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いざ学園!再開する大きくなった後輩たち

「シン様、ステラ様、魔法陣の準備が整いましたのでご案内いたします。」


「はーい、行こうぜステラ。」


「あぁ。」


ステラと雑談をして時間を潰してると受付さんに呼ばれた。

思ったよりも時間がかからなかったな。


「お2人は転移魔方陣を使うのは初めてですか?」


「いえ、使い方は知っていますので大丈夫です。」


「かしこまりました。では、こちらへどうぞ。」


受付さんに案内され転移の間へと向かう。


「にしても、便利になったすよね。」


「そうですね、少し前では考えられませんでした。ただ、大きい荷物やたくさん人、たくさんの物資は運べないため、冒険者のように身軽に動ける方には重宝されております。」


「銅貨10枚って破格の値段ですよね?もっと高くても良いのでは、って思うんですけど。」


「そうですね、お安めのお値段ですのでご盛況いただいております。」


おや、これは?

ステラに目配せすると、頷いてくれた。


「手ごろな値段でこちらとしても助かります。特殊な依頼を受けた際などは特に。」


「特殊・・・ですか?」


「えぇ、特に金の糸絡みの依頼などは。」


「・・・なるほど。噂ではございますが、こちらを整えた方はとても研究熱心な方らしく偶発的にできた代物をどう使おうが構わない、とおっしゃられたようでして。」


あー、なるほどね。

偶発的に出来上がった魔術ではあるから試行回数稼いでより良い物を作ってるってことね。

安全性は保障されてるけど、大勢は運べないってのはそういうことか。

・・・開発が得意なら引き込めないかなぁ。


ちなみに、今の金の糸ってのはこの国の王様と繋がってる、ってことを匂わせたってことだ。

にしても、この受付の人もすぐに意図を理解してくれたのは助かった。糸の話だけに!!


・・・・・・・・・・・・・・・・はい。

そんなこんなしてる間にたどり着きました。


「それでは魔法陣から手や足、物を出さないようにお気を付けて。いってらっしゃいませ。」


受付さんのお辞儀を最後に俺たちを青白い光が包む。

光が納まる頃には、風景が変わった先で、見知った懐かしい顔が待っていた。


「1年ぶりですね、シン君、ステラさん。」


「アイさん、お久しぶりです。」


受付のアイさん。

この学園支部の受付長をしている人で、俺たちが学園にいる時にすごくお世話になった人だ。

完ぺきで間違いがない彼女の仕事ぶりはまさに機械のごとくとても優秀。


「アイさんもお変わりなく、どうしてこちらに?」


「いえ、お2人がこちらへ転移してくるって聞いたら嬉しくなってしまい。少々出過ぎた真似をしてしまいました。」


ふふっ、と恥ずかしそうに笑うアイさん。

仕事はテキパキとしてるが、彼女の朗らかな雰囲気にやられた学生は数知れず。

付いたあだ名は「年下キラー」しごできな素敵お姉さんに微笑まれて落ちない青少年はいない。


「本日はどのような用件でしょうか?確か、お2人ともエルステアの騎士団に入ったのでは?」


「はい。実は私が隊長、シンが副隊長の部隊を作ることになりまして。端的に言えばスカウトですね。」


「まぁまぁ、隊長に副隊長ですか?それはおめでとうございます、お祝いしないとですね。」


まるで我が子のように喜んでくれるアイさん。


「ありがとうございます、それで部隊に誘いたい候補がいましたので。」


「あ、レオ君にリリアちゃんですね?きっと2人とも喜びますよ。」


「えぇ、実は。それで学園長にも挨拶したいのですが。」


「お2人が来ると知った時点で言伝を頼んでいます。ご案内しますね。」


流石アイさん、仕事が早い。


==============================


「まぁまぁまぁまぁ、お久しぶりねぇ2人とも。お変わりはないかしら?」


アイさんに案内されて学園長室に入ると、俺とステラに目を合わせ、優しく微笑みかけてくれた。

全てを許してくれそうな包容力があるこの人が学園長である”エルダ・エヴァ・ウィズダム”。

エルフのおばあちゃんだ。


「お久しぶりです、エルダ学長。」


「2人とも、よ~くお顔を見せて?うふふ、すっごく立派になられたわねぇ、なんだかドキドキしちゃうわ。」


あらあらうふふ、と上品に笑う学長。


「エルダ学長のお陰です、私たちのことを考えてくださって。」


「貴方たちを特別視したわけではないのよ?この学園としても、その方が生徒の刺激になると思ったの。貴方たちは本当に良い刺激を与えてくれたわ。」


「それでも、感謝はつきません。」


「本当に気にしないでいいのよ?それより、アイから聞いているのだけど、ハーバー君とフラメローテさんのことよね?」


「はい、スカウトをさせていただきたく。」


「まぁまぁ、あの子たちも喜ぶわ~。今は第3訓練所下級生たちと実技をしているはずよ。2人ともすっごく頼もしくなってるの。」


「ありがとうございます。向かわせていただきます。」


「えぇえぇ、何時でも遊びに来て頂戴ね。」


手を振り見送ってくれる学長に一礼し、第3訓練場に向かう。


「エルダ学長も元気そうだったな。」


「そだねん、まだ恩返しができていないし、隠居されては困るもんね。」


なんてこと言いながら、歩きなれた道を歩く。

授業中だから、人通りはない。

訓練場に近づくにつれて、訓練中と思わしき威勢のいい声が聞こえてきた。


「いやはや、活気があるねぇ。若いって素晴らしい。」


「・・・私たちとあまり年は変わらんぞ?」


こまけーこたいいんだよ。


訓練場に入って目の前に広がっていたのは生徒同士の模擬戦だった。

俺たちが入ってきたことに気付いた職員(顔見知り)に挨拶をし、見学をする。

代表の学生たちを中心にして、模擬戦をしているようだった。周囲の学生たちは見学してる。

中心では5人対1人での戦闘が行われていて、1人で5人を相手している方がレオだ。

オレンジがかった髪に、健康的に焼けた肌、長剣とそれより少し短い剣の二刀流。

5人はそれぞれ得意な得物を持ち、打ち込んでいくがレオは1つ1つを丁寧に捌いていく。

5人が束になってかかるが、一太刀も浴びてないし、なんなら何度か頭を軽く小突いてる。


「おー、5対1だって。俺と似たようなことやってんなー。」


「お前に憧れていたからな、レオなりに努力しているんじゃないか?」


「そうかねぇ」


何てこと言ってる間に決着がついた。

結果はもちろんのこと、レオの勝ち。


「ケンとヤリは踏み込みが浅ぇ、一歩をもっと深く踏み込め。タッテとダゲキは踏ん張りが弱いぞ、足腰をもっと鍛えな。タケは奇襲のタイミングは悪くねぇ、そのままヒット&アウェイを突き詰めな。」


「「「「「は、はぃいい・・・。」」」」」


「それから、周りで見てた連中は気付いたことを教えてやってくれ。自分より強い相手との戦いを想定しながら、自分なら何ができるかの検討も同時にな。上級生はその補助を頼む。」


「「「「「「はいっ!」」」」」」


5人の方は疲労困憊だが、レオは涼しい顔で5人へアドバイスし、周囲の見ていたメンバーも上手く巻き込んでいる。

レオの言葉を聞いて、集まった下級生と上級生はあーでもない、こーでもない。と議論をする。

中には先ほどの模擬戦を再現し、模倣しながら考えている者もいる。


後輩の成長を感じられてお兄さんは嬉しいよ。


「やあ、シン君、ステラさん。どうだった?」


俺たちに声を掛けてくれたのはさっき軽く挨拶をした職員。

元冒険者ではあるが、柔らかい物腰と柔軟な対応で人気の先生だ。


「そうですね、昨年から見違えるほど立派になってますね。」


「強くもなってるな。」


そんな俺たちの評価を顔を綻ばせて聞いている先生。


「そうだろそうだろう。君たちが卒業した後、戦士科をまとめてくれたのがレオ君だからね。」


「レオが?」


「ああ!彼自身、君を見習ってか面倒見がよくてね。下級生にもすごく慕われているし、皆一目置いてるよ。」


「へー。」


同級生や後輩たちに囲まれ、質問にも丁寧に返答しているレオ。

俺の頭には「勝負っす!!!」とくそ生意気でちんちくりんのレオが。


「レオ君!」


職員の声に反応したレオがこちらを見て、驚いたような表情を浮かべる。

おもしれー顔してるから、軽く手を振ってやる。


周りに「すまねぇ!通してくれ!」って言いながら走ってくるレオ。


「なんでここに先輩がいるんすか!?!?」


「開口一番がそれかい。」


思いがけない客人にびっくりしたことだろう。

ドッキリを仕掛けたかいがあるってものだ。


「見てたぞ、随分立派になったじゃないの。」


「えと、俺はただ、先輩みたいになりたかっただけで・・・。」


ポリポリとばつが悪そうにしてるレオ。

真似をしている姿を本人に見られて恥ずかしいってところだな。


「何を恥ずかしがってんだよ、俺の真似をしても必ず皆が着いてくる保証はないんだ。これはお前自身の努力の結果だよ。」


「はい!!」


嬉しそうに顔を綻ばせるレオ。

うーむ、尻尾を振って喜ぶ幻覚が見える。


「ステラ先輩!シン先輩!」


なんだなんだと集まってきた生徒集団の中から1人の少女が飛び出してきた。

赤く長い髪を後ろにまとめ、魔女帽子を被った少女。


「リリア、久しぶりだな。元気だったか?」


「はい!お2人もお元気そうで!」


彼女がリリア・フラメローテ。

ニコニコ笑っていた表情がレオをみるなり、キッと吊り上がる。


「なんで私をすぐに呼ばないのよ!」


「俺だってびっくりしたんだからしょうがねぇだろ!それに魔法職はすこし離れた位置だったろ!」


「大声出せば良かったでしょ!バカレオ!」


「誰が馬鹿だ、このわがままリリア!」


「そこは変わんないのなお前ら。」


ぬぬぬぬぬぬ!っと睨みあっている2人だが、本来はお互いに信頼しあっているし、お互いを気にかけているのだが。

いかんせん、何故かお互いにだけ素直になれないのだ。

お互いがお互いを大事に思っているのは周知のことなので、周りからしても「またか。」で済んでいる。


「あの、先輩。あちらの方たちは・・・?」


「あぁ、お前たちは知らないか。あれだよ、邪龍ワンパン事件の。」


「え!?あちらの方がシン・ガナスト先輩!?」


「そそ、もう1人は狂った贈り物事件の。」


「ステラ・ルージュ先輩ですか!?」


俺たちがレオ、リリアと話している間に下級生に教えている後輩ズ。

なんでそれで名前が出てくるのか問い詰めたいが、否定しきれないのが辛い。


ステラの名誉を守るために言っておくが、狂った贈り物事件はステラが狂ったのではなく

ステラからの贈り物が欲しくて、男子生徒たちが狂った事件だ。

ちなみに、貰ったのは俺だったので狙われたのは俺だ。



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