ドクター〜擬音がエロい〜
爆音。デパートの屋上は火の海となった。
「人が一杯怪我してる!!誰か医者はいないか!?」
その声を聞き、下の階にいたドクターはペットボトルの水を被り屋上へ走り出した。
「医者です!皆さん落ち着いて!」
ドクターはまず、爆音のショックで心肺停止した老人に人工呼吸をした。
チュッ。んちゅ。ちゅうぅ〜ちゅぽん!
ジュロロロロ!んべぇ!れろれろれろぉ〜。
ジュポジュポジュポ!
老人は息を吹き返した。
「先生!こいつを助けてくれ」
青年は喉を火傷して呼吸が出来ないようだった。
「緊急事態だっ!このボールペンで喉に穴を開けて気道確保する!」
ズンッ!!!
ぬぽぽぽっ!
「ああ〜ん!」
ドピュッ!ドビュッ!突き刺したボールペンから芯を抜くと血が吹き出た。
「痛いだろうが我慢してくれ!」
クチュクチュクチュ。ぬっぷ!ぬっぷ!ずっちょ!ずっちょ!
「くぅ。はふぅ〜ん!」
「イケっ!イケっ!……よしっ!気道確保!」
火は収まる気配はない。
ドクターはスマホで近くの病院へドクターヘリを要請した。
「誰も死なせない!」
カチッ!ぶいいいいぃぃぃん!ブブブ!
AEDの音が響く。
暫くしてドクターヘリがやって来た。
ドクターのスマホが鳴る。
「何してる!速く来いっ!」
『ああ……ドクター。んふっ。……火が強すぎて着陸出来ませんよぉ』
「はぁ?プロペラの音がうるさくて聴こえないなぁ?『必ず着陸する』だってぇ?」
パンパンパンパンパン!
『……都合の悪い事は聴こえない。……相変わらずいいお耳をお持ちで。……ふんふんふんっ!』
「患者の命がかかってるんだ!やれぇ!」
パンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパン!
『ドクターには敵わないや。着陸する!』
ポンッ!
ポンッ!
ぬぽ!
びゅっ!
この日の爆発事件で死者は1人も出なかったという。