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『もの、その失われた過去』

作者: 詩織




失われた過去は、


ただ時間のことなのだろうか。


骨董品屋の空気がよどんでいるのも


そこには、いまに繋がる過去があるからだろう


「もの」でさえ失くしたものがあり


そして、なにかしらの気配を漂わせる。









わたしは失われた過去に堕ちてゆくのが好きだ。


部屋の中の「もの」に触れながら


過去へ出かけてゆく。




アンティークの写真立ての中の少女が


愛くるしい瞳で


こちらをじっと見ていた。



誰にむけられた微笑みなのだろう


カメラの向こう側にいた人物を想像する。



かつて、背景には、


やわらかい緑や花の色が見えたのだろう。


春の花には

蝶や蜂が飛んでいたのだろうと思うと、


花のほのかなにおいと


にぶい蜂の羽音さえ聞こえてくる…


挿絵(By みてみん)



どうか、

この瞳が曇ることのない


素晴らしい人生だったことを祈って…




こんなにも可愛いものがなくならないように。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 写真可愛い。素敵。 写真と文で場景が伝わってきます。 読者を撮る側に立たせる事で、上手く景色が見えるよう誘導してるのも見事です。 [一言] 古い写真西洋ぽい女の子からするに、 世界大戦だっ…
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