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あの夏の行方は
熱がこもるような朝が今日も来る。
うんざりしながら見る目覚まし時計は午前四時半だ。またか、また暑さで目覚める季節か。
12時過ぎに寝て正味四時間半の睡眠時間で足りるわけもなく。
クーラーをかけてせめてもの抵抗と貪る惰眠が微かな希望だ。
そして訪れる本当の目覚めは腹立たしいまでの朝日を伴い、無理矢理に私をベッドから叩き出す。
だるいな、と寝ぼけた顔に水を叩きつける自分。
早く秋になれと叶わぬ願い。
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子供の頃に大好きだった入道雲は今はただうらめしい。
夏はどこへ消えたんだい?
どこにも消えてはいない。消えたのは僕の若さだ、感性だ。
あの青の向こうに果てたのさ。