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鬱蒼とした青。  作者: 雪之都鳥
第二章
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木枯らし

 深琴はウッドチェアに腰をかけて、ただミルクのたっぷりと入れた茶葉茶を飲んでいる。


 時折、深琴は喧騒を起こしている木枯らしを見る。みぞれに混じって木の葉も巻き込まれている。


「・・・・・・もうこんな季節か」


 窓から顔をそらせば、深琴はうたた寝を始めていた。僕は彼女を観察するのをとても面白く感じていた。


「・・・・・・静かだ」


 オルゴールも、いつしか鳴り止んでいた。聞こえるはずのおじいちゃんの声も、いつものように聞こえない。


 机の上に順序よく並べた本の中から、厚い皮の日記帳を開いた。ペン立てから青いインクの万年筆を持ち出して、文字の羅列を作っていく。


 何かを書こうとして、一向に僕は困る。なにを綴ろうか、なにを祈念しようか。深琴を横目で見てから、筆は進みだす。何かを書かなくては。生きる証を、書かなければ。僕の心は常にその焦りだ。

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