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顔合わせと初任務

ーーーーーー春の1月


新しい隊の発足に向け、非常に慌ただしい数カ月が過ぎ去っていった。

肌寒い冬の季節を乗り越え、暖かく柔らかい風が吹くようになり、新しい春が訪れを感じた日。


遂に、近衛騎士隊全メンバーがここの隊舎に集まり顔を合わせることになった。

緊張が見て取れる中、一番に口を開くのは我らが隊長殿だ。


「急な声掛けになってしまったがよく集まってくれた、改めて感謝する。ここにいる全員が、これから一緒の隊で活動する仲間たちだ。私は隊長として皆の命を預からせてもらう【ステラ・ルージュ】だ。よろしく頼む。」


ふわりと、優しく微笑むステラ。・・・本当に社交的になったなぁ。

その後、視線が俺へと向く。

お前が続け、とのお達しだ。


「つーことで、彼女が俺たちの隊長殿ってわけだ。まー、ほぼ知人を集めたから、大体わかってると思うけど。改めてになるが、副隊長の【シン・ガナスト】だ。よろしくな?次はー・・・はい!レオ!」


「うぇ!?お、俺っすか!?」


俺に促されたレオが頬をかきながら立ち上がる。


「えっと、俺はレオ。【レオ・ハーバー】です。つい先日、学園を卒業しました。シンせんぱ・・・シン副隊長とステラ隊長の後輩になります。年は18、専攻は剣士科です。若輩者ですが、よろしくお願いします。」


「はーい、よくできました。次はリリア。」


「はい、先ほどのレオと同様になりますが私も先日学園を卒業しました【リリア・フラメローテ】です。同じく18歳です。専攻は魔術科、精一杯頑張りますので、よろしくお願いします。」


「はい、ありがとー。次は・・・。」


「席順的にあたしかにゃ?あたしは【テステア・マレリ】、冒険者をやってるよん。年齢はぴっちぴちの19歳、2人にとってはちょっとおねーさんかな?冒険者役割は斥候、怪しい所とか罠の気配とわかる凄腕の美少女だよ!仲良くしてね!はい、次おっちゃん。」


「・・・【ガノン・バーノン】だ。よろしく頼む。」


「・・・おっちゃん、それはないわ。若い子にはそれじゃ偏屈じじぃに思われるよ?」


「あら、わかりやすくていいじゃない。私は好みよ?私はアリス、【アリス・グレシア】。よろしくね。」



・・・年長者2人はこれで終わりにするつもりのようだ。まぁ、仕方ないか。

仕方ないのだが・・・。


「・・・ノア、【ノア・ガナスト】です。えと・・・10歳、です。えと、食べることが好きです。

あの・・・よろしくお願いします。」


「ほらー!!!こーーーんなちっちゃい子もちゃんとやってるよ!もう少し・・・って誰!?さっきいなかったよね!?」


何故ノアがここにいるんじゃ?

ステラに目を向けると首を振るってことは、忍び込んできたらしい。

俺が引き取ったためノアは俺と同じ名前、【ガナスト】を名乗ることとなった。元気いっぱいに過ごしているのだが、たまに気配なく現れることがある。

影としての適性なんだろう、お父さんは娘の将来が楽しみです。


「い、今、ガナストって・・・シン先輩の?」


と、各々が反応する中、ノアが名乗った名前をしっかりと聞いていたリリア。


「んー、詳しく説明すると長くなるから端折(はしょ)るけど。俺の義理の娘、ノアだ。多分頻繁に顔を合わせるようになるから皆よろしくなー。」


「めちゃめちゃ端折ってませんかそれ!」


「気にするな。まー、娘は強いぞ。ニアオークと灰色を討伐した実績がある。」


ノアが現れた時とは別の種類の驚愕が場を包む。


「・・・シスターが言ってたのはこの子の事だったんだ。」


テステアはシスターから話を聞いていたのだろう。

じっと品定めをするように鋭い目つきでノアを見ていたテステアだったが、ふと瞳から力が抜ける。


「でもま!こんなに可愛いならいっか!同じ教会出身ってことでよろしくねノアちゃん。」


「・・・よろしくおねがいします、テステアおねーさん。」


「わ、私も!仲良くしたいです!」


「急に現れたのは魔術?それとも技術かしら?ちょっと原理を教えてくれる?」


ノアの登場で女性陣が賑やかになる。


「とゆーか、アリスちゃん?もどっちかと言えばノアちゃんより?」


「見た目がこんなだからよく誤解されるけど、恐らく私が最年長者よ。他にエルフの人いる?」


「え、ごめんなさい!失礼なこと言っちゃった?」


「気にしてないわ、慣れているもの。」


「アリスさんは原理を知りたいとおっしゃってましたが、学者さんなんですか?」


「ちょっと違うわね。私は魔術開発者よ、様々な魔術理論や原理を応用して新しい物を作るの。」


「今までどんなものを開発したのかお聞きしても!?」


「ええ、構わないわよ。例えば・・・。」


うーむ、どうやら女性陣は話が弾んでいるようだ。

アリスの説明に目を輝かせているリリアはともかく、テステアとノアも食いついてる。


「女性陣は大丈夫そうだね。」


「そうだな。」


さて、残った男性2人は・・・。


「あの!ガノンさんって、”不動のガノン”であってますか!」


「・・・一応。」


「やっぱり!一度お会いしたかったんです!」


「俺にか?」


「はい!8年前の大規模討伐って覚えてますか?」


「・・・あぁ、覚えている。・・・1人、気迫の乗った良い剣士が君の髪色そっくりだったな。まさか?」


「はい!俺の親父です。親父からあなたに助けられたって話を聞いてて、ずっとお礼が言いたかったんです。」


「たまたまだ、気にするな。」


「それでも、家族を助けていただいたのは事実です。ありがとうございました。」


「・・・あぁ。」


「ガノンさんは・・・・。」


どうやら男性陣も大丈夫のようだ。

ガノンとしても、尊敬のまなざしで見てくる若人を無下にはできないのだろう。

不器用ながら、受け答えをしている。


「あれー?珍しいー、おっちゃんが初めての人と話してる。何の話ー?」


一通り話し終わったのか、テステアがこちらの話題に興味を持つ。

テステアに釣られ、他の女性陣もガノンとレオの方を向いた。


「・・・いや、以前の大規模討伐の・・・。」


「そーいえばそんなのあったね。あたしはまだランク足りなかったから行ってないけど。」


「あら偶然ね、私も参戦してたわよ。」


「え、レオのお父さんの恩人?」


「そ、名前を聞いてもしかしてって思ったんだ。」


わいわいがやがや。

自己紹介から雑談会になり、途端に賑やかになった。

みんなコミュ力たけぇな。


仲良くなれそうなのはいい事だ。が、そろそろ本題に入らねぇとな。


「楽しいお話会は一旦そこまで。ちょっと真面目な仕事の話だ。」


俺の一声に、全員こちらへ向き直り姿勢を正す。


「ステラ。」


「あぁ。早速だが我々の初任務が決定した。ゴルゴダ遺跡の調査だ。」


若干3名ほど、怪訝な顔をしてるが無理もない。


「元冒険者にとっては疑問だろう、遺跡調査は冒険者ギルド向けの仕事だ。だが、私たちが出るのには理由がある。」


ステラからのアイコンタクトで引き継ぐ。


「それを理解してもらうために、【翼神党】ってやつらの話をするぞ。よく聞いてくれ。」


これまでにあったことを、伝えた。

数年前の事件、国王の復活、ここ数年で目撃される怪しい影。


「・・・以上のことから、非常に危険な集団だ。その者たちがこの遺跡近辺で目撃された。」


「何もないに越したことはねぇんだが、目撃情報が数回。たまたまって考えるのは流石に楽観視すぎるってんで、調査に行くってこと。」


「ゴルゴダかー・・・。危険度の高い魔物自体は少ないけど、毒を持つ魔物がいるから解毒薬は必須だよね?」


「・・・万が一を考えるとな。それにキマイラの出現も危惧をするべきだ。」


「それと、この時期なら狼種の活性時期よね。匂い消しもあったほうが便利よ。」


さすが冒険者3人、1人は元だが。


「必要な物資はこちらで準備をする。他に必要なものがあれば遠慮なく言ってくれ。」


「・・・物資を揃えるなら良い店があるが。」


「元々そこの店に頼るつもりだから大丈夫だぜ?」


「そうか・・・。」


「ゴルゴダ支部から遺跡まで、どのくらいでしたっけ。」


「歩くなら3日、馬なら2日って距離ね。」


「荷馬車は頼んであるぞー。」


あーだこーだと任務に向けての話し合いが行われた。

大体の話し合いが終わり、今一度ステラに向き直る。


「では、任務へ出発するのは3週間後。それまで各員準備を進めておいてくれ。今日は集まってくれてありがとう。」


ステラの一声で今回の会議は終了となる。


さーて、どーすっかね。

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