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プール
台風が過ぎ去った後のプール、ばちゃりと体を沈める。水は冷たい、夏の陽射しを吸収するような時間は無かったのだろう。
所々に浮く木の葉が昨夜の台風を思い出させた。寝ていたので分からないが、かなり酷かったようだ。プールに隣接した海は波も高く、遊泳禁止のそんな夏の一日だ。
一度体を沈め、体温を慣らす。心臓辺りまで水に飲み込まれたような......ひやりとした感覚。錯覚だ。
高々三日間の旅行に過ぎず、社会人とは窮屈だと思い知らされる。周りも同じような家族連れ、短い夏休みを子供の思い出作りにしているのだろう。
透明度の高い水の跳ねるスプラッシュに、浜一つ隔てた潮の寄せる音が被さって。しかし人工のプールの方が便利なんだなとすっかり野生を失った僕は思う。
生き方だってそうだろうな。いくら頑張っているように見えたってさ、人間の領域をはみ出さないのだから。プールの中で泳ぐようなものだろう。
それはそれで......




