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だから僕は勇者を殺し続ける  作者: 白山碧水
5/6

川小屋での戦い

この辺りは魔物や危険な獣は出ない。


 そう考えていた僕は甘かった。


 川小屋を出て五分。


 狩ってきたら村でお祭りになっていた大猪が今ロロの前に威嚇するように上体を低くしていた。


 足が震えだすが息を止めたロロは無言で木を盾にしながらジグザグに森を駆け抜ける。


 見通しが出来る空間があれば一歩で更に加速する。


 そうやって走って逃げているとすぐにロロは川小屋まで辿り着いた。


 猪はロロを敵と認識したのか唸り声をあげてひたすらに突っ込んでくる。


 ロロはかろうじて避け続けながら偶然にも猪が足を取られた瞬間、避けざまに背中を斬りつけるがあっさりと毛皮に弾かれる始末。


 思わずロロは猪と刀を見比べてしまう


 そして当然何かされたのは判ったのか猪は怒り狂って更に突進してくる。


 走りながらロロは覚悟を決めた。


 そして大きく深呼吸。


 切っ先を猪に向けて腰を落とし低く構えて大きく踏み込みロロは叫ぶ。


 「一歩っ!」


 狙うは大猪の目のみ、外せば確実に自分が死ぬ。


 ロロの大声とダッシュに驚いたのか少しだけ上体が浮いた。


 そして僅かに逸れた切先が猪の眉間に弾かれ目に吸い込まれる様に刀が突き刺さる。


しかしロロは結局そのまま大猪に突き飛ばされる。


 

 突き飛ばされて地面を何回も転がり気を失う瞬間に顔に刀が刺さりのたうち回る大猪を見てロロは安心した。


 最後にスキルLvが上昇しました、という声を不思議に思いながら。

 


 痛い

 

 全身が何か突き刺さったかのような痛みを感じてロロは起きてからしばらく自らの身体を手で抱えるようにして悶絶していた。


 全身打撲と擦り傷とアザだらけではあるが骨が折れた場所は無い感じである。

 大猪は水汲み場の向こう側で頭を土手に載せるように川の中で死んでいた。


 ロロは突き刺さった刀が抜けず五分近く時間をかけて引き抜き刀を血振りをして鞘に収める。

 

 そしてなんの感動もなく思いつく限りの手で大猪を解体していく。村で覚えた範囲の知識で食べる部位をバラして小屋にあった火打ちで火を起こし肉を焼く頃には深夜になっていた。


 小屋で泥の様に眠り起きたロロは身体の震えが止まらない事に気がつく。

 「あんなに怖い思いをしたのは初めてか・・・でも勇者を殺すならもっと慣れていかないと」


大猪を倒してから一年後


ロロ川小屋を出る事を決意した。


 きっと街道に出れば何処か人のいる場所に行けるだろう。


 そう思いながらロロは村に向かって独り歩いていく。


 ロロはさびしいとかは思っていない


ただ・・・

 

 アレキサンダー、絶対に殺してやるから首を洗って待っていろ


その一念のみを胸に秘めて





  

黄金週間終わりか(´・ω・`)

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