鎖のサビ
灯台が光る
それは終わりの目玉が睨む――――――――――目が回る
波上を進む君は頬を緩める
君と私は二人で一つ
私は君の手を握り
東天の目玉がにこやかに笑う
波上をもたつく君はなんだか苦笑いをしている
君と私は二つで一人
私は君を労わった
南天の目玉がまばたき一つ
波上で留まる君は体調が悪そうだ
私と君は一つと一人
私は君の頬を撫でる
西天の目玉が泣きだした
潜っていった君が顔を上げない
生々しく傷ついた裸のカダカに私は杭を打ちつけて
神様の皮肉をついばむ日々がうれしくて
私は君の手を引くが、
背後にへばりついたアンカーが君の進行を邪魔するので
塩気Clを帯びた酸化鉄
私はそれを噛み千切ろうとしたが、
残ったのは痛みに似た不快緑の錆の汁
the seus the seus
the seus the sus
theseus
theseus
the seus the seus
the seus the seus
the seus the seus
theseus
theseus
the seus the seus
the seus the seus
the seus the seus
theseus
theseus
the seus the seus
the seus the seus
私は海に潜る
銀色の小さな羽をはばたかせて
深
く
・
・
・
深
く
・
・
・
そこには
とても懐かしい
青く錆びた鎖に巻かれた、君をみつけた
日が昇る
それは始まりの瞳が煌めく―――――――――球も回る