表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
27/41

仲間集めの始まり

「話は終わったのか?」


エドガーとの話が終わり、警備の人に案内された扉を潜った先でステラは紅茶を飲んでいた。


「あぁ、対して時間がかかるもんでもなかったし。」


俺の返答が気に入らないのか、じーっと疑うような視線で俺のことをみるステラ。


「なんだよ?」


「儀式ではなく話をしてたんだな?」


「言わなくても気付いてたろ?」


ステラの勘、って言えばいいのか。適当に誤魔化すとすぐに気付かれることが増えた。


「私じゃ役に立てないことか?」


不機嫌そうに見えるけど、これただ拗ねてるだけなのよね。

こう綺麗な子がツーンってしてるのは若干・・・いやけっこう・・・可愛いと思っちゃう。


「違う違う。【凶翼】のことでな、各地で目撃情報があるらしい。」


あんまりステラに隠し事したくないし素直に話す。

別に絶対秘匿って言われてないし、エドガーも承知の上だろう、多分。


「やはりそうか・・・。」


「そんで、今回の近衛隊のメンバー集めは俺らに一任だってさ。」


「私たちに?・・・なるほど、王命でってことか。」


王様から直々に命令をもらった奴らが集めたんだから人選に文句言うやつはいねぇ?言わせないけど。ってことだ。


顎に手を当てて目をつぶり考えるそぶりをするステラ。

日差しに照らされ、窓からは風が吹き込み、ステラの髪が優しく揺れる。

隣に座っている俺にダイレクトにステラの香りが・・・。


・・・はーーーーーーーーー、とっくの昔に気付いてるよ?

でもさぁ、言葉にするのとしないではおっきい差なのよ。

なんなら、読者の君たちはとっくに「もしかして?」って思ってたっしょ?

そうです、その通りです。

俺はステラに惚れてます。一目惚れです。

彼女の一挙手一投足にドキドキします。

彼女が俺のことをどう思っているのか、気になります。

隊長と副隊長の話をエドガーに聞いた時は嬉しかったです、はい。


「・・・・・シン?聞いているのか?」


「はぇ?」


なんてことを考えていたらステラに話しかけられていたらしい。


「急にボケっとして、気が抜け過ぎではないか?」


そういいながら、ジト目で俺の顔を覗きに来るステラ。

急に顔を近づけられたら!あー!!!いけません!顔面力が良すぎます!!!


「ちょっと考え事してた、ごめん。なんの話?」


「候補の話だ、誰か思い当たる人はいる?」


元の位置に戻り、なんとか平静を装う。

どうやら、ステラが考えていたのは隊のメンバー集めのことだった。

そりゃそうだ。


「ん~・・・思い当たるのは数人。そして誘いたいのが2人。」


「ふ~ん・・・その誘いたい2人当ててやろうか?」


多分、俺もステラも同じことを考えていたんだと思う。


「「レオとリリア。」」


答え合わせのように俺とステラの声が被る。

やっぱり同じ考えだった。


レオとリリア。

学校時代の後輩、俺たちが2年目の時に入ってきた新入生。

レオは剣士職、リリアは魔法職だ。

詳しい説明を端折るけど、簡単に言えば


①実力が周りより劣っていると感じるレオを俺が見つける

②焦ってるレオが喧嘩売ってきたのでボコボコにする。

③なんで強くなりたいのか聞いたら、幼馴染の子を守れるぐらい強くなりたい。けど自分は弱い。

④気持ちが分かった、俺がガチで鍛えた。

⑤めちゃめちゃ懐かれた。


リリアがその幼馴染ってわけだ。んで、↑の①②がなしでステラとソフィア、マリオンに出会ったらしい。

2人とも、お互いのことを思ってるのに会えば喧嘩三昧。近しい相手に素直になれないのはよくあることだろう。


2人とも学校を卒業したらこっちに来たいって言ってたし。

俺たちに鍛えられた2人は同年代で飛びぬけた実力も持ってる。

実力知ってる、人となりも知ってるってことで一番最初にメンバーに加えたい。

かわいい後輩でもあるし。・・・コネ?2人とも良い子だからいいんだよ!


「ふふ、やっぱりあの2人なら信頼できるものな。」


嬉しそうに目を細めて笑うステラに、またドキっとしてしまう。


「早速、手紙でも書こうか。」


「どーせなら直接行かね?驚かせたいし。」


「そうだな、卒業に向けて行く先を決める時期でもあるし、丁度良いな。」


「ちゃんと乗ってくれる所がさすがだぜ。ソフィアにも声を掛けてこーぜ。」


「そうだな。」


2人でソフィアの元に向かうことになった。


=================================


「いーーーーなーーーーー!」


ソフィアに報告した第一声である。


「私も2人に会いたいですー!でも、この仕事を放っておくのは・・・。」


俺たちの前ではだけど、ソフィアはだいぶ素直になった。

ステラ曰く、元のソフィアに戻った、とのことだ。

眉間にしわを寄せながらも手を止めないソフィア。


「・・・そっか、2人にまた会えるのは私も楽しみ。」

出来上がった書類をまとめていたのはマリオン。その表情にはふんわりと笑顔が見れた。

今はソフィアの補佐として、仕事を手伝っている。


2人とも、とても美人さんに育った。

・・・ここだけの話、何がとは言わないがマリオンが一番実ってる。

ステラ<ソフィア<<<エレノア=マリオンの順番だ。

エレノアさんの直接遺伝子恐るべし、って所だな。

決して2人が小さいわけではないことはここで言っておく。


「お2人がここに来てくれるのに反対はありませんし、早速学園に向かってください。」


そう言って、2枚の紙を差し出してきた。


「これは?」


「そちらはお2人のご家族に渡す手紙です。こちらの近衛騎士隊が正式な物である、ってお知らせですね。」


あー、2人の家って元々は冒険者家庭らしいしな。急に聞いたこともない部隊にスカウトされた!じゃ心配させるだけだもんな。


「そんじゃ、行ってくるよ。」


「はい、道中お気をつけて。」


「・・・気をつけてね。」


ソフィアとマリオンに出発を伝え、準備をする。

学園までの距離は馬車で3日ほど、早馬なら2日ぐらいの距離だ。

けど、それよりも早い方法がある。

ギルドにある転移魔方陣だ。

なんでもとある天才がここ数年で作り上げたらしい。

一度に転移できる人数や荷物は多くないが、少人数での移動や冒険者のようにあっちこっちに行き来する人たちには超がつくほど便利。

現在は各地域の冒険者ギルドが出入口となっているため、運営は冒険者ギルドが担っている形だ。


「ここに来るのも久しいな。」


「なー。騎士団所属になってから割と忙しかったし。」


学園にはギルド学園支部、というのがある。

冒険者、魔術、商人と各ギルドのだ。生徒の自主性を尊重することと、若者に知ってもらいたいギルドとの考えが合致した結果、連携するにあたったらしい。


入口に近づくと賑やかな声が聞こえてくる。

冒険者ギルドは依頼を受ける場でもあり、酒場でもあるからだ。

扉を開けて、中に入ると更に賑やかな声が響く。


「だからよ~!おらぁ、言ってやったんだ!」

「「「だっはっはっは!!!」」」


「じゃぁ、今回の依頼成功を祝して!」

「「「かんぱーい!」」」


「今回の依頼だが・・・どうする?」

「こいつは・・・どうだ?」

「・・・逆にこっちはどうだ?」

「こいつはどうだ。依頼人は”花屋”。」

「「「美人か!?!?!?」」」


なんとも賑やかな場所である。

楽しそうにはしゃぐ冒険者たちの間を通り、受付へと向かう。


「いらっしゃいませ、冒険者ギルドへようこそ。本日はどのようなご用件でしょうか?」


「学園支部への転移魔方陣使用を許可してもらいたいです。」


受付さんにギルドカードを渡しながら、用件を伝える。


「かしこまりました、カードを確認いたします。・・・はい、確認が取れました。”シルバーランク シン・ガナスト”様、”シルバーランク ステラ・ルージュ”様。お2人分で銅貨10枚になります。」


銅貨10枚を渡し、それを本物かの確認をして受付が終わる。


「準備が出来ましたらお呼びしますので、少々お待ちください。」


「はい、お願いします。」


待ち時間ができたので、空いている適当な席に座る。

そのまま待つのもあれなのでそばにいた売り子さんに飲み物を注文しておく。


「そいやー、俺たちシルバーだったっけ?」


「そうだな、その辺りなら不自由ではなかったし。」


いつぞや話したか(※ep4)冒険者にはランクがある。

ルーキー、アイアン、ブロンズ、シルバー、ゴールド、プラチナ、アダマンタイト又はオリハルコンだ。

最高ランクが2つあるのは、使う武器の違い。

戦士ならアダマンタイト、魔法使いならオリハルコン、ってことだ。

ちなみにルーキーは子どもでもなれる。子どもたちにとっては良い小遣い稼ぎって所だ。


ステラとなんだかんだ雑談してると飲み物が届いた。

今からお仕事でお酒は飲めないので、両方とも果実のジュースだ。

ごくごくと飲んでいると


「・・・おい、見ろよあそこの美人。」

「くそ~、あんな美人と俺も知り合いてぇもんだなぁ・・・。」

「お前じゃ無理だ、相手にされねぇ。」


と、冒険者たちのひそひそ話が聞こえた。

やっぱり、他の人の目にもステラは美人なのだろう。

きりっとしてて、綺麗で、強くて。

面倒見もいいし、良い奥さんになりそうだもんな・・・。


「どうした?私の顔に何かついてるか?」


「口の横に果汁の残り。」


「嘘っ!?」


慌てて口を拭うステラだが、何もついてないことがバレる。


「・・・嘘つき。」


ちょっと拗ねたように口を尖らせるステラ。

うん、可愛い。心臓が口から出るかと思った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ