ロロの決意
「・・・狐は何処にいた?」
美しい金髪を掻き上げ服を整え全てを終えたアレキサンダーは闇に向かって問いかけた。
「北北西2km、丘の上に社発見」
「ふむ・・・」
しばしの間アレキサンダーは考え、剣を背中に背負う。
「ガウリス、そろそろ出発するぞ。途中一泊して万全な体制で狩りをする。バルザント、痕跡は残すな」
アレキサンダーがそう言うとガウリスは返答代わりに聞いてきた。
「でもよぉ、なんであんなにキレたんだ?俺は楽しめりゃあ良いんだけどよ。お兄ちゃんお兄ちゃん叫ぶのは少し楽しかったぜ」
「[天轟聖典]も私も知らない様な輩は人間では無い。この世から消えても文句は出ないだろう」
アレキサンダーの次に全てを蹂躙し今は穂先にかつてリゼと呼ばれた小娘を穂先の飾り代わりに突き刺し振り回しながら何かすごく納得した様なガウリスは立ち上がる。
「じゃあ狐狩りに行きますか!」
ガウリスは穂先に突き刺したリゼをポイッと死体の山に放り投げて勇者の後をついて行く。
「ギャハハはっ、じゃあ全部消すぜー」
笑いながら死体の山と向かって呪文を唱える。
ー 灰炎空間 ー
バルザントが一唱のみの呪文を唱えると村の全てが炎に包まれ1分と経たずに灰となり消えていった。
「狐が持つ白本は必ず手に入れるぞ」
ひとつの村を消し去り歩き去っていく勇者達を呪い殺す勢いで見続ける生存者がいた。
「リゼ・・・親父・・・・・・な・・・ぜ・・・行かせ・・・てくれな・・・い!白狐様!!」
掠れた声で小さく叫び血涙を流しながら木牢に独り封じ込められたロロの上には白い子狐が乗っかっていた。
子狐は寂しそうに話し出す。
「今は動いてはいけません、この場で私の力ではロロしか助ける事が出来ません」
「そしてあの者達の目的は判っています・・・今日の事は決して忘れてはなりませんよ、ロロ?」
「・・・絶対・・・に絶対に忘れない・・・忘れる・・・ものかっ!
そう言い睨むロロの前に子狐は座り直し優しく微笑みかける。
「よろしい・・・社から動けない私はきっとあの者達に倒されてしまうでしょう。ですが私の力は残していきます」
そう言うと白い子狐は虚空から一冊の真っ白な本を咥えロロの前に置く。
「この本は夢の書。村の小さな勇者ロロよ、この本に自分の願いを込めなさい・・・きっとロロの思いの助けなる事でしょう」
「そして・・・またいつか何処かの果てで会いましょう」
子狐は少しづつ透明になって消えていく。
子狐が消え去った後、ロロは身体が自由になるのを感じた。
「みんな・・・親父・・・リゼ・・・白狐様・・・僕が代わりに悪い勇者を殺す・・・絶対に殺してやる」
真っ白な本を握りしめると狐が夢の書と言った本は黒く染まっていき銀で縁取られた本題が浮かび上がっていく。
その本題は[蟻が象を殺すまで]
黒髪だった少年の髪は消えていった狐の様に真っ白であったという。
そして少年は勇者殺しの旅に出る。
ボケーッとただ書いてます
誤字脱字乱文申し訳ありません(´・ω・`)
黄金週間の暇潰しの足しになれば幸いです