鏡の国の魔女と人間 3
「で、次は……零陽さん良いですか?」
何故?
「結構知ってそうじゃん。んじゃ、どうぞ。」
「ああ、んじゃ話す。
俺が話すのは、鏡を見て驚くものじゃない。
呪いの言葉、【紫の鏡】だ。
紫の鏡っていう言葉を20歳まで覚えていると、
鏡の破片が刺さって死ぬとか、
不幸になるとか、そういうものがある。」
へえ。
……じゃない!
「ストップ。ちょっと待った。」
「なんだ?」
「なんだ? じゃねえよ。
今バッチリ聞いてしまったじゃないかよ!」
「んじゃ呪いを解く方法教えようか?」
「教えて。」
「教えてやる。が、その前にだ。
この紫の鏡はエピソードがあるんだ。
ある女の子がお気に入りの手鏡に、
ふざけて紫色の絵の具を塗ってみた。
が、その絵の具はいくら洗っても落ちなかった。
それから数日後……
彼女は交通事故にあって死んでしまった。
彼女は死の直前まで、『紫の鏡、紫の鏡…』とうなされていたらしい。
この話を聞いた人は二十歳になるまでに、
紫の鏡という言葉を忘れないと、
紫の鏡の呪いで死ぬ(又は不幸になる)らしい。
で、紫は霊性が高い色らしい。
因みに赤は魔除けの色、
白と黒は死んでいる色なんだ。
紫色に霊性を持たせている宗教はキリスト教と仏教らしいな。
これからの質問は雲雀に全部答えてもらう。
鏡に霊性を持たせている宗教は?」
「神道、であってるか?」
「正解。12月25日は何の日?」
「クリスマス。その日に生まれた女は魔女の血を引いてるとか。」
「魔女は関係ない。で、誰の誕生日?」
「イエス・キリスト。」
「正解。んじゃ、俺らは死んだら何処に埋められる?」
「墓だろ、普通に。」
「正解。正月はどこに初詣する?」
「神社だろ。この質問が何につながる?」
「神社と寺と教会が現在日本で一般的に世話になってるやつ。
で、それぞれ一体何の宗教の神殿?」
「今スルーしたよな。えっと、神道と仏教とキリスト教……だが?」
「あっ!分かった!」
良く分かるな、親友よ……。
「最後。祭事が行われている宗教で此岸と彼岸を繋ぐものは?」
「……紫の鏡?」
「正解。こういうことだ。
はい、呪いを解く方法を今教える。
あと、他の呪いの言葉も。」
まだあるのかよ!?
「まだあるさ。これはおまけとして聞いて欲しい。
他の呪いの言葉から。
【いるか島】
【血まみれのコックさん】
【赤い沼】
【銀色のナイフ】
【紫の亀】その他。
いるか島は15歳の誕生日に電話がかかり、
「あしいるか?」という言葉に対し、
「はい」と答えたら体がバラバラになる。
「いいえ」と答えたら向こうが切る。で、助かる。
助かる方法は3つ。
忘れると呪いが解ける。
他の人に言うと、その人に呪いがうつる。
呪いを解く言葉も覚える。
呪いを解く言葉は、
【水色の鏡】
【ピンクの鏡】
【永遠に光る金色の鏡】
【白い水晶玉】
【助けてホワイトパワー】その他。
これらの言葉はどの呪いの言葉にも効くらしい。」
成る程、助かった。
「俺はいるか島は回避出来るからまだいいが、
呪いを解く言葉を覚えないと体がバラバラになるぞ?」
「そういや15超えてたな……17だったか?」
「ああ。紫の鏡を除けるために、俺は全部覚えてるけどな。」
「でも電話でいいえと答えたら助かるんだったよね?」
「まぁそうだが、あとでまたくるかもしれないから、
念のために覚えておいた方がいい。」
……感謝。