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モテたい男。

作者: 安孫子太郎



とにかく何でもよかったのだ。

私は異性にもてたくて仕方がなかった。


通りを歩く女性全てに突如抱きつかれたり、告白を受けることを夢見て毎日を過ごしていた。


男に産まれたからには一度は女性よりナンパをされないものかと常々思うていたのだ。いわゆる逆ナンというものである。それは成人大人ビデオの世界にしかあろうでない妄想の類であることは承知しておったが、世界のどこかにはそのような夢物語が転がっておるのではないだろうかと期待をしていた。

はたまた、女学生からストーカー的行為を受けんものかと思うてた頃もある。


私は頭がおかしかった。満たされぬ欲にまみれ愚かな思考をぐるんぐるんと循環させるだけの日々を過ごしておったのだ。



しかしながら現実とは何とも残酷なもので、何も起こらない。いや、それが当たり前のことであり残酷でも何でもなく至って普通の世界の話である。


人間とは何とも欲深いもので、自分の好み以外の異性より好意を抱かれたところで、見向きもせずモテたという感情すら湧いてこない。


まるで何事もなかったかのように受け流してしまう。

そして、ちくしょうちっともモテやしないとうそぶくのである。

つまるところ、正確に行ってしまえば自分の好みの異性から好意を抱かれたいと考えていることになる。

どこまでもよく深くいやらしいものなのであろうか。


そうしてまた私もその例外に漏れず、好みの女性ばかりを意識してしまい、それ以外の異性からどのような接触を受けようと存在すらあまり認識しない。

食事や遊びに誘われようと、ちっとも頭と心に響いてこない。

若い頃であれば下心を持ち、そのままいかがわしい行為をもどこぞの宿で出来るのでないかと期待して、返事をしていたかもしれないが、ビジネスライクになった感情はどうも薄くなってしまった。








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