ペグは張らず、あくまで虫除け程度。

 なんでもないようなことが幸せ。



【二〇一六年 六月二五日】


挿絵(By みてみん)


 地面の隆起が多く、衝撃で再開後初のパンクをしたりするが、快晴で気分が良い。

 暑いことは暑いがツイッターで教わった凍らせたペットボトル飲料作戦を実行する。

 コンビニで買って首の後ろなどを冷やすように言われていたが、自転車で走りながらは固定できないので、リュックと背中の間に入れる。


挿絵(By みてみん)


 ダメージらしいダメージがなく、冷凍ペットボトルが融けたら飲料としてそのまま飲むので無駄にならない。

 これはアリだな。やや飲料としては割高ではあるものの、移動効率が上がるので有効。

 そんなこんなでアクアマリン福島まで到達。東北を代表する最大規模の水族館。

 学術的な資料も多く食育に強く力を入れている。捕鯨や海産資源の保全への理解を深める展示が多くて勉強になるし楽しい。

 釣り堀が有るのも特徴的。そこで釣った魚をそのまま食べられるというのは水族館としてはかなり珍しいんじゃなかろうか。

 写真はいっぱい撮ったけど展示はその施設のコンテンツ。小説には載せたりするものじゃないので、ぜひ現地に行って見て欲しいですね。


挿絵(By みてみん)


 シーラカンスの学術研究もさかんで、ゴンベアイス。

 丸一日見学し、気が付くと既に日が暮れかけていました。


挿絵(By みてみん)


 アクアマリンの近所でベンチが有ったので、そこでゴロゴロと眠ることにする。

 人が普通に通り過ぎていくが目が合ったら笑顔で会釈。通報されず眠れれば、どこでも寝床なのだ。

 そんなこんなで野球をラジオで聞いていると、さっき自転車で通りかかった人が戻ってきた。


「(´∀`)旅人さんですか?」

「(8ω4) ? はいはい?」

「(´∀`)自分もやってみたいんですけど、凄いですね!」

「(8ω4) ただ変な人なだけですよ」

「(´∀`)やっぱり地酒とか飲んだりするんですか」

「(8ω4) いやぁ、飲んじゃうと自転車動けなくなっちゃうので、あんまり飲めないですねー」

「(´∀`)へー!」


 なんでもないことを会話する。

 互いに名前なんて名乗ることもないし、大したことじゃないが、妙に楽しかった。

 一度離れてから、ビールを差し入れてくれた。“今日はもう寝床だから飲めますよね”と。

 彼のくれたビールを持ち歩いていたカロリーメイトをツマミにして、野球のラジオを聞く。最高の一日だ。

 明日からは東北を抜ける。例の三週間前の自転車旅でしか行ったことのない、関東へと向かいます。



【二〇一六年 六月二六日】


挿絵(By みてみん)


挿絵(By みてみん)


挿絵(By みてみん)


挿絵(By みてみん)


 茨城!

 茨城は東北とはかなり雰囲気が違う感じ。

 田舎といってはなんだが過ごしやすい雰囲気なのはそのままだが、どこか和やかさ有る気がする。

 ほとんど平地なのでガンガン進める。東北は山の集合だったが、そこも雰囲気が異なる。


挿絵(By みてみん)


 市街地に入ってから、盲導犬の訓練生くんに遭遇する。

 かなりハシャいじゃってるが、俺のテンションが高いから一緒に上がっちゃってるけど、訓練生だから仕方ないね。

 今頃、この子はどうなったんだろうか。もう一流の盲導犬として、誰かの目になってるんだろうか。



【二〇一六年 六月二七日】


挿絵(By みてみん)


挿絵(By みてみん)


挿絵(By みてみん)


 北海道ローカルのセイコマが茨城に上陸しているのでノリノリで食べる。

 小雨の中でメシの時間。


挿絵(By みてみん)


挿絵(By みてみん)


 開店前に有名なつけ麺を食べ、道の駅で秋そばを食べる。

 ……ウマいんだけど、ふと、思った。

 茨城ってキャラ薄いと云われてしまう要因がなんとなく分かった気がした。ウマいけど、確かにキャラが薄いかもしんない。

 過ごしやすいんだけど、“これ”っていう特徴が中々に無かったかもしれない。

 茨城ってなにも無いのかなー、って気持ちのまま走り続けていき、偕楽園のとなりの千波湖へ寄っていく。

 そうしたら、


挿絵(By みてみん)


挿絵(By みてみん)


挿絵(By みてみん)


挿絵(By みてみん)


挿絵(By みてみん)



「(8◇4) すげええええええええええええええええ!」


 鳥! 鳥! 鳥! 鳥! 鳥!

 どこを見ても鳥だらけで、驚愕の道路標識が掛かっている。


挿絵(By みてみん)


 マジか! マジなのか!

 偕楽園ではポケモンGOやってる人たちがいっぱいいるが、誰も気にしていない。

 いやいやいや! ゲームより鳥見ようよ! そう思うが、近所の人には当たり前の光景なのだろうと思った。

 黒い白鳥なんて他の場所では全然見たこと無いし、めちゃくちゃスゴイ光景だと思う。

 茨城はキャラが薄いという茨城県民を知っているが、これが当たり前になってるからかな。

 いや、偕楽園には水戸黄門の像とかも有ったが、それよりもこっちの方が俺には感動的だった。

 最高だな。茨城。

 ここまで平穏無事に来ていた旅ですが、明日はまさかのハプニングに襲われるのです……。

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― 新着の感想 ―
[一言] 今回はラーメンなかったのねー。 セイコマが茨城県にあるとは知らなかったですw
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