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旧型感染症X

作者: 十死待

 新型感染症の感染拡大により人々の感染症に対する意識が高まる一方で、ある無名の旧型感染症は今日も日の目を浴びることはなく秘匿され続けている。

 この現状を打開すべく、旧型感染症の存在を周知させるために症状や感染者数、予防策について書き記す。

 WHOも今回扱う旧型感染症については一切定義をしていないので便宜上、感染症Xと呼ぶ。


 まず、症状について、感染症Xにかかると必ず死に至る。

 つまり、致死率100%の病であり、どの医療機関でも治癒することはできない不治の病である。

 その他の症状としては、空腹感、眠気、臓器や器官の機能減退,適応力の減退,記憶力の低下などが挙げられる。

 また、感染症Xは重大な免疫不全を引き起こし、感冒から悪性腫瘍までこの世に存在するあらゆる病に対する免疫機構を破壊する。

 ゆえに、感染症Xの感染者は新型感染症を含めたあらゆる病を発病しうる状態に陥る。


 次に、感染者数について、非常に残念なことだが、既にパンデミックが発生している。

 つまり、この世界に現存する全人類が感染症Xに感染している現状である。

 そして、毎日新たな感染者が増え続けており、感染は今なお拡大を続けている。

 ゆえに、感染症Xの周知、新たな感染者を出さない予防策が早急に求められている。


 最後に、その予防策について、実は感染症Xには非常に簡単で完璧な予防策が存在する。

 なぜなら、感染症Xは治療法こそ未確立だが、特定疾患とは異なり、原因である感染経路が明らかであるからだ。

 そして、その感染経路は飛沫感染などの水平感染ではないため、偶然感染することも偶然感染させることもありえない。

 つまり、感染は常に予測可能であり、ゆえに、予防は非常に容易である。


 その感染経路とは母子感染である。

 つまり、感染症Xの唯一の予防策とは、子どもを作らないことである。

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