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二度読むこと

同じ本を二度読むことはほとんどない。かなり昔に読んだ本でもおぼろげながら内容を覚えているし、それならば新しい本を読むことに時間を使いたい。つまりは時間に対する成果を考えている――貧乏性である。


それでも特に印象が残っている本については、ふと読み返したくなる時もある。懐かしさにかられて頁をめくれば、覚えている箇所の内容と共にいつ読んだか、どんな感想を持ったかまで思い出す。


今の自分とは違う、昔の自分は。


知識、考え方、心の状態も違っていて。


同じ本を読んだとしても、何をどう面白いか、どこに心の琴線が触れるかがやっぱり違うんだ。時間の流れはそれを浮き彫りにする。


本によっては筆者が亡くなっていることもある。昔はもっと純粋に楽しめたなと残念に感じつつ、人生の折り返し地点間近な私は――やはりあの時とは違う視点でまた一つ、読書の経験を重ねるのだ。


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