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襲撃と覚醒、そして告白

朝の中庭。昨日のスピーチから一夜明けて、エイジはまだ少しソワソワしていた。

「……あのスピーチ、やりすぎだったかな」と呟きつつ、手にした一斤三千円の“最高級食パン”をかじる。


その背後――


「そこだァァァァァ!!!」

突然、木の陰から飛び出してくる黒い影――複数!


「うわッ⁉ なになになに⁉」

転がるパン。驚いて飛び退くエイジ。


現れたのは、リボンでおそろいに飾った女子数人。

額にタクトの名前、手には自作のスローガン入りプラカード。


「あなたのせいで!タクト様の式辞が聞けなかったのよ!」

「超・楽しみにしてたのにぃぃぃ!!」

「そうよ!式辞が変わったってことは……校則違反なのでは……?」


「いや、違反じゃないからね!? 正式に交代してもらったからね!?」

エイジが必死に否定するも、彼女たちは聞く耳を持たず――


「捕らえて追放します!!」


いきなりピシッとネットが飛んでくる!

――が、それを空中でバチン!と破る影があった。


「よっと」

振り下ろされたロープも、飛び交う糸も、全てマモルの手にかかれば一瞬で無効。


彼の目は鋭く、体のキレはまるで忍者のよう。

大柄な体からは想像できない身軽なステップ、次々と迫る罠を避け、解き、ねじ伏せる。


「な、なに!私たちの完璧な罠が!!」 「なんて素早い動きなの……?」 「そ……そんな!!」


最後には、布の下に隠していた落とし穴の仕掛けまでも見抜かれてしまう。




実はマモルは常人の理解を超えた戦闘力をもっていた!

戦闘強すぎバグ【フォースバグ】のバグホルダーだったのだ!!!




「先輩たち、何がしたかったんですか……」

呆れたようにマモルが言う。


エイジは呆然。「ま、マモル……すご……」


彼は襟を直しながら、静かに語りはじめた。


「俺、実は“戦闘強すぎバグ”。身体能力とか反応速度が常人の数倍に跳ね上がる体質なんだ」


「えっ、そんな凄い能力があったの!?どうして隠してたんだよ!」


「うん。昔から怖がられることが多くてね。だからずっと隠してた。でも、昨日のエイジのスピーチ聞いて……なんていうか、俺も“ここで自分のままで生きてみたい”って思えたんだ」


その言葉に、エイジの表情が一瞬で柔らかくなる。


「マモル……ありがとう。打ち明けてくれて。そっか、すごいかっこいい能力じゃん!!

俺たちバグホルダー同士だったんだな!」


全力の肯定。

マモルの目が一瞬潤んだ気がした。


――と、そこにまた声がかかる。


「……あれは、何をしているのかな?」


振り向くと、そこにはタクト。腕を組み、少しだけ冷めた視線。


「タ、タクト様ぁああああ!!!」

ファンクラブたちがバッと直立。


「……お前たち、まさかとは思うが、俺のために誰かを攻撃したのか?」


「えっ、その……はい……!」


「フッ……」


彼はため息をついて、少し首をかしげながら言った。


「誰かを応援するというのはね、自分の人生を諦めるってことじゃない。むしろ逆だ。自分が誇りを持って生きていく姿勢があってこそ、誰かの背中も押せる」


「は、はい……」


「“推し”に全力なのはいい。でも、その分、自分自身にも全力であれ。そうでなきゃ、応援はただの依存になる」


静かな言葉だったが、その一言ひとことがズシンと響いた。


「……すみませんでした……!」

「わかりましたー……」

ファンたちがしょんぼりと去っていく。


エイジとマモルがその背中を見送りつつ、顔を見合わせる。


「……なんか、意外といいこと言うなタクト」

「うん……さすが“首席”って感じ」


「非公認とはいえ、私のファンが迷惑をかけてすまなかったな」


タクトは少し照れくさそうに謝罪し、そのまま静かに歩き去る。



「……へへ。あれが“ツンデレ”ってやつか?」


マモルが笑う。エイジも笑う。


そして、校舎の上に広がる春の空。

これが、新しい日常の始まりだった。



いかがでしたか?


今回は、エイジのスピーチがきっかけで、ひとつの“秘密”がほどけたお話でした。


派手なアクションあり、ちょっと笑えるドタバタあり、でもその奥には“本当の自分を見せる勇気”が描かれています。

マモルの戦闘強すぎバグ、まさかの大活躍でしたね!

あんなに強いのに、ずっと隠してたなんて……彼の優しさがにじみ出るシーンでした。


そして、エイジの全力肯定――

誰かに「それ、かっこいいね」って言ってもらえるだけで、どんな“バグ”も少しだけ誇らしくなる。

そんな、あったかい空気がこの回には流れていたように思います。


次回は、いよいよ担任の先生に登場してもらいます、ぜひご期待ください!


ではまた次回――お会いしましょう!

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