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【北海道】【二〇一六年 五月二三~二五日】 ・デッカイドォオオオオオッッ!

【二〇一六年 五月二三日】


挿絵(By みてみん)


 キャンプ場によってはゴミを出せないので、コンビニで飯を食うときについでに出す。

 写真の籠の中、ほぼほぼゴミだけしか入ってない状態。

 本当はサイクルコンピューターの写真のつもりだったんだけど、何が記念になるか、分からないもんである。


 最初は『他のゴミも出していいか』とコンビニ店員さんに確認していたんですが、聞く方がおかしいらしい。

 出すのが当たり前という感じで、逆に聞くのが面倒がられるような状態。

 家庭ゴミの持ち込みは不可らしいし俺の持っているのも法規上は家庭ゴミなんだが、買い物のついでに捨てるなら怒られない。

 野宿だったり、ゴミ出しだったり、法規上はグレーだが、実際的には怒られないこと、が結構多い。

 実際的な罰則が掛からない分、人に迷惑を掛けていないかを自分で考えながら行動したい。


挿絵(By みてみん)


挿絵(By みてみん)


挿絵(By みてみん)


挿絵(By みてみん)


 うううむ、北海道。

 本当に北海道。特に観光名所でもなんでもない川がいちいちキレイ。

 来ないと分からないというか、多分、車で来ても分からないし、自転車じゃないと分からない。

 多分、歩いたりヒッチハイクしないと分からない物もいっぱいあると思う。人それぞれ、感じ方、見方が違う。それが旅。

 正解は分からないけど、個人的には蟻がデカくて良いなァ、と思いました。


挿絵(By みてみん)


 ……いや、だから、やらないと分からない部分だって。

 これを撮影したときはビックリしたの。感動したの。

 この日は買い食いはあまりせず、ソフトクリームくらい。



挿絵(By みてみん)


 ソフトクリームを食べている間、おっちゃんから近場のダムが素敵と云う情報を聞く。

 ただ、ルート的に逆走であったため、断念した。

 丸二日掛かってしまうのだ。理想的には貰ったアイデアは全部観に行きたいのだが、そうも上手くいかない。


 というわけで、この日もキャンプ場へ。

 バンガローが空いていたため、善意からキャンプ価格でバンガローを貸して頂く。


挿絵(By みてみん)


 テントより回収や組み立ての手間が無いし、その分もぐっすりと眠れる。

 簡単に洗濯したり、この旅で初の自転車の清掃をしたりし、骨休め。ありがたやー。

 ……こういうのはタイミングも有ると思うので、場所を特定したとしても【自分はカネ取られた!】とか訳分からんクレームを付けないように。





【二〇一六年 五月二四日】


 基本的にトラブルも無く、景色も最高。


挿絵(By みてみん)


 広い道! どこまでも続いて行くようです!


「(8∀4*) 良い天気だなぁ」


挿絵(By みてみん)


 ちなみに常に傾斜です。一見すると坂には見えませんが、坂です。

 バリバリの坂です。もうずっと坂です。坂がどこまでも続いて行くようです!


「(8◇4) 頑張るぜっ!」



挿絵(By みてみん)


挿絵(By みてみん)


挿絵(By みてみん)


挿絵(By みてみん)


挿絵(By みてみん)


 スケールがとにかくデカイ!

 攻略するのに一日掛かるすげぇキレイな峠が、観光名所でもなんでもないっていう。

 これが北海道か……! 北海道は来ないと凄さが分からない。

 この直前に岩手攻略をしているだけですが、その岩手と比較してもスケールが違う。

 なんとかかんとか山を越え、飯屋なんかで話を聞くと、どうやらこれから向かう帯広のばんえい競馬というのがスゴイらしい。

 東北人なので競馬はあまり縁がない。

 辛うじて福島中央競馬を見たことがあるくらい。

 この日はキャンプ場で一泊し、旅の短期目標を帯広の“ばんえい競馬”に据えることにしました。







【二〇一六年 五月二五日】


挿絵(By みてみん)


 かなり天気が悪いです。


 もう一泊キャンプすることも考えたんですが、小雨なことと冒険したい気分だったので突貫です。


 ……雨の日に山を越える時に見える、この煙みたいなの、なんなんだろう?

 実は旅が終わってからもこの現象がなんなのか、自分でよく分かっていません。

 燃えたりしているわけでもなく、蒸気みたいななのが見えるし、もちろん写真にも写る。

 都市部で生活していると一度も見たことが無かったし、マジでなんなんだろ。

 ……都市部でというか、北海道以外では見たことが無い物体といえば、こちら。


挿絵(By みてみん)


 工事中というわけでもないのに、何やら大仰なパイプが設置してあります。良く見てみると。


挿絵(By みてみん)


「( 8Д4) 鹿!?」


 熊や狐は有名ですが、鹿も北海道には多いらしいです。

 確かに走っている気配のような物は感じるのですが、カメラに収めることはできていません。

 ここで84gのささやかな北海道の目的として、“鹿の写真を撮影する”が追加されました。

 84gのカメラは耐衝撃・防水機能に特化した冒険用カメラであり、望遠や夜間撮影機能はかなり弱いです。

 そのため、遠距離や奇襲に頼る撮影はできず、“鹿さんより先に84gが鹿に気付いて逃げられる前にシャッターを切る”ことが求められます。

 果たして、そんなことは可能なのか……?


 それはそれとして、とにかく雨行です。


挿絵(By みてみん)


挿絵(By みてみん)


 安全運転を心がけつつ、山道アタックです!

 ここからは画像の右下にある時計と天気に注目下さい。


挿絵(By みてみん)


 何気なく撮影した可愛らしいイラストのポイント。

 一号目、まだまだ序盤ってことですな。まあ、体力も有るし余裕余裕。


挿絵(By みてみん)


 二号目だけ発見できませんでした。


挿絵(By みてみん)


挿絵(By みてみん)


挿絵(By みてみん)


挿絵(By みてみん)


 お分かりだろうか?

 最初は間違いなく大雨の中スタートしたのに、いつの間にかかなり晴れている。

 空が変形している。かなりの速さで雲が流れていくのが分かる。目を離すと雲の形が変わっている。


挿絵(By みてみん)


 手押しでひたすら登ります。


挿絵(By みてみん)


挿絵(By みてみん)


 いつの間にか晴れ渡った空。

 風が強くなっていましたが、汗が良い感じに冷えてきました。

 そして。


挿絵(By みてみん)


挿絵(By みてみん)


挿絵(By みてみん)


 絶景かな、絶景かなぁー!

 景色を眺め、肺の奥まで空気を吸い、いつものお約束で滑降していきます。

 朝から必死に登りましたが、下りは三〇分くらいです。

 寒いくらいの風の中、途中でパーカーとジャージ重ね着してもまだ寒い。それくらいの速度。

 隣のトラックと大して変わらない速度で、もしスリップしたら死ぬよな、って感触で山を下ります。

 通過する車も気を遣って大回りに追い抜いて行きます。


 腹が減った中、コンビニでもないかと探しているとき、視線が不意に止まります。

 山間に食堂発見! 小奇麗な山間の食堂はウマい、という経験則。なぜなら交通の便が悪いはずなのに潰れてない、つまり客が絶えないということですからね。

 というわけで、十勝亭なる食堂でお食事タイム。


挿絵(By みてみん)


 窓の外にいるカッコいい鳥さん(カラスかな?)を撮影しながら待っていると、外に大型の観光バスが止まります。

 そういえば、席の中心に割り箸が用意してあったり、観光の食事処として予約が入っていたらしいです。

 ……あ、そっち系? そういう所だと大して美味しくなくても潰れなかったりするんだよなぁ……。

 ……失敗したかなー?


挿絵(By みてみん)


 んで、待っていると到着。

 ここの名物、十勝牛の二色丼だそうです。

 まー、大したことはないでしょう。腹減ってるからマズいことはないですけど、大して期待せず……。


「(8∀4*) ンマーイ」


 味が濃厚で、身体に染みる。

 心が癒されるわー、めっちゃ元気出る。

 観光客の皆さんに“日本一周かな”とか“すごいねー”とか囁かれつつ、二色丼を堪能します。

 そろそろ暗くなってきたので、次なる野宿ができそうな場所を探して行きます。

 帯広まで行けばネットカフェがあるのは分かっているのですが、そこまでは体力が続きそうにない。

 市街地に入りかけると、トラックドライバーの休憩所というのを発見。

 トラックドライバーが立ち寄ってトイレを使ったりする駐車場のようですが、そのトイレの前のソファが休めそうです。

 二四時間使えるようですし、ドライバーが休んで良いんだから、自転車旅行者が一晩寝て行っても怒られない気がします。

 というわけで横になり、今日の冒険はここまでで。お休みなさーい。


 ……。

 ………。

 …………あれ?


「(8◇4) 体力、残ってる?」


 さっきの二色丼が効いたのか、使い切って居ません。

 いつもなら四時を回れば横になれば倒れるように寝ているのですが、今日の自分には大分余裕が有ります。

 少し横になったら、かなりスッキリしています。


「(8◇4) 帯広まで行けばネットカフェも有るし、暗くなっても到達すればなんとかなるんじゃないか?」


 無謀ながら、なぜか出来るような気がしてきた84g。

 いつものアレが発動です。そのときの気分の大冒険。暗くなってから野宿先を探すのは無謀ですが、帯広には複数のネットカフェが有り、全部潰れているというのは流石に有り得ない。

 84gはトラック運転手の皆さんとすれ違い、大都市・帯広を目指して出発です。


挿絵(By みてみん)


挿絵(By みてみん)


 大きすぎる道には街灯も満足にありませんが、獣の気配だけします。

 星が輝きはじめるような時間。田舎なら野宿場所があるだろうと思っている人、甘いです。

 逆に田舎が過ぎると空いている土地が全て畑だったりして、いざ横になれる場所がないのです。

 落ちていく太陽を尻目に、84gはなぜかノリノリで自転車を漕ぎます。

 本格的な夜行、岩手のときはあれだけ不安だった夜行。

 暗がりで車に引っ掛けられたり、何かに激突するリスクが上がる夜行だったはずが、84gの中ではワクワクが勝っている状態でした。


 冒険の衝動というか、楽しい気持ちが勝っている。

 完全に日が落ち、北海道の大自然も見えなくなった頃、それは見えました。


挿絵(By みてみん)


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