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冒険者の仲間

「うーむ、割と芯まで響いたなぁ。」


ひっっっさしぶりにステラに殴られたぼでーがまーだズキズキする。

強くなったなぁ・・・お兄さん嬉しい。


「にしても、朝でも賑やかだねぇ。」


冒険者ギルドに向かっている途中の城下町に来ていた。

ここには大勢の人がいる。

この町に住む人や、観光客、冒険者、商人。


「はーい!いらっしゃい、いらっしゃい!採れたての果物だよ!」

「串焼き出来たてでーす!いかがですかー!」

「冒険者の必需品!ポーションだよー!」

「エルフに伝わるお守りだよー!」

「だ、ダメじゃない。可愛い獣人族の女の子が一人でいちゃ。ほらこっちおいで・・・。」

「がうー??」


いやー、本当に賑やかだね。

不審者を衛兵に突き出して、獣人族の幼女とその保護者に手を振りながら目的のギルドに向かう。


ちょっとお目当ての人たちがいてね。情報収集+スカウトみたいなもんだな。


扉をくぐると賑やかな声が俺を向かい入れてくれる。

楽しそうにはしゃぐ冒険者たちの間を通り抜け、受付へと向かう。


「おはようございます、冒険者ギルドへようこそ。」


「おはようございます。先日お話に伺いました、シン・ガナストです。」


「承っております。御2人とも304室にて待機していただいておりました。」


「ありがとうございます。」


受付の職員に礼を伝え、階段を上り304号室に向かう。

扉のノックすると中から元気な声で「どうぞー!!」と聞こえた。


「よ、失礼するぞ。」


「シンさん!おひさー!」


「・・・・・。」


部屋の中には、朗らかに俺を迎え入れてくれた少女と、手で挨拶をくれた仏頂面の男がいた。


少女の名前は”テステア・マレリ”

薄緑色の髪を横に結び、いわゆるサイドテールというものだ。

服装は動きやすさ重視の軽量スタイル。

彼女が主に斥候としての役割を持つが故だ。


男の名前は”ガノン・バーノン”

ビシっと決まった短髪に髭。

身体を包むフルプレートメイルは彼が前線で戦い続けている証だ。

2人ともプラチナランクの実力を持つ冒険者だ。


「すまんな、2人とも。待たせちまって。」


「大丈夫!ちょうど予定も空いてたし!ガノンのおっちゃんもだよね?」


「・・・。(こくり)」


テステアの問いかけに頷くガノン。


「そんで話って?」


椅子に座りながら、今日呼び出された理由を問うテステア。


「俺とステラが騎士団所属ってのは知ってるだろ?」


「そだね、最初聞かされた時はびっくりしたけどね。」


「騎士団の中で新しい部隊をステラが任されることになった。」


「・・・そうか、その為の頭数を揃えたいと言った所か。」


「あやー、珍しい。ガノンのおっちゃんが喋った。でもでも、そーなるとうちらを誘いに来たの?」


「誰でもいいって訳じゃないぞ?2人がいい。」


「・・・何故だ?俺には・・・。」


ガノンが話そうとしたことを遮る。


()()()()。それを踏まえてもだ。」


「・・・そうか。」


何かを考えるように数秒俯いたが、すぐに顔を上げこちらを見るガノン。


「・・・引き受けよう。」


「うぇ!?マジ!?」


そんなガノンの答えが意外だったのか、驚きを隠せてないテステア。


「はー、ガノンのおっちゃんがシンさんの所とはいえ、グループの所属に・・・。明日は雪が降るかな。」


「んで、テステアはどうなんだ?」


「うち?うちはもちろん受けるよ。」


にしし、と笑いながら了承してくれるテステア。


「2人になら命預けてもいいし、そーれーにー、お給金もいいんでしょ?」


「まぁ、国に仕えるし、それなりに危険な任務もあるからな。」


「にしし、じゅーぶんじゅーぶん!」


先に弁明しておくが、テステアはお金にがめついわけではない。

彼女は自分を育ててくれた孤児院と、その周辺の孤児院にも寄付をしているからだ。

だから、金が要る。


「もちろん、冒険者業も続けて構わない。そこは上にも確認済みだ。」


「・・・いいのか?」


ガノンのもっともな疑問。

基本、騎士団と冒険者って関りがないし。

規律を守る騎士と自由を愛する冒険者って折り合い悪いのよね。


「もち。2人をぐるぐるの規律で縛り付けるつもりはない。ただ、機密情報とか漏らすのは勘弁ね?」


2人は顔を見合わせた。


「「もちろん、信頼は裏切らない。」」


そんな2人の言葉に、思わず笑ってしまった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「そうか、ガノンとテステアは受けてくれたか。」


報告もかねて、俺たちの拠点となる【近衛隊執務室】にやってきた。


「ああ、ガノンはちょっと悩んだくらいだ。ほい、シンさん特製サンドウォッチ。」


「ありがとう。・・・うん、美味しい。」


ついでに市場で買ってきたパンと屋台の串焼きを合わせて作った軽食をステラに渡した。


「んで、どーよ?」


「そうだな・・・もう1人、後方支援ができる人材が欲しいな。」


各個人のデータを整理しながらステラはそう結論付けた。


「だよな。けど、腕利きはそうそういないんだよなぁ。」


基本、腕のいい奴はパーティーやグループに所属している。

あの2人は事情があるゆえ、ソロで活動しているから誘えた。


「そうだ、この間の話なんだが。」


「この間?」


「転移魔方陣を作った人物。」


あー、レオとリリアを誘いに行った日に聞いた話だっけ。


「どうやら、かなりの変人らしくてな。」


「ほー?」


「この近くに家があるそうだ。」


「ほむ。」


俺に差し出される1枚の書類。


「んー、もしかして?」


ステラは俺の顔を見て笑う。


「誘ってこい。」


やっぱり??

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