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21話 決戦 2

魔王レヴィアタンはいつの間にか中央に戻っていた。右足は破壊されている。


青年の顔立ちをしていた。顔も鱗で覆われている。髪は深い青みがかった黒で、肩口までなめらかに垂れているが、メディウスのように絡まった髪である。青く輝く目は蛇のように邪悪で、真っ赤な舌は二つに分かれていた。それなのに美しい――すべての色合いや光の反射が重なり合い、妖艶で完璧な美を形作っていた。


「我の体に傷をつけるとは……貴様らは何者だ!死ね!」と叫ぶと、強大な火炎魔法がマコテルノたちを襲う。


しかし、その炎はガルディアの盾に吸収された。(この盾があれば勝てる)


魔王は驚いたように目を見張った。


(しかし、知性は違った。まだ幼き神、心まで読めまい、貴様達の考えなど丸見えだ)


マコテルノはすぐに皆に脳内で瞬時に伝えた。(これは相手の罠だ。自分たちの攻撃が通ると思わせるための――)


魔王は心の中で驚愕していた。

(これを読めているのか……)


マコテルノは脳で強く念じる。(心命…拒絶)


(なんたる力だ、心を読めなくされた……仕方ない、最後の力を使うか)


人間のような体であった魔王は、一瞬にして巨大なヘビ――いや、海獣の姿へと変貌した。


その海獣レヴィアタンは体長三十メートルにも及ぶ怪物であり、まさに厄災と呼ぶにふさわしい力を持っていた。


見る者すべてに恐怖を刻みつける巨大な筋肉の塊のヘビであった。歯は剣のように鋭く、口からは炎が吹き出し、その熱は石をも溶かした。海の底から現れては、嵐と混乱をもたらす“災厄の竜”として語り継がれている。


魔王レヴィアタンの真の姿である。この姿に変わると知恵はなくなる。海獣としての戦いの力だけで動く。


海獣からは、洞窟全体に巨大な津波が湧き起こった。


フィーネは即座に考えた。(皆を守って、強い結界となって――)


五聖たちは、フィーネの近くに集まり、その結界に守られていた。


海獣は、水を得た魚のように、津波の中を泳ぎ、フィーネの結界を丸ごと大きな口で、強靭な牙でかみ砕こうとした。


結界の中からは、攻撃することができない。


しかし、メルカニアは、フィーネの結界に攻撃属性を付与した。(あなたの刃が砕け散れ――)


海獣は、結界ごと五聖を噛み砕いた。だが、メルカニアの魔法が勝り、牙は砕け散った。海獣の巨大な青い目が、五聖たちをじっと睨みつけていた。


海獣は巨大な体を丸い形の結界に巻き付けると、鱗が壊れるのも気にせず、結界を押しつぶしてきた。


フィーネの血の気が引いていく。(だめ、壊れる……いえ、壊さない)


マコテルノは脳で強く念じ続けていた。(神命…消滅!)


洞窟内の海は少しずつ消えていっていた。


海獣は結界を壊すのをあきらめ、距離を取ると、洞窟全体に響き渡る唸り声を発している。(こやつらは、何たる力を持っている)


すると、体を大きくうねらせ、力任せに攻撃してきた。


皆は飛び上がってそれを避けたが、ガルディアは盾を高速回転させて受け流そうとした。(この力は……強すぎる……流せない……受けるしかない!)


怪獣の胴体には大きな穴が開いているが、ガルディアは洞窟の壁に叩きつけられ、体中から血しぶきをあげていた。(いつもだ。まだ戦える)


フィーネとマコテルノがすぐに回復の術を施す。


メルカニアは脳内で最大級の(月光)を唱える。


洞窟全体を覆うような黄色い満月の天板が現れ、それが海獣に向かって砕け散り、円月刀となってガルディアが深く傷つけた巨大な穴を切り裂く。


海獣の中から海水のような大量の血飛沫が上がる。


しかし、メルカニアも体中が傷だらけになっていた。海獣には反射の力が備わっていたのだ。


マコテルノは脳で強く(神命――阻止)と念じ、反射の力を弱めていた。しかし、神の器からの警報は鳴り響いていた。

(強い。でも、攻撃は通っている。やれる)


ラグナードは、その傷口に高速で双剣を叩き込んでいる。自らも傷ついているが、何一つためらうことなく、敵を切り裂いていった。(俺の女を傷つけるとは、殺してやる――)


フィーネも、ラグナードを絶えず回復し続けていた。


マコテルノは、メルカニアの体を治した。


メルカニアは、脳内で強く、最大級の(月光)と念じる。


ガルディアもそれに合わせて、盾を回転させながら、敵を真っ二つに切り裂いた。


皆の心はひとつにつながった。(ここだ――)


攻撃は狙い通り、海獣を真っ二つに切り裂いた。


海獣レヴィアタンは「シャアアアアアアア――!!」と絶叫を上げ、のたうち回っている。


(よし、やった!)と、五聖は思った。


だが、切り裂かれた身体は、徐々に戻って言っている。


マコテルノも愕然としていた。


皆も、動きが止まっている。


マコテルノは、より強く(神命――解)と唱えるが、敵の最大の弱点がわからない。


(警報じゃまだ。僕は一人じゃない、仲間がいるんだ)


(上等じゃないか、体ごと刺身にして、あとで食ってやる)


(もう油断はしない。確実に仕留める。どんなに長期戦になっても)


(私のすべての力を与える。お願い、皆を勝たせて)


(強い、怖い、でも、守る。死んでも守る)


五聖たちの絆は、より強くなり、闘志があふれていた。


五聖たちは、あらゆる箇所を分断し続けていた。怪獣は、力任せに五聖たちを攻撃し、大ダメージを与えていく。


そして戦いは総力戦、消耗戦へ――終わりのない戦いが続いていた。


もう五聖たちの身体も装備も、すでにボロボロだった。


フィーネも息が上がり、皆も息が荒くなっていた。


秘境の村の“神の修練の洞窟”――4人の仲間たちは、死ぬことはなかった。

いや、人は死ねない神の洞窟であり、そこで彼らはあらゆる連携技を試し、鍛え上げてきたのだった。


海獣レヴィアタンも徐々に回復の速度が遅れ、動きが鈍くなっていた。


そして今、5人は心の中で通じ合い、海獣を攻撃しながら得た情報をもとに、「海獣の体全体を消し去る方法」にたどり着いた。

最後の勝負をかける。強く念じ、皆の心を一つにした。

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