表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/10

番外編:ソフィア

かなり遅れてしまいました



この話は、ストーリーにそう大きな影響を与えるものではありません


が、無関係ではないです

私の家系では、特殊な魔法が使えるということで、長女は、国から支援を受け、毎日を魔法の修行に費やすことになっている


そして私は長女だ


それは、私の家計に代々伝わる使命、つまり、緊急時に異世界から助けを呼ぶためだけのもので、使われた記録もない


モチベーションは当然上がらない


魔法は精神的なところが大きいから、それでは一向に上達しない

そしてまたやる気を無くす・・・


こういう悪循環が修行を始めた3歳くらいから、7歳くらいまで続いていた


怒られないようにするため、毎日指定された魔法だけは使っていたから、それなりの魔力量になっていた



しかし、私にこれではダメだと示唆するように、国に何かが起こって、おばあちゃんが何かをして、死んだ


国に起こったことが、国にとって悪いことで、おばあちゃんがそれを解決したということしか思い出せない

母に尋ねたら、記憶が消されているそうで、教えるべく時がきたら教えてくれるとのこと



ただ、なにが起こったかは思い出せないのに、私の心には『修行をしなければいけない』という使命感が強く残っていた

そして、毎日修行を積み、使える魔法の数は母に追いついた


けど、威力、スピード、正確さ、なにをとっても負けているので、私はまだまだ修行を続けていた




そんなある日、私が15歳になった年だった

私は、まだまだ母には及ばないが、攻撃魔術以外で戦えば、国単位でも結構上位に入れるのではないか?というくらいになっていた


だが、急に現れ、国に奇襲を仕掛けてきた軍隊には、足止めすらできなかった


母は、この国で一番の補助魔術師だといわれているが、その母でも動きを少し緩ませることしかできなかった

父は婿養子で、この家計の人間でないため、オールマイティな魔術師で、幅広いタイプの人間や魔獣を相手にできるが、あまりに強い相手だと、なにもできなくなる



両親や親戚一同と協力して軍隊から逃げる際、一番山奥にある祠に向かった


理由は着いたら説明すると言われたが「どっちが行くんだ?」「ソフィアだろ」

「まだ早くないか?」などという会話が聞こえてきているため、大変気になる



祠が見え、一度そこに入り説明をするが、もう一つ奥の祠に行くことを知らされてから、祠に入る




祠には魔獣が入ってこないし、軍隊は、5名ほどで編成される小隊が追ってきていたが、今は見えていない



「次の祠に着いたら、あなたが異世界に行き、一番最初に困ったときに助けてくれた人を、こっちに連れてきなさい」


こう言われたとき、これが使命だったことは昔からわかっていたが、正直、意味がわからなかった


これまでに使われたこともない、イメージトレーニングと魔力を練る練習しかしていない魔法を、この祠から次の祠に移動したら、急いで使え

そして、この国を守れ



そう言われているのだ




私はとりあえず肯定の返事をして、魔力を練り始めた


そして、次の祠に向かって走り出した



私は緊張していたし、とても不安だった


だが、ひたすら集中していた



軍隊に出会ってしまったが、親戚たちが足止めしてくれて、私と私の両親は、まだ走っていた


なんとか祠にたどり着き、私は練っていた魔力で異世界への門を開いた


そのときはもう、父も母も、軍隊に殺され、次は私だ、となったときであった



私はすぐに青白い光に飛び込み、危機一髪、命は助かった

両親の死を悲しむ間もなく、私は意識が飛んでしまった



目覚めたとき、私は、イケメンとは言えないが、そこそこかっこいい男の背中におぶられていた



恥ずかしさやら悲しさやら驚きやら安堵やら


様々な感情が一度に襲ってきて、パニクってしまった




そこから私はこの男を説得し、連れ帰る


母に言われたこともあるが、私自身、こいつがいいと思った


べ、別に好きとか、そういうのじゃないんだからね!




帰ってきて祠に出ると、思うと悲しくなったが、また、そんなことを思う前に意識が飛んでしまった



起きたら周りには魔獣が大量にいて、私が魔法で障壁を作って、みんながいると教えられた洞穴に向かう


そういえば

起きた瞬間にあいつがこっちを見てた気がするんだけど気のせいかな




歩き慣れた山道を歩き、洞穴に着くと、集中力が切れてこいつとくっついてたのに気づき、恥ずかしくて死ぬかと思った


いやだった訳じゃないけど、恥ずかしかった・・・



それと同時に、父も母も叔父も叔母ももういないことを思いだし、一気に悲しくなった

みんなの歓迎が無かったら心が折れていたと思う


あとこいつはソラという名前らしい




ソラと一緒にもう一回あっちの世界に行くことになったときは、正直嬉しかった


自分の感情がよくわからないけど、ソラといると楽しいし、明るい気分になれる



でもソラはまだ弱すぎる


属性はすごいことになってるけど、魔力量がある意味すごい


魔法を使ったことがない一般人より少ないと思う



しかも、身体強化をかけてあげてるのに、魔獣から逃げてる最中なのに

こけた



私も予想できなかったし、もう魔力があんまり残ってなかったから、攻撃を防ぐのに魔法が使えなかった


でも勝手に体は動いた

守りたかったから、守れてよかった



でも、今この魔獣を倒すのに魔法を使うと、手に開いたこれだけの大きな穴を治療するのが難しくなるかもしれない



どうしよう・・・

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ