綺麗な薔薇には棘、どころかロケランまで持ってません?
シンと別れ、ソフィアを連れて逃げる。
あいつのことだ、心配はいらない。
それに、助けに向かったのも私たちのためだってこともわかってる。
今は、ここから逃げるのに集中しないと。
「ステラ、やっぱり私たちって。」
「わかってるよ、誘導されてる。」
奴らの狙いはソフィアなのは間違いない。先ほどから逃げ道を塞がれて、人がいないところに誘導されている。他の客も周囲に見えなくなった。
私たちは屋敷の奥へと追い込まれてしまった。
周囲に気配はないけど、油断はできない。
慎重に進んでいくと、扉が見えてきた。
「外に繋がってると良いんだけど。」
扉を開けると中は広い広間、しかし明かりがないため薄暗い。
窓が見えるから、外には逃げれそうだけど。
「・・・そう簡単ではないか。」
どこに隠れていたのやら、周囲から黒ずくめの集団が音もなく現れた。
・・・9,10人。人数は10人。
武器のない小娘が2人。奴らにかかったら赤子も同然なのだろう。
「「「・・・・!!!」」」
ゆらりゆらりとこちらに来ていた黒ずくめに緊張が走った。
驚いただろう?何も持ってないはずの手には、いつのまにか剣を持っていたのだから。
シンから渡された秘策、呼出符
その効果は符に閉じ込めたものを取り出すことができる。
1回使い切りではあるが中々に破格の性能をしている。
特殊過ぎて市場には出回っていない品物らしいが・・・。
「いい加減、我慢の限界なんだ。」
今までの鬱憤を晴らさせてもらう。
「はぁぁぁぁあ!!!」
一番近い奴に突っ込む!
守るべき対象のソフィアから私が離れたのが意外だったらしいが、少し動きが乱れたがすぐに動き始めた。
正面迎撃態勢、2番手、距離を詰めてくる、3番手死角に入り込み奇襲を狙ってる。
・・・すごい。シンとの訓練で自分の身体、相手の動きが以前よりも格段に解る。
これなら、いける!
不本意だが、シンとの模擬戦で磨いた私の剣技!
「”セイクリッド・インカテナート”!!!」
流れるように1人、2人、3人と突きを繰り出す。
まずは3人を撃破。
「「「っ!!!」」」
さすがにただの小娘ではないことがわかっただろ?
「私たちを狩るつもりだったか?残念だったな、貴様らの方が狩られる側だ。」
私の死角から2人ソフィアに向かっているけど、あの程度なら大丈夫。
「・・・あなたたちが何者なのかは存じないですが。」
ソフィアが手をかざすと、襲い掛かかろうと飛び掛かっていた2人の動きが空中で止まる。
「いい加減、堪忍袋の緒が限界です。」
左右に手を払った瞬間、黒ずくめの2人は勢いよく壁に吹き飛ばされ、そのまま気絶した。
「「「!?!?」」」
残った5人には何が起こったのか理解できないであろう。
ソフィアは自分の光魔術を独自に発展させ、なんと目に見えない魔術を作り出した。
切っ掛けは些細な事、ある日いつものように修行していたらあのバカがソフィアが作った壁にぶつかっていた。
遊んでいると思ったら、本当に見えなかったらしい。あいつは「いやぁ、光の屈折ってのがあるけど本当に見えないもんなんだね。」と笑っていたが。
バカが気付けないということは、相当な強みになると思った私たちは鍛錬を重ねた。
その結果完成したのが、光の中でも、闇夜の中であっても完全に見えない魔術
【気配なき干渉】
それがソフィアの武器だ。
そして、恐ろしいことにこの見えざる魔術は
「”気配なき干渉・鬼哭!」
残っていた5人のうちの1人が強い衝撃を受けて吹き飛び、そのまま動かなくなる。
魔術であるから、射程が広い。
「ソフィア。」
「うん、大丈夫。拘束済みだよ。」
私たちが倒した6人はソフィアの魔術で拘束済み、そう簡単には逃がさない。
残り4人。
私も、ソフィアもシンのおかげで強くなれた。
シンがいたから、出会えたから、教えてくれたから、・・・・できたから状況を変えることができた。
・・・少し思考にノイズが?
「ステラ、あれ。」
ソフィアの声で我に返ると、4人の後ろにもう1人現れていた。
あれは・・・そうか。
「うん、あいつは強いね。」
他の黒ずくめよりも、1段・・・いや、数段上の実力者。
残りの4人だけだったら、余裕を持って脱出できたけど。
これで状況がわからなく・・・「だっっっっしゃぁ!!!おらぁっ!」
・・・こいつは静かに登場できないのか?
天井のガラスを突き破り、落下してきたのは見知ったバカ。
「満を持して俺、参上。」
かっこつけている暇があるなら、その手に抱えた女の子を離してからにしろバカが。
あとがきという名の設定説明
ステラ:使用武器 レイピア
ヒット&アウェイで高速で動き回るステラにはこっちが合うとしてシンに進められた武器。
それに無属性の魔力で強化してるからめったなことでは折れない。
【セイクリッド・インカテナート】
連続で突きを繰り出す技。一発一発が魔力を込めてるためめちゃめちゃ重たい。
くらった場所はでかいハンマーでぶっ叩かれたぐらいの衝撃が走る。
ソフィア:使用魔術 気配なき干渉【アンヴィジブル】
ソフィアは自由に魔術を扱えるようになったので、色々悪さ、サポートもできる魔術。
吹き飛ばされた2人は手のような魔術(見えない)で捕まって、そのまま壁に叩きつけられた。
・気配なき干渉・鬼哭【アンヴィジブル・アンフェルナル】
見えざる魔術による奇襲、ソフィアはちょーーーーーー魔力量が多いので、はちゃめちゃに込めた魔力
でぶっ飛ばされる。大砲の球が見えないと怖いよね。




