表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

ゲーム世界に転生したのでシナリオを満喫する事にした

作者: 茜音

 スマホ、タブレット、PCで出来るオンラインプレイ可のRPG、『オリジンスパイオンライン』。


 キャラメイクの幅は広く、性別選択は任意、種族は吸血鬼(ヴァンパイア)魔女(ウィッチ)突然変異魔人(ミュータント)の三種類。髪色も目の色も服装及びカラーバリエーションも豊富にある。

 そしてタイトル通り、主人公は「魔物側の」スパイとなり、人間界に送られる。

 目的は、人間が行う精霊神の復活の阻止と、魔神の復活+世界征服。


 ただし、とある章で主人公=プレイヤーが選択するシーンが一つ。


 このまま魔物側に着くか、人間側に寝返るか。

 それによって、シナリオは二分する。


 ここ最近俺が一番好きなゲームだ。


 なら、何故俺がゲームの事について長々と考えているかというと。


「……という事で、レオを人間界へ送り込む。しっかり頼むぞ」

「………はい」


 全く、本当に全く意味が分からないが、俺はゲーム世界に転生してしまった様だ。



 どうやら俺は『レオ』という吸血鬼(ヴァンパイア)らしい。よりによって弱点が多い種族なのは何故なのか。


「我らの目的はかの魔神、ベイル様を復活させる事だ。その為には、人間界に住まう憎き精霊神、ニーファの再起を妨害し阻止しなくてはならない。忘れるなよ」

「心得ております」


 ベイルの腹心、アムネスに釘を刺されたのでそう答える。


 こうして俺は、人間界へ送り出された。


─────

 降り立った先は、建物が並び立つ街の裏路地だった。本格的にゲームのシナリオが開始したらしい。

 どの種族を選んでも支障が無いようにか、スタート直後の時間帯は深夜と決まっているが……反映されていた様で、それは本当に有難い。

 広い通りに出て辺りを見渡す。時間が時間だからか、どの店も閉じているし人通りもない。とりあえず、突然現れた存在を見つけた人はいないようで一安心だ。


 ……人間が、邪魔をしているんだよな。


 元は人のはずなのに、魔物に転生してしまったからなのか、今は邪魔をする人間が疎ましい。……種族に精神が引き摺られている、のか。


「……行くか」


 兎にも角にも、今自分は日が出ている間は動けない。夜のうちに調べて回って、宿を確保して、金も確保して、自分の実力も確認しなければ。

 初日にしてやることは山積みだが、シナリオがある程度進行すれば宿問題は困らなくなる。それまでの辛抱だ。

 それに、ゲームの記憶があるという事は、多少なりとも使える知識がある証明にもなる。

 残念ながら、すべてクリアしきる前に訳の分からない転生を強制されたが……どうせなら、こっちでゲームのエンディングを確かめてやろうじゃないか。


 こうして俺は、現実となったゲーム世界で生きる事になったのだった。

息抜きなのでこれが連載になる事は100%ないです。こんな不完全体を世に解き放つな。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ