表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
だから僕は勇者を殺し続ける  作者: 白山碧水
3/6

聖剣と空腹とスキル


本を握りしめると本が何かに変わっていくのをロロは感じていた。


ロロは無意識に何かを引き抜く。


すると本の代わりに一振りの黒鞘に収められた刀を握っていた。


刃渡りは2尺2寸と言われる長さ。


使い方は何故かほぼ理解出来た。


腰紐に刀を通し刃を上向きに持ち親指で鯉口を切る。


 ゆっくりと引き抜くと輝きも何も無くただただ黒い刀身が姿を表す。


 「これが白狐様言っていた力・・・聖剣なのか・・・黒くて艶とか綺麗な感じも無いのは僕の気持ちみたいだ」


 空にかざして鑑賞した刀を振り不格好な納刀をして気合いを入れて頭に浮かんでいる動作をしてみる。


 「フッ」


 腰を落とし息を吐きながら刀を勢い良く抜き左手で鞘を払い刀を横一閃、そして上段から振り下ろし止め。


立ち上がりながら刀を振り納刀をする。


 「知識と現実の差か・・・」


 数回同じ動作をしただろうか


 全身が痛い。


 それでも構わず練習をしていると髪を掻き上げる仕草をする勇者が朧気ながら目の前に浮かんできた。


 薄笑いしながら皆を殺して回った槍使いが目の前に浮かんできた。


 狂ったような笑い声を上げながら皆を燃やして灰にした魔法使いが目の前に浮かんできた。


昼も夜も無くただただ刀を振り続けていると突然視界が真っ黒になり気付くと目の前に地面があり刀を抜く事が出来ない。


 立ち上がろうとするが全身に力すら入らない。


 ロロは空腹と反復動作だけで小さい身体を酷使し過ぎて死にかけていた。


 空腹にやっと気づいたロロは村外れにある少しばかりの果実が成る樹の元に必死に這って行く。


 しかし・・・もう少しで樹の前に辿り着くという寸前でロロは気が遠くなり始めていた。


 気が遠くなり視界が暗転する寸前にリゼの泣き叫ぶ姿が見え声が聞こえた気がした。


地面に何度も頭を打ちつけて意識を取り戻しロロは立ち上がろうとする。


 すると頭にある単語が突然鮮明に浮かんでくる。


 ロロは力の限りにそれを叫ぶ

 

 「・・・一歩っっ!!」


 立ち上がる体力すらないはずのロロは立ち上がり手を伸ばした先にある樹に成っている実をしっかりを掴んでいた。

 

 ロロは樹の実を食べるだけ食べて泥の様に眠る。


 これがロロの生涯スキルのひとつ【蟻の一歩】の初発動である。

足底筋膜炎でバイクに乗れません(´・ω・`)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ