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だから僕は勇者を殺し続ける  作者: 白山碧水
4/6

飢餓の兆候

雨音


 ロロは雨音と濡れる自分に気づいて目が覚めた。


「川小屋に行こう」


 ロロは村から少し歩いた所にある川沿いの水汲み場とその周辺を監視する小さな小屋に向かう。


 ちょっと前まではたまにリゼと一緒に水を汲んでいた水汲み場。


 たまに並んで歩いてた水汲み場までの小道。


 よく怒るリゼによく笑うリゼ


 雨に打たれながらロロはそんな事ばかり考えていた。


 隙間だらけの川小屋


 ロロは中に入るとまずは敷物で身体を拭き自分の服を干して誰かの物だった服を着る。


 袖と裾はまくりあげ腰紐で縛る。


 狩りに使う道具袋をかけるベルトを捌き用の短剣で穴を増やして腰に巻く。採集用の袋の横に紐を通して誰かの物だったブーツをかけて固定する。


 外套は背丈に合わせて薪割り用の斧で叩き切って行く。多少の干し肉と干した果実の保存食を食べてロロは雨が止むのを待った。


 黙っていると気が沈んでいくロロは気分転換にとある単語を念じながら声に出してみた。


「一歩っ!!」


 ドグァシャッ・・・・・・バタリ・・・


 ロロは声に出した瞬間スキルは発動し壁に激突からの失神。


 「ハッ・・・気を失ったのか・・・加減加減」


 ロロは苦笑いしながら固まりかけた鼻血を腕でゴシゴシと拭き外套の端布を鼻に入れて小屋の中の距離を考えながら一歩の練習をする。


 練習をしているとロロはふと疑問が浮かんでくる。


 僕が全力で小屋の壁にぶつかって失神なんて出来るだろうか?


 ロロはふと目についた斧を持って薪割り用の丸太を斧で叩く。


 斧は固定出来る程度にしか突き刺さらない。


 次は自分で一歩歩いて斧を突き刺す。


 気持ち刺さりが深い程度だった。


 「一歩!」


 斧は倍近く突き刺さった。


 雨が止んだら一歩を使いながら刀を振る練習を決心したロロである。


 その前に現実は厳しかった。

 干し肉と保存食なんて何日分もあるわけも無く保存食をつくる方法なんてあまり知っているわけでもなくロロは食べていかないとわりと早めに死んでしまう。


 「まず飯を確保しないと・・・」


 雨が止むとロロは着替えて最初に川辺りを石で堰き止めて出口をひとつにして横に穴が空いている魚取り用の木箱を流されないように沈めた。


 そしてロロは子供用に拵えた小弓と矢を持ち狩猟用の短剣を腰にかけて食料探しに出る。


 どちらが食料になるかは判らないが。


 

 

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