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第36話 名も無き、覚悟

「始まりましたね、EDP」

 SVの創始者、フィリオが椅子に座りながらEDPの様子をモニターで見ており、その横ではラティスがカップに紅茶を注いでいた。

 そして注ぎ終えたカップを受け皿の上に置き、それをそっと机の上に置く。

「ありがとうございます。ラティス、この戦いでERRORとの戦争が終わればいいですね……」

「お言葉ですがお嬢様、戦争はそう簡単には終わりません。奴等は降伏をしない、人間よりしぶとく厄介な生き物です、戦いが長期化すれば我等の敗北は免れません」

「……そうですね、ラティスの言うとおりです。ですが、ここでERRORと決着を付けなければ人類に未来はありません」

 フィリオは俯いたまま寂しげな表情でモニターを見つめている。

 そんな彼女にラティスは一つ質問をしてみた。

「お嬢様、一つ質問してもよろしいでしょうか」

「はい、なんでしょうか?」

「何故『神』を復活させる前に、我々人類だけで『EDP』を遂行したんですか。『神』がいればERRORなど容易に片付ける事ができるはずです」

「あの子がいなければ『神』を復活させる事は不可能に近い、それにあの子無しで儀式を行うにはリスクが大きすぎます。なので今回は我々人類の力のみでERRORと立ち向かわなければなりません」

「……分かりました、では私もERRORと立ち向かう為に出撃して来ます」

 そう言ってラティスは敬礼を済ませ、すぐさま部屋を出て行ってしまう。

 静かな部屋でたった一人モニターを見続けるフィリオ、その顔は寂しい表情を浮かべていた。



 EDPが開始され十分以上が経過したが、甲斐斗は未だに艦内の格納庫にある自分の機体の操縦席に座ったまま発進の機会を伺っていた。

(さて、EDPは始まったし早く出撃したいもんだ)

 武蔵は神楽に甲斐斗が機体のパイロットと言っていたが、実際この機体をこの戦場に投入してもいいのかまだ許可をもらっていない。という事は無人の機体扱いになっている。

 そんな機体がここで出撃してしまうと部隊が混乱するかもしれない訳であり勝手に出撃する事は出来ない。

 しかしこのまま此処に残っていては仕方ない為、甲斐斗はどのタイミングで出撃するのかを考えていると、一番良いタイミングを思いつく。それはERRORとの戦闘が開始されて混戦になった時だった。

 人類が危機的場面に甲斐斗が颯爽と登場、そして自分が味方だという事をアピールするようにERRORを倒せばいい、実に簡単な事。

 甲斐斗は腕を組みながら何時出撃しようかと胸を躍らせながら待機していると、通信機から一人の少女の声が聞こえてくる。

「私が部隊のオペレートをさせていただきます!」

 元気ハツラツの声が聞こえてくる、一応通信回線と映像は繋いである為戦闘の状況や会話が聞ける。

(ん、こいつがレンが前に言ってた由梨音って奴か)

 ふと由梨音が乗っている機体を甲斐斗は見てみると、それは以前ルフィスが乗っていた機体だった。

(ルフィスが死んだからあの子の機体になったのか……)

 複雑な心境で甲斐斗は機体から眼を逸らすと、由梨音の声が再び聞こえてくる。

「伊達中尉。頬を気にしてるようですけど、どうかしたんですか?」

 モニターには武蔵が自分の右頬を痛そうに摩っている映像が映っており、気になった由梨音が声をかけてみた。

「ちょっとね……」

 武蔵は苦笑いでその場を過ごそうとしていたが、今度はモニターに赤城の姿が映し出され武蔵に声をかける。

「私が殴った所がそんなに痛むのか?」

「えっ!赤城少佐が殴ったんですか!?」

 赤城が殴ったとききただ事ではないと感じた由梨音は驚きを露にすると、赤城は平然とした様子で説明しはじめる。

「ああ、武蔵が弱気になっていたからな、私が気合を注入してやった。それと武蔵、もう二度と私の前であのような話をするな。お前は……私が守る』

 そう言うと赤城は通信を切りモニターの映像からも姿が消えてしまう、それを見た武蔵は小さな溜め息を吐いた。

「俺を守る、か……心強いね、ありがとう赤城。さて、雑談はこれでおしまい。気を引き締めて行こうか」

 その時、何かが吹っ切れたかのように武蔵の顔つきが変わると、武蔵は『GATE』へと向かうべき機体を走らせた。



 EDPに参戦しているのはNFだけではない、ERRORが溢れ変える敵陣の中、たった二機の機体がその中で猛威を揮っていた。

『GATE』周辺にいるPerson態を次々に潰し、Beast態やWorm態を殺戮していく赤鬼『アストロス・オーガ』。

 見難く獰猛なERRORに動じる事無く次々にERRORを殺していくオーガの勇猛果敢な戦い方に周りにいるNFの兵士が呆然としてしまう。

 そしてオーガと同じく、一機のSVの機体が力を揮っていた。

 赤鬼によりも素早く、軽々と軽快な跳躍をするその機体には、二人のパイロットが乗っている。

「やっぱり馴染みの機体だと力入るぜ! なあエコ!」

「そうね、アストロス・ライダーの力と…私達の力があれば……」

「敵無しぃッ!」

 葵とエコが乗る二人専用の機体『アストロス・ライダー』。

 両手の甲に付けられている長い鉤爪は飛びかかるBeast態を切り裂いていくと、腰の左右に着いてあるキャノン砲を巧みに使い接近してくるPerson態を吹き飛ばしていく。

 たった二機、されど二機。オーガとライダーの力にNFの兵士達は奮い立たされる。

「す、すごい。あれがSVの力、我等NFも負けてはいられない!」

『GATE』までの道のりにいる数百は軽く超える程のBeast態、Person態。

 兵士達は『GATE』までの道のりを作るために邪魔になるERRORを次々に撃ち抜いて行く。

 そこに一発の砲弾と、無数に飛びまわるフェアリーの姿が見えてきた。

「伊達隊長! GATEまでの道は私達で開きます! 少しでも弾薬を温存していてください!」

 レンの乗る機体『フェリアル』からは次々にフェアリーが放たれ『GATE』までの道を作り出していた。

 モニターに映る巨大な『GATE』、戦艦と共に部隊は一斉に『GATE』に向かっていく。

 そして武蔵の乗る大和が『GATE』中央に到着、それを囲むように一斉に部隊が展開していき、フォーメーションを取る。

「全機に告ぐ!全力で伊達大佐を護衛しろ!ERRORを一匹たりとも近づけるなッ!」

「「了解ッ!」」

 赤城の声が全部隊の兵士に届く、円を描くように武蔵の周りには何十機もの機体が並び陣形を組んでいく。

 その円の周りにはまた円を描くように部隊が並んでおり、近づくERRORの波を次々に撃ち抜いて行く。

 武蔵はその間に『GATE』中心部にあるパネルを順番通りに押していく。

『GATE』を開ける為のコード入力装置は破壊を防ぐ為に『GATE』内に埋め込まれ、隠れている。

 その為まずは安全装置を解除し、入力装置を呼び出す必要があった。



「こちら第一小隊、前線での戦闘で弾薬の消耗が激しい、補給の為一時後退する」

 爆音や発砲音と共に第二小隊の部隊に無線が入ってきた、その無線を聞いた女性隊長が第三小隊に指令を伝える。

「了解しました、第二小隊は前進。第一小隊が戻ってくるまで防衛線を維持し続けて下さい」

 次々に第1小隊が後退し、戦艦まで戻っていく。それと同時に後ろで待機していた第二小隊が一斉に前に出た。

『GATE』の一番外周で戦う第一、第三、第語小隊。内周には第二、第四、第六小隊が待機。

 さらに内周には戦艦が待機、さらたに第一から第六の独立部隊が陣形を構えている。

「隊長! レーダーにWorm態の反応有り! 前方に約二十体います!」

 第二小隊のオペレーターはERRORの数、種類、場所等を正確に次々と伝えていく。

「Worm態の処理は艦に任せます、各部隊はPerson態、Beast態の処理に専念してください」

『GATE』に這い上がってくるPerson態、いくら殺してもまるで生き返っているかのように減らず、少しずつ近づいてきていた。

「その調子だ! Worm態は艦に任して俺達はこの汚い化け物を蹴散らすぞ!」

 数機のギフツが横に並び、波のように押し寄せてくるPerson態を蹴散らす。

 ニタニタと笑いながら近づいてくるその動きは誰もが気味悪く思いながら兵士達はERROR目掛けて引き金を引いていた。

「うじゃうじゃ沸いてきやがって! この化物がぁっ!」

 一機のギフツが手首からナイフを出すと、周辺にいるPerson態を次々に斬り捨てていく。

「お前等のせいで俺達の世界はめちゃくちゃなんだよ!」

 手足が吹き飛び、それでも『GATE』に近づこうとするPerson態を見つけた兵士は、銃ではなくナイフで止めを刺す。

 それでもPerson態は笑っている、例え自分達が死ぬと分かっていても全く『死』を恐れていない。

「おい! 前に出すぎだ、GATEにさっさと戻って来」』

「ったく、わかってるよ。今から戻る」

 Person態の頭部に突き刺さっているナイフを引き抜くと、出力を上げて一気にGATEの上に戻り、部隊と合流を済ませる。

「奴等は地中からも来るんだ、戦うならなるべくGATEの上で戦え」

「りょーかい、以後気をつけます」

 そう言うと兵士が乗っているギフツはナイフを戻し、背中に着けらている銃を手に取った時、躊躇い無く突然引き金は引かれた。

「えっ───」

 あっという間に回りにいたギフツに穴が開いていき、爆破していく。

 機体に乗っている兵士は何も触っていない、だが自分の乗っている機体は次々に仲間を殺していく。

「おい! 何をしている!? 今すぐ攻撃を止めろ!!」

「と、止めたくても勝手に機体が動くんだよ!」

 兵士は無我夢中にレバーを押し、何度もスイッチを押すが、機体は全く操作を受け付けない。

 操縦席の赤いランプが点等し始める……そして画面に、あの文字が映し出された。

『─ERROR─』

『─ERROR─』

『─ERROR─』

 ギフツは両腰に着いている手榴弾を掴むと、一気にGATE内周部にいる戦艦に特攻していく。

 そこにはまだ補給を行なっている第2小隊の姿があった。

「だ、誰か! 俺を止めてくれっ! ああ! ああああぁああぁあああッ!!」

 ギフツは止まる事無く第1小隊が補給を行なっている艦へと入っていった。

 閃光が煌いた後、格納庫から凄まじい爆発が起こる。

 爆発は連鎖していき、補給をしていた機体、待機していた兵士、艦に乗る全ての兵士が一瞬にして命を落とした。

 誰もが聞いてわかる艦の巨大な爆発音、黒く大きな爆煙はその場にいた兵士達に絶望を与える。

「そ、そんな。俺達の艦が……う、うわっ! うわぁああああああああッ!!」

 次々に歩み寄ってくるPerson態、その後ろからBeast態、Worm態と、次々に押し寄せてきていた。

 外周は手薄になり、次々にGATE上にERRORが這い上がってくる、応戦しようと生き残った兵士が立ち向かうが。

 その圧倒的な数に何もする事が出来ず、ただただ殺されていくしかなかった。

 第二小隊のオペレーターがすぐさま小隊長と通信を試みる。

「た、隊長! 第一小隊が全滅! 第二小隊は十二機しか残っていません!!」

「そんなっ!? 一瞬で艦と第2小隊を失うなんて……! 各機、増援がくるまで何としてもここを守りぬいて!」

「む、無理ですよ隊長! 私達だけでは……うぐっ!」

 オペレーターの乗る機体に次々にPerson態が張り付いていき、機体の身動きが取れなくなる。

 そして一匹のPerson態が背部の装甲を噛み砕き、動力源を強力な酸で溶かしていく。

「機体が動かない!?」

 モニターにはニタニタと笑みを浮かべこちらを見つめてくるPerson態がいた。

 たった一枚の装甲の前に奴等が腹を空かして待っている。

「い、嫌ッ……! た、助けて!」

「その子から離れなさい! この化け物ッ!」

 リバインがギフツに張り付いているPerson態を次々に機関銃で撃ち抜いていく。

 そしてギフツの前に移動すると、ぞわぞわと近寄ってくるPerson態を必死に機関銃で撃ち殺していった。

「今のうちに脱出しなさい! 私が時間を稼ぎます!」

「む、無理ですよ! 周りには沢山のERRORがいます! 機体から出たら喰い殺されます! 私死にたくない……喰い殺されたくない!」

 機体が動かず、完全に混乱しているオペレーター。

 そんな彼女をERRORから必死に守ろうとしている小隊長、だが長くは守る事が出来ない。弾薬があと僅かしか残っていなかったのだ。

「それなら胸部のハッチを開けて! 私の機体に来なさい!」

 リバインはライフルを背中に戻すと後ろに振り向き、胸部のハッチを開ける。

「さあ早く! 貴方もハッチを開けて!!」

 怯える様子の少女はすぐさま胸部のハッチを開けるスイッチを押すと、小隊長の乗る機体に移ろうとする。

 機体の手で橋を作り、その上を渡らせようとした。

 小隊長は腕を伸ばし、少女と手と手が触れようとした時、少女の姿が一瞬にして目の前から消え去る。

「嫌ぁあああああああああッ!!」

 聞こえてくる少女の断末魔、その悲鳴に隊長は急いで胸部のハッチを閉じると、モニターで少女を探し始める。

 すると、一匹のPerson態が右手にあの少女を掴んでいるのが見えた。

 が、Person態は何故かすぐには少女を殺さず『GATE』の上で手を放す。

 まるでその光景を見せびらかすかのように、Person態は小隊長の乗るリバインに近づこうとしなかった。

 モニターには必死に助けを求める少女の姿が映し出されている。すると、一匹のPerson態が少女に近寄っていく。

 涙をボロボロと零しながら少女は立ち上がり、リバインまで必死に走って逃げようとしたがPerson態の口から伸びる強力な酸の舌で一瞬にして両足が融かされる。

「ぎぃあああああああああッ!!」

 その場で苦しみ、のたうち回る少女。

 少女とは思えない程の断末魔に、それを見ていた小隊長は愕然としている。

 それでも少女の周りにいるPerson態はニタニタと笑っていた。

 まるで人間の苦しむ表情や人間が死んでいく事を快楽にしているかのように。

 融けた両足からは大量の血があふれ出し、やがて少女は動かなくなる。

 ただ足の無い体がぴくぴくと痙攣するだけ、そうなるとPerson態はその体すぐさま喰い千切り食べてしまう。

「……遊んで、いるの……? 人を苦しめたり、殺す事が……そんなに楽しいって言うの!? 貴方達はっ!」

 リバインは背部についてあるグレネードランチャーを手に取ると、少女を喰い千切り殺したERRORに向けて引き金を引く。

 Person態の体はバラバラに砕け散る、それでも奴等は笑っていた。

 全く気が晴れない、奴等は苦しむ事無く笑いながら死んでいくのだから。

 周りにはERRORの死骸と機体の残骸が散らばっている、第二小隊の隊長はただ一人この場を守ろうとしていた。

 既に残りの第二小隊の兵士の反応も消えている、明らかに、確実に、ERRORは『GATE』中心部に進行していく。

 先頭に立って進んできているPerson態、Beast態をグレネードで次々に吹き飛ばしていくが、ついに弾切れになり銃を投げ捨てる。

 そして盾とLRSを構えると、リバインの目が強く煌いた。

「ここから先を行きたいのなら、私を倒してからにしなさい。そして教えてあげる、人間の強さを……NFの誇りをッ!!」

 隊長はそう言うとERRORが集まっている場所に一人特攻していく。

 Person態を踏み潰し、襲い掛かるBeast態を盾で弾きながら隙を狙いLRSで斬り殺していった。

 が、ERRORの数が減る事は無かった。

 まるで殺した分だけ増えているかのように、既にリバインの周りを何十匹ものERRORが囲んでいた。

 例えそれでも隊長に心の迷いは無い、ただ目の前にいる敵を次々に殺していくのみ。

「EDPが成功すれば私達人類の勝ちよ、貴方達には絶対に邪魔させない!」

 近づいてくるPerson態を切り払おうとしたその時、背後からBeast態に飛びかかられ、すぐさま機体を倒されてしまう。

 何とか立ち上がろうとするが、周りを囲んでいたPerson態が次々に機体に張り付いていき、装甲を融かし、噛み砕いていく。

 成すすべも無く機体を解体されていくが、隊長は怯える事無く、何かを決心するかのように目蓋を閉じていた。

 モニターが赤く点滅し警報音が鳴り響く中、操縦桿の中心にあるガラスのケースにそっと拳を乗せた。

 ケースの中には赤いスイッチが着けられてあり、そこには大きく『LIMD』と書かれている。

 その時、胸部の装甲に巨大な穴が開く。穴を開け、そこからPerson態がニタニタと笑いながら顔を出していた。

 だが……その操縦席にいる隊長も、微かに笑っていた。

 目の無いPerson態と面と向かって顔を合わせている、まるでERRORを、死を恐れていないかのように。

「私が泣いてるとでも思ってた? 残念ね、笑ってました』

 拳をゆっくりと振り上げる隊長、そして一言、ERRORに向かってこう呟いた。

「貴方達を殺せると思うと、嬉しくて……ね」

 笑みを浮かべながら、その振り上げていた拳を勢いよく振り下ろした。



「赤城少佐! GATE外周部に強い爆発を確認! こ、この反応、恐らく第二小隊の隊長が『LIMD』を使ったのだと思われます!』

『自爆……そうか……由梨音、被害状況を知らせろ」

「第一小隊と第二小隊が全滅、このままだとERRORが内部へと一気に押し寄せてきます!」

「わかった、第三から第六小隊は外周のERRORに専念させる。第一、第二小隊の分は第一から第六の部隊戦力で補うぞ。武蔵、そっちの準備はどうだ」

「こっちは順調、あと数分もあれば安全装置を解除できる」

 武蔵は操縦桿を触らずにただただ画面に映っているコード入力画面に目を通している。

 操作をしなくても既にSRC機能を使っている為に機体が直接高速でPWを打ち込んでいく。



 波のように押し寄せるERROR、だがそんなERRORの前に数十機の機体。そして三機の機体が前に並んでいた。

「さってっと、そろそろ俺達の活躍の出番だな」

 機体は良好、葵とエコの乗る機体が準備万全の中、アストロス・オーガに乗る愁はフェリアルに乗るレンと通信をしていた。

「俺達は前線に向かいERRORと交戦してきます、レンさん達は後ろで殺し損ねたERRORを排除してください」

「は、はい。わかりました。無理はしないで下さいね」

「この戦場では多少の無理は覚悟の上です。ですが心配はいりません、それでは」

 言う事だけ言うと通信を切る愁、既にモニターには押し寄せるERRORの波を映し出していた。

「二人とも、準備はいいですか?」

 葵とエコの乗る機体のモニターに愁の姿が映る、心配をするまでもなく、二人はやる気満々だ。

「準備はバリバリOK! 奴等の腸引き裂きに行くぞッ!!」

「私も大丈夫、行きましょ……」

「了解です、これよりERRORとの交戦を行ないます!」

 弾丸の如く2機の機体が一斉に戦場を駆け抜けて行き、ERRORの波へと向かっていった中、武蔵の声が全機体に流れた。

「安全装置解除、同時に制限時間表示、これより……『GATE』解除作業に取り掛かる」

レン・スクルス

東部軍事基地第五独立機動部隊の隊員。

部隊の中で一番年齢が低いもののとてもしっかりしており正義感が強い。

また、いつも活き活きしており弱音を吐くことなく物事をこなしていく様子は皆から信頼を寄せている。

ちなみに機体の扱いはこの部隊の中でも3番目に上手い。


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