【北海道】【二〇一六年 六月二八日】 洞爺湖とタイワンチャリダー。
【二〇一六年 六月二八日】
朝から絶景。
観光地にお約束、朝早すぎてやってない売店と蚊をスルーしつつ、ゴロゴロと向かう。
途中、トイレを借りると、かなり変わったトイレを発見。
いや、トイレそのものは普通なんですけど、手を洗う洗面所が不思議だった。
普通はセンサーで勝手に水が出るか、蛇口をひねるとか、コックを上下させるのが普通ですよね。
この蛇口は押ボタン。ポチっと押すと三〇秒ほど経ってから水が流れるいや、三〇秒って。
最初、壊れてるのかと思って立ち去ってから、水の流れる音で戻った事態。あまりにも奇妙で動画撮っちゃったよ。
朝から漕いで、洞爺湖に到着。
洞爺湖付近のキャンプ場に泊まろうかと思ったが、人が少なくて静かすぎてあまり気乗りしない。
食道楽をしようにも飲食店があまりなく、景色を堪能してから早めに撤退。
とはいえ、途中で還暦越えチャリダーや女性チャリダーという、チャリダーの中でもレアな方々と遭遇したこともあり、観光地としても人気なのも楽しくなく、ヒネクレモノの俺だからこうなっただけである。
そのままザクザク進み、海沿いのキャンプ場に到着。有料キャンプ場らしいのだが、受付が見付からない。
聞き込みをしてから、とりあえず設営していると、続いて他のチャリダーさんが。
「(8◇4) こんにちはー」
「(台◇湾) コンニチハーッッ!」
めちゃくちゃ元気な台湾から来たチャリダーさん。
中卒で日本語しか喋れない84g、ちょっとドキドキ。ええい、高卒認定を取るために勉強している英語を信じて、突貫です!
「(8﹏4) あ、あいむ、してぃばいしくる、ちゃりだー。いんぐりっしゅ、ニガテ」
「(台◇湾 〇〇×××! はっはー! フレンド!」
なにを云っているのか全然わからんし、多分、こっちの云いたいことも半分も通じてねぇ……。
だが、お互いに旅をしており、写真や自転車を見せたりすると、なんとなく通じる物が有るもので。
どうやらこのタイワンチャリダーさんは、学生とかではなく社会人で北海道一周をしようとしていて、こういう日本のキレイなところを見て回っているらしい。
そうこうしている間にもうひとり、日本のチャリダーさんも到着。彼は英語が喋れる……というか、中学英語を使いこなしており、流暢ではないが84gより格段にコミュニケーションが成立している。
そうこうしている間にキャンプ場の徴収担当さんが来てくれて、料金の支払いを全員無事に完了。
タイワンチャリダーさんは、テント三つを並べて眠ろう! とか云ってくれていたが、俺のテントは一度設営してしまうと中々動かせないので、残念。
動かさないと【ユー、ロンリー!】と云ってくれているのが印象的だった。嬉しかったが、疲れていて動かす余力はない。
近くの温泉に入り、買っていた菓子パンで夕食を済ませる。こっちも一緒にレストランで飯を食わないかと誘ってくれたが、残念。
疲れ切った身体で、色々と有った一日。
夕日が無性にキレイで、海の向こうに本州が近付いているのを感じた。
北海道が、終わろうとしている。そんな感覚がこそばゆく、それでいて気持ち良かった。




