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【宮城~福島】【二〇一六年 八月一九~二三日】 激闘、高卒認定! そして第七の旅は嵐と共に。

【二〇一六年 八月一九日】


挿絵(By みてみん)

※画像はこの小説のために先ほど撮影しました。


 仙台に帰ってきたのは、全てこのためだった。

 中卒のままで働いていたが、ケジメというか、やれることをやっておきたいわけですよ。

 というわけで、仙台に戻ってからひたすらに勉強……まあ、それなりに、それなりに頑張っています。

時間はなかったものの、宮城県会場、東京エレクトロンホール宮城へ。

 ……宮城県会場ですよ? 名前が東京エレクトロンホール宮城、って名前なの。

 そんな激闘を終えて、仙台の自宅で結果が出るまで待機。どの参考書を持っていくかを考える必要があるので結果待ち。

 流行のシン・ゴジラを観にいったり、高校野球とプロ野球観戦をしたりと、ニートを満喫する。


 そして、遂に!


挿絵(By みてみん)


「(8ω4) 英語と数学落ちた……」


 一般常識で通るとされている部分を突破し、普通に勉強が必要な部分が落ちました。

 甘かったか……というわけで、次なる旅も道中、英語と数学を勉強する旅が続きます。

 高卒認定は一回で全部通らなくても、ゲームのセーブみたいに落ちた科目だけ再受験すれば良いので、数学と英語以外はクリア。

 果たして、84gは次の試験で英語と数学を突破して高校卒業程度の学力を持っていることを証明できるのか?


 当初は山形に戻って再開しようかと思ったものの、ちょっと考えが有り、福島から南下していくルートを選ぶことにした。


挿絵(By みてみん)


挿絵(By みてみん)


 快晴快晴! 爆走です! 平地続きなので快適です。

 ……しかし。


挿絵(By みてみん)


挿絵(By みてみん)


 クソ暑い。

 水をガバガバ飲んでいるが、吐き気と頭痛が止まらない。

 汗だくの衣類を不愉快すぎて干しておく。公道で瞬間的にパンイチになって着替えています。

 初日からこれかよ。侮っていました。福島は、冬は寒くて夏は暑いという四季に溢れる県。

 その温度差から果物や野菜がウマい東北最南端の県。実は両親が福島人なので幼少期から何度も来ている宮城に次ぐホームなのですが、やはり自転車で来るのは車や電車とはダメージが違う。

  ツイッターにてフォロワーさんから水分だけでなく塩分も取れ、という至極マトモな意見も得つつ、立ち止まり、しゃがみこみ前進します。

 途中、何度か通りがかりの人に救急車を呼ぶかと声を掛けていただきつつ、マイペースに進みます。


挿絵(By みてみん)


 通りすがりのお姉さんから、どうせ捨てるのだからとお菓子の箱に入れていた保冷剤を頂きました。

 血液が冷える。かつて、人生でこれだけ嬉しかった保冷剤が有っただろうか。

 捨てるモノと云いつつも、わざわざ車を止めて渡してくれた。俺と違ってヒマでもないだろうに。東北の人は良い人しかいない。


挿絵(By みてみん)


 なんとかかんとか公園を発見。初日は早めに休むことにする。

 ヤブカが多いし、外灯も全然ないから真っ暗だが、逆に人が来ないし、星がよく見える。

虫の声と星空の中で、ラジオを片手に眠るとか贅沢だが、空が曇ってきた辺りで近所のネットカフェに移り、続きを眠る。

 そんなこんなで疲れが心地よかった。初日だがやっぱり旅は良い。

 仙台でゴロゴロとニートしてるのも嫌いじゃなかったが、やっぱり屋外は良い。



【二〇一六年 六月二〇日】


 元楽天の岩村率いる福島ホープスのマスコットキャラが描かれている自販機。


挿絵(By みてみん)


 今からならホープスが巨人の二軍と当たる公式戦に間に合う。

 二軍でも公式戦は公式戦。ホープスには元楽天選手のボウカーや貴規も所属していて、かなり興味深いので走ります。

 しかしながら、今日もクソ暑くて全然速度が上がらない。

 水分補給を続けていますが、昨日の疲れが抜けていないのが分かる。旅を再開する前に比べて体力が一回り劣化している。

 道の駅でとりあえず、食休み。


挿絵(By みてみん)


 ざくざくきしめん。

 ツユに入ったサイコロカットの野菜も良い味してる。

 道の駅の中にはホープスの展示物が有ったりし、ゆっくりとできるが……。


「(8ω4) ……あれ、動けないな」


 全身が気怠い。

 二五キロしか進んでないのに過労が抜けてない。

 道の駅の屋外にある喫煙所、屋根が付いており、ベンチも広いので寝れそう。


挿絵(By みてみん)


 先客のツバメ一家。巣立ち間近だねー。

 他のお客さんもタバコを吸いに来るので雑談したりする。


挿絵(By みてみん)


 道の駅のレストランで晩飯。ウマい。

 だがしかし、福島ホープス戦は間に合わなそうだった。

 想定外の進まないっぷりだ。



【二〇一六年 六月二一日】


挿絵(By みてみん)


挿絵(By みてみん)


 スカッと爽やかなご当地サイダーを飲み、夏の空の下を爆走する。

 体力もかなり戻っており、ホープス本拠地である開成山公園に到着。


「(8ω4) ……? あれ? 俺、ここに来たことある?」


 全く気付いてなかったが、ここは五年前、最初に自転車旅行をしたときに立ち寄った思い出の場所だった。

 あのときは今より無謀で、リュックサックを壊したり色々としながら三週間だけの短いモノだったが、そのときにカップ麺の容器でパンクを直したりしてた。

 そのときは場所の名前も見ないで、今以上に行き当たりばったりだったのでもう二度と来れないと思っていた思い出の場所。

 雨が降る中、カップ麺の容器でチューブのパンクを直したという、俺の人生ではかなり忘れられない場所。

 そのときは311の直後ということもあり、公園中に除染中の看板が付いていたんですが、今日はそれもなく、日曜ということもあってポケモンGOのユーザーで賑わっていた。

 かなり印象が変わっていたが、開成山公園はメインに進んでいた国道四号から離れていて、順調に進んでいれば通り過ぎていたと思います。

 天気から体調不良になり、ホープスを目指したからこそ到達できた。

 俺の人生は常に何か起きるようにできており、妙に笑いの神に好かれる性質もあると、こんなときは実感する。

 そしてそのとき、雨の中で探し当てたスーパー銭湯にも行ってみました。

 安くて広くて、電気風呂で疲れを飛ばした思い出の銭湯。そのときにそこの食堂で食べたナポリタンがまた旨くて。

 銭湯は変わらず経営しており、何時間でも入っていられる。旅を再開してから初の風呂ということも有り、あのときと変わらず最高です。

 そしてやっぱりナポリタンを……と食堂に向かうと、なんと“袋麺専門店”という謎のカテゴリーのセルフサービス中心の食堂に変わっていました。

 つまるところ、調理スタッフを数を雇えないから、簡単なメニューを増やすためにそういうシステムにしたと思われる。マジか。

 衝撃を受けつつ、袋めんの冷やし中華を食べつつ、休憩スペースで適当に時間を潰しているとテレビで台風の情報をやっている。

 夏場は暑くて熱中症寸前、そして台風のシーズンでもある。今晩も野宿は出来なさそうだ。

 外に出ると、風が吹きまくっている。

 開成山公園で少し時間を潰していると、公園でキャンプしようというチャリダーさん現れ、小さなコンロで飯を調理しだしている。

 ……おや?


「(8ω4) こんにちはー」

「(若ω者) こんにちは」

「(8ω4) 今からゴハンって……ここで野宿ですか?」

「(若ω者) ですです」

「(8ω4) 今日、台風来るって知ってます?」

「(若ω者) マジですか」


 若者怖い。俺も前はそうだったんだと思うと、本当に怖い。

 状況を説明しつつ、俺は小雨が降り始めたので先にその場を離れ、深夜営業のラーメン屋へ。

 そこは元・西武西口を妙に推しており、居心地が良い。


挿絵(By みてみん)


 ネカフェでは食べ物が高いので明日の朝飯まで食い溜め。



【二〇一六年 六月二二日】


 台風が上陸し、一日中雨。

 古本屋で時間を潰したり、昨日とは別のスーパー銭湯で時間を潰してラーメンを食って終わり。


【二〇一六年 六月二三日】


挿絵(By みてみん)


 公園で亀と一緒にボケーとする。

 今居る場所では降らなかったが、少しズレたところでは大雨だったりしたらしい。

 しょうがない。低気圧だから降りやすいとニュースで斎藤さんも言ってたし。

 (斎藤さんとは宮城県のローカル番組で天気キャスターをやってた人)

 熱中症に加えて野球も観れず、台風で足止め。最初っからハプニング続きだが最高だ。

 失敗続きを爆笑しながらの旅。これぞ俺の旅である。

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