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あの葡萄は酸っぱいので

あの葡萄は酸っぱいので、私は別に要りません。

あの葡萄は酸っぱいので、それは君に差しあげます。


丸い形が可愛らしい、水に浮かんで綺麗です。

父にもらった葡萄の果実。流れに揺られて踊ります。

今日の夕飯は魚のソテー。葡萄を添えて完成です。

だけど魚は苦手です。おかげで居残り夕食です。

そんなに僕を馬鹿にする。魚が横目で見ています。

「手伝うよ」

魚はぱくぱくそう言うと、

「結構です」

僕は悔しくて言い返し

それ見て魚はにやり笑い、

葡萄をぱくぱく食べました。


その果実は酸っぱいので、私は別に要りません。

その果実は酸っぱいので、それは君に差し上げます。




庭に生える野生の葡萄。日差しを浴びて綺麗です。

天まで伸びる蔓の果実。僕は一緒に歌います。

「やあやあ、僕さんこんにちは」

鳥が邪魔して冷やかします。

僕は無視して葡萄と一緒に、また一緒に歌います。

しかし様子がおかしいです。

葡萄はその身を火照らせて、一層喜び歌います。

それ見て僕はこう言った。

その果実は酸っぱいので、私は別に要りません。

その果実は酸っぱいので、それは君に差し上げます。


僕は別にキレてない。

座って回って伏せしても、

揺れる目玉は黒いまま。

黒い球が宙を舞い、消える刹那で僕は泣く。


その果実は酸っぱいので、私は別に要りません。

その果実は酸っぱいので、それは君に差し上げます。

だってその葡萄は


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