プロローグ
「アナスタシア・フィエルテ!貴様との婚約を破棄させてもらう!!」
私の婚約者であるはずの男と、それにしがみつく女。そして2人の前に立ちはだかる私。
「観念しろ。お前はこのクリミナル・テンダーネス男爵令嬢を、深く傷つけた!」
「私が…?」
「私がお前を愛さなかったからだろう。だからお前はミナルに嫉妬し、ミナルを虐めたのだ!」
「はぁ」
適当に相槌をうった私に苛立ったのか、横に控える側近ズが、更に罪を問い詰めてきた。
「机に落書きをしたのも、ノートをビリビリに破いたのだってお前だろ…!」
騎士団長の息子である男が、こちらを鋭く睨みつけながら言う。
「授業の失敗をあざ笑い、ミナルを追い詰めるように仕向けたのも、貴方でしょう」
次期宰相の神童と謳われる男が、怒りを噛みしめるように言った。
「歩くミルナに、泥水を掛けたのもあんただろ!」
公爵の後継で、私の義弟が怒りを露わにしながら言った。
「…そして、ミルナを階段から突き落としたのもお前だろう!!」
私の婚約者のはずの王太子が叫ぶ。
「あらあら」
それを優雅に見つめる私は、昨日の私とまるで別人だろう。
「では、反論させていただきますわ」
なるべくお淑やかに、あんたらのココロをへし折ってやるよ。
これは、私が悪役王妃になって内政チートをしようとする物語。
ここまでご覧いただき、ありがとうございました!今回が初投稿になりますが、お楽しみいただけましたか?誤字脱字がありましたらご報告くださいm(_ _)m