表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

自分の作った作品を一つ批評してみる

作者: 三月

 小説家になろうに登録してはや7年。


 2010年3月に登録してから2年後に投稿された、私の作品にしては珍しい完結済み作品である『夏の幻』という作品があります。

 この作品は今は無きHPで載せていた作品をそのままコピペで持ってきたような作品で、投稿した理由が『なろうに登録して2年も経つのに完結済み作品が一個も無いのは不味い』というどうしようもない理由で投稿することを決断した代物です。


 最近、何となく自分の作品を見て回ったときに『夏の幻』が目に付き、久しぶりに内容を見てみる機会がありました。そこでは執筆当初に見えてこなかった部分について色々と気づくことが多々あり、そこで気づいたことを元にこの作品の批評をしてみたいという欲求が生まれたので、幾つかの項目に分けて内容について触れていきたいと思います。


――――――――――――


1、夏の幻という作品についてのざっくりとした概要


 この作品を批評するに当たって避けられないことは、この作品の内容を知らなければならないということです。と言っても、簡単に説明出来る程度の薄っぺらい内容なので特に問題は無いとします。そしてその肝心の内容とは


『主人公(男)の幼馴染(女)が家に訪れてきたが、実はその幼馴染(女)は数時間前に死んでいて幽霊となって最期に主人公(男)に別れを言いに来ていた』


という内容です。


 ざっくりしてますが、おおよそこの一言で物語の6割7割は説明出来たかと思います。



2、読んでいて感じる違和感


 気づく人は最後まで読まなくてもそんなん分かるわ!って人も居ると思いますが、敢えてこういう名前を使用させて頂きます。

 さて、この項目のタイトルである違和感を見つけるためにも抑えておくべきポイントが以下の内容です。


・主人公と幼馴染は幼いときにずっと一緒にいるくらい二人の仲がとても良かったが、幼馴染が病気になって大病院にある都会へ引っ越していった。

・少年が成長し青年になった頃、幼馴染が彼の家に訪れた。大病院のある都会に引越ししてから幼馴染に会ったのはこれが初めて。

・死んだ幼馴染に対面した時に、どんなに“愛しく思っていても”という心情を吐露しており、草原で“答え”を見つけた際に涙すら流していた。


 もうこれを箇条書きした時点で違和感の正体を掴めてしまいそうになりますが、次に進みます。



3、読んだ後に感じる事


 もう既にお気づきかと思いますが、この夏の幻という作品を見た際に感じるのは、内容が非常に『薄っぺらい』という事です。

 人によって表現の仕方が異なり『リアル感が無い』だとか『臨場感が無い』だとか様々な言い方があるかとは思いますが、言ってる意味はおおよそ同じでしょう。

 つまり何がいいたいのかというと、読み手がこの夏の幻という作品を見たときに『共感出来ない』ということが最大のポイントだということです。作り手の書いた文章が読み手の共感を得られないものならば、それはただの独りよがりな作品だと言えるのではないでしょうか。


4、読み手が共感を得られない状態とはどういう状態なのか


 では、読み手が共感が得られない状態とは何なのかを考察していきたいと思います。

 前回の項目で『内容が薄っぺらい』・『リアル感が無い』・『臨場感が無い』という単語を使用しました。それらはこの『読み手に共感が得られない状態』に密接に関わりを持っています。


 まず最初に『リアル感が無い』という単語を見ていきたいと思います。

 これはおおよそ2つの意味があると解釈します。ひとつは言葉通りの意味で、たとえば「幽霊なんて居る訳無いんだから、幼馴染が幽霊として出てくるなんて可笑しい」といった科学的根拠に基づいた『リアル』を表す場合です。この説明についてはそのままの意味なので省きます。

 そしてもう一つの意味とは、『臨場感がない』という意味でのリアル感が無いという意味です。


 どういう事かと言うと、例えば見ず知らずの二人の人間が殺し合いを始めたとします。

 主人公と敵も両方とも銃を持っており、弾が込められていつでも発射できる状態です。その状態の銃を持っているのにも関わらず、何の説明もなく主人公が銃を使わずに殴りに行ったとしたら可笑しいと思いませんか?

 相手を殺そうとしているのにも関わらずなぜ殺傷能力の高い銃を使わずに殴りに行ったのか、読み手は理解出来ません。なぜなら、そんな不可解な行動を取った理由の説明がなされていないからです。

 ましてや殺し合いという自分の大切な命が掛かった場であり、ふざける要素など微塵も存在しない現場で“非現実的”な行動、つまり『矛盾』的な行動を取ってしまえば、もはやそこには『リアル感』なんてものは存在しなくなり、共感なんて生まれるはずがありません。そしてそれこそが違和感の正体でもあります。


5、違和感の正体とは


 項目の2で触れていた内容を見ると、既に気づかれた方も居らっしゃるのではないかと思いますが、『矛盾』が存在します。それは『仲が良い・愛しく思っても』というプラスの感情を持っているのにも関わらず『幼馴染が引越しをしてから一度も会っていない』事です。

 描写の中には飛行機という単語が出てきており、相当遠い地域に引越しをしたとはいえ青年になった今でも愛しく思っているほど幼馴染と仲の良かった彼が一度も会いに行っていないのは可笑しいでしょう。しかも大病を患っているという設定もあり、一度くらいお見舞いに行ってやるのが人情というものであるにも関わらず行っておりません。

 たとえ自分のせいで病気が悪化したという負い目が彼の中にあったとしても、それは『文中に表記されていない』上に、それを負い目にしてわざと会わないでいた、という『描写が無い』のです。

 読み手は感受性を頼りに物語を推測することは出来ますが、作り手はそういった事情を矛盾せずに分かりやすく読み手に伝えなければいけません。これを怠ると作り手は分かるが読み手は意味不明という落差が発生し、読み手の中に物語への共感は生まれないのです。

 そして最後に残るのは『こいつ仲が良いとか愛しいとか言ってる癖に行動が付いてきてないじゃん。何コレ、内容薄っぺらじゃね?』という感想だけでしょう。



6、総評


 これまで長々(だらだら)と考察もどきを続けてきましたが、一言で言うならば『夏の幻という物語は作品として非常に不完全である』ということです。

 話の根幹に関わる部分についての説明や行動に矛盾が生じた時点で、そこにもはや読み手の共感は発生しません。更に共感を得られない重要な部分がもう一つ存在し、主人公がなぜ幼馴染を好きになったのかという説明や描写が存在していないことも内容の『薄っぺらさ』・『リアルさの欠如』に拍車を掛けているのは言うまでもないことでしょう。



7、最後に


 これだけ自分自身の作品を酷評しておりますが、個人的には嫌いじゃない話なので良かったら酷い物見たさで見てやってくださいww


↓夏の幻

http://ncode.syosetu.com/n6098bb/

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ