金2
思い切って扉を開けると、中に閉じ込められていた喧騒が一気に開放された。
見るからにガタイの良い人達が、テーブルを囲んで雑談していたり、大声を出して笑ったりしていた。
カウンターのような場所の奥で、職員が忙しそうに動き回っている。
まあまあ広い空間に、かなりの人が集まっている。威圧されながらも前に進みでる。
僕らが入ってきても誰もこっちをジロジロ見てこないのを見るに、恐らくここは誰でも入ることができる場所なのだろう。
受付の人がちょうどいいか。ここがなんの場所なのか聞いて、ついでに僕らでもできそうな仕事を教えてもらおう。
「すいませーん!」
こういう時はやっぱりアクナが先陣を切ってくれるから助かる。
「はい、何かごようでしょうか」
笑顔を作った感じのいい女性だ。何となくこっちの緊張感も解けてくる。
「あの、急で悪いんですけど、ここって、何の場所なんでしょう?」
「何って、ここは冒険者ギルドですよ?」
僕らの質問に、若干しかめっ面になって彼女は答えた。変な質問だっただろうか。
「えっと、、、冒険者ギルド、って?」
一瞬間ができて、あからさまに彼女は驚いた顔をする。
「え、知らないんですか?!そんな事あります?!」
「あー、はい、恥ずかしながら、、」
「そ、そうですか、、、」
なんだか納得ができないような顔をしながら、しかし彼女は丁寧に説明を始めてくれた。
「冒険者ギルドは、街や国、個人から来た依頼を、冒険者の皆さんに届ける仲介の施設です。依頼内容は様々で、動物や魔物の討伐、出兵、山菜集めの手伝いなど、種類は様々です、、、こんな所でしょうか、」
冒険者、僕らにピッタリじゃないか!動物とかの討伐なら慣れてるし、森の中での仕事ならお手の物だ。
「えっと、どうすればその、冒険者?になれるんでしょうか」
「冒険者の需要はとても高いので、登録さえして貰えればどなたでもなる事ができます。」
2人と目を合わせる。どうやら2人とも賛成のようだ。
「じゃ、じゃあ僕らでも登録ができるんですよね、」
「可能ですよ。今済ませてしまいますか?」
「お願いします!」
登録の方法は、至って簡単だった。必要なのは名前とポジションだけ、前に習ったのだが、この世界にはファミリーネームが存在しない。つまり、苗字が存在しないのだ。
だから僕の場合はマコトとだけ書けばいい。
書き方はイサノに教えてもらった、、、
登録が済むと、冒険者の身分証を貰える。これがあれば武器を持って他の街にも入れるらしい。とても良いものをもらった。
「早速仕事、探すか」
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冒険者、数年前までは個人個人がバラバラに活動し、職業としての統率が取れていないものだったが、
帝国が正式な職業としてそれを認めた後、各国に冒険者ギルドを設立し、バラバラだった冒険者をまとめ、依頼の効率化、組織化することによって国の管理下に置くことができるようになった。
この職業につく人間は様々で、その誰でもなれるという性質から、他に仕事がない人や、元犯罪者などの、やむを得ず冒険者になる者もいれば、
依頼によっては高いリスクと代わりに高い見返りがある物もあり、自ら志す者もいる。
この世界では、最もポピュラーな職業である。
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「レベル?」
「はい、この依頼を受注するには銅レベルのレベル称号が必要です。」
またややこしいことを、、、もう説明パートはいいっての、
ラインベア10体の討伐、僕らなら簡単なはずだ。
「とりあえず、あなた達はまだ称号無しですから、それでもできると書いてあるものから持ってきてください。依頼によっては称号を貰えるので、」
━━━━━━━なんてこともあったが、僕らはちゃんと仕事を見つけ、今は街の裏にある山の森の中にいる。
そう、山菜集めである。
これでは称号は貰えないが、今は取り敢えず確実に金が必要だ。幸い僕らには知識がある。
ひょいひょいと依頼された山菜を集めると、問題なくすぐにそれを持って戻った。
なんということでしょう、あっさり換金できてしまった。一回につき銀貨2枚、あっさり今の僕たちの全財産を超えてきた。
それを5回ほど繰り返し、すっかり金持ちになった気分である。
聞いた話によると、このギルドは宿屋も兼用しているようで、しかも、安いと話題のようだ。こんなにスムーズに行くとは思っていなかった。
早速部屋を借りよう。
「1日銀貨6枚です。」
………宿って、高くね




